第11話 魔人現る
アンデッドの森から帰った3人。
養霊人参3本をギルドに納めてきたそうだ。
成功報酬込みで約1890万WN。
とんでもない大金だ。
それだけ価値があるということだろう。
「へっへっへ~、みなごろしにしてやったぜ!」
帰って来たアンジュは変なテンションだったが、今は部屋で眠っている。
ミーナの話では、今のところ被害者は13名とのこと。
養霊人参を使えば回復するだろう。
これ以上、被害者が増えなければ良いが・・・
1カ月後―――
セーナが来て3カ月。
既に別人級の変化。
体重にして12~3kg減くらい。
一時期、停滞気味にもなったが、何とか乗り越えた。
凄い頑張りだ。
骨が見える。もちろん健康的に。
鎖骨やくるぶし、指や手首も。
ウエストにしっかりくびれが出来ている。
ヒップの位置が上がり、姿勢も良くなった。
この辺りはジムでのトレーニングが効いているのだろう。
驚いたのは、意外な程に運動が出来るようになったことだ。
もしかしたら元々運動神経が良かったのかもしれない。
たまに気分転換で美桜と道場で組み手をするらしい。
美桜の話では、時々一本取られそうになることもあるそうだ。
残り1カ月。
これからは肌や髪のケアもしっかりやりながら、
リバウンドしない体に仕上げていこう。
ゴールは間近。最後まで気を抜かずに・・・
食堂―――
真白が『1人たこ焼きパーティー』を開催していると・・・
「皆さん、おられますか?」
「アフッ、はふはふ・・・ミーナ、いらっはひ。」
「真白さん、凄い量ですね・・・」
「アハハ~、変わりダネがいっぱいあるんだよぉ。」
「えっとね~、チーズでしょ、キムチでしょ、チョコでしょ・・・」
「あ、これはイカだね。それもうイカ焼きだろっ!つってね~」
「え~っと・・・皆さんよろしいですか?」
「どうしたミーナよ。何か進展があったかの?」
「はい、進展というか・・・」
「どうしたんだ?」
「被害が拡大しています。」
「そうなの?」
「はい。以前、納めて頂いた養霊人参で回復は出来ているのですが・・・」
「どのくらい被害が?」
「累計で30名を超えています。」
「30名・・・」
「しかも、一度回復したのに再度被害に遭う人までいるようです。」
「なんと・・・」
「何か被害者に共通点はないのか?」
「共通点・・・と、言えるかどうか・・・」
「何じゃ?」
「その・・・美人なんです。全員。」
「美人?」
「はい。美人だったり可愛かったり・・・」
「それは、たまたまなんじゃないのか?」
「そうかもしれません。でも、それくらいしか共通点がなく。」
「確かにレイも可愛い・・・」
少し頬を赤らめるレイ。
「しかし、それだけでは調べようがないぜ。」
「あともう一つ、関係あるか分かりませんが・・・」
「何だ?」
「魔人を見たという方がいて・・・」
「魔人だと?」
「ねぇ、魔人って何?」
「魔人とは、簡単に言えば人の姿をした魔物じゃな。」
「人の姿を?」
「そうじゃ。しかし、その能力は人間を超越しておる。」
「そうなんだ・・・でも、人の姿をしてるのにどうして魔人って分かるのかな?」
「魔人は皆、黒のタキシードを着ておるのじゃ。」
「あら、おしゃれ~・・・ごめんなさい。」
「それじゃあ魔人が犯人なんじゃないのか?」
「どうでしょうか・・・魔人にこのような能力がある事は報告されていませんので。」
「そうか・・・」
「魔人ってよく出るの?」
「数十年は目撃されていなかったんですが、1年ほど前に現れてからは時々・・・」
「1年ほど前・・・先生、あの時でしょうか?」
「うむ。アンジュよ、よく覚えておったな。」
「はい。初めて先生に教えてもらった文字・・・『魔人現る』」
「そうじゃな。新聞の一面に出ておったのぉ。」
「そんなことが・・・」
「とにかく、魔人を追うしかなさそうだな。」
「はい。それに関しては、既に上位ランクのパーティーに打診しています。」
「そうか。それじゃあ、俺たちに出番はなさそうだな。」
「だと良いのですが・・・」
(美人ばかり狙う魔人か・・・)
(私や美桜も狙われたりして・・・)
(アンジュは子供だから大丈夫だよね・・・)
(でもレイは子供なのに狙われた?)
(ウチは美人ばかりだなぁ・・・)
(お客様も心配だし・・・)
(でも結界が効いてるかも・・・)
(何もなければいいけど・・・)




