第10話 新メンバー
「う、う、う、ういンド、かか、カッタァァぁぁぁ~・・・」
風の刃は明後日の方向に飛んで行き、やがて消えた。
「タイダルウェイブ。」
巨大な水流がグールの群れを飲み込んだ。
「アンジュよ。しっかりしなさい。」
「ごめんなさい。先生・・・」
30分後―――
「ウインドバレットォォォ!!」
「どぉだ、こらぁ!かかってこいよぉ!」
「鎌鼬ィィィ!!」
「おらぁ!みなごろしにしてやるぜぃ!」
「これこれ、アンジュよ。どうしたのじゃ?」
「これは、アレやな。『怖すぎて逆に強気になる子供現象』やな。」
アンデッドの森。
アンジュ、オルディス、マミーの3人。
養霊人参を採りにやって来た。
一度採ると次の収穫まで5~6年かかると言われる養霊人参。
あまり採りたくなかったのだが、状況が状況だけに仕方がない。
ミーナの報告から1ヵ月。
女性が突然倒れて寝込んでしまう被害が拡大の一途を辿っている。
レイの時と同じように、医者に診せても治ることはなかった。
正式にギルドからの収穫依頼が有り、
真白やレオは忙しくて来れなかったので、この3人で採りに来たのだ。
アンジュは最後まで嫌がっていたが、
「何事も経験じゃ。」とオルディスに言われて渋々同行。
そして、今、この有様だ。
「アンジュよ。落ち着きなさい。」
「先生!だいじょうぶっスよ!よゆうっスよ!」
「おいおい・・・」
色々あって、マザーツリーに辿り着いた3人。
養霊人参を3本ほど収穫させてもらい、帰途に就いた・・・
一方、サロンでは―――
アシスタントのマオがアンジュの代わりに受付を担当してくれている。
「真白さん、次のお客様入られます。」
「は~い、どうぞ。」
マオは以前、火傷の痕を消しに来たお客様だった。
真白の施術に、いたく感動してバイトを希望してきた。
エステティシャンを目指すらしい。
真白の施術は参考にならないと断ったのだが、
どうしても真白のそばで勉強がしたいとのことで、雇うことにした。
忙しくて人手が欲しいところだったので丁度良かったかもしれない。
実際、良くやってくれている。
新しい仲間は他にもいる。
カイの食堂はかなりの人気で、2人では限界だった。
料理人見習いのリョウ。
腕はまだまだ。
しかし、スイーツだけはなかなかのモノ。
カイも認めているようだ。
ただ少し血の気が多く、時々カイと喧嘩をしている。
ホール担当のアルバイト、ジェニー。
女子学生だ。
普段は夕方から働いてくれている。
学校が休みの日は、昼間も出ることがある。
明るく元気で、お客様の評判も良い。
もう1人のホール担当、キャシー。
主婦のパートさん。
ランチタイムだけだがベテランの風格。
とても頼りになる、肝っ玉母さんだ。
最後にもう1人。
屋敷全体の清掃や雑用をこなしてくれるお手伝いさん、サラ。
とても気の良い女性で、みんなからの信頼が厚い。
色んな所に気が回り、とても助かっている。
サラとリョウは屋敷に住み込み。
マオ、ジェニー、キャシーの3人は自宅からの通いだ。
新しい仲間の加わったサロン。
順調に売り上げを伸ばしている。
順調と言えばセーナもだ。
合宿に来て2か月。
見た目がハッキリ分かるくらい変わった。
体重で言うと7~8kg減。
顔が小さくなった。
二の腕や太ももがスッキリしている。
そして、腰回り。
お腹がかなりへこんだ。
すでに1サイズ落ちただろう。
久しぶりに会ったら別人に見えるレベル。
とても順調。
これからは痩せるというより整える段階。
良いスタイルを作っていく。
そういう施術やトレーニングに切り替えて行こう。
合宿も残り半分。みんなで寄り添って・・・




