第7話 謝罪
「フォッフォッフォッ。久しぶりじゃの、真白よ。」
「か、神様何で?」
「お主が全くボイスチャットしてこんから・・・来ちゃった♡」
「な~にが、『来ちゃった♡』よ!」
「そうカリカリするでない。お主を心配してのことじゃ。」
「心配って何を・・・?」
「うむ。その前に、お主に謝らねばならんのじゃ。」
「何?どういうこと?」
「まず説明しておくと、神はワシだけじゃないのじゃ。」
「え、そうなの?」
「ワシだけで世界中の人々を見守ることは出来んからの。」
「まぁ、そうだね。」
「そして、神にも色々なタイプが居るのじゃ。」
「人間と同じか・・・」
「そうじゃ。ワシのようなイケてる神も居るし。」
「イカれてるの間違いじゃ?」
「相変わらず口が悪いのぉ・・・」
「はい、ごめんなさい。」
「での、ちょっと意地の悪い神も居るのじゃ。」
「そうなの?何かヤダなぁ・・・」
「それでじゃ、その悪い神のせいで真白に辛い思いをさせてしまうやもしれんのじゃ。」
「何それ?どういうこと?怖いんですけど。」
「すまんが他の神のした事は話せんのじゃ。倫理違反でのぉ。」
「え、教えてよ!」
「すまんの。無理じゃ。」
「そんなぁ・・・」
「まぁ、1つ言えることは『過去に囚われず、今を生きろ。』ということじゃ。」
「何そのクサいキャッチコピーは。」
「お主・・・」
「あはは~・・・ごめんなさい。名言でした。」
「まぁ良い。その調子で気楽に生きることじゃ。」
「うん。まぁ、よくわからないけど。ありがと、神様。」
「フォッフォッフォッ。では、またの。」
そう言うと、神様は消えてしまった・・・
「ん?あれ?お金は?」
「食い逃げよーーっ!・・・なんちゃって。」
「しかし、まぁ、あれだな。」
「神様に辛いことが起こる予言をされるのって・・・」
「メチャクチャ嫌なんですけどぉ~~~」
翌日の午後―――
グギギギ・・・
痛てててて・・・
「ごめんなさい・・・ストレッチとかしたことなくて・・・」
「大丈夫ですよ。ゆっくりやりましょう。」
大きな荷物を抱えてサロンへやって来たセーナ。
3階の部屋へ荷物を投げ込むと、休む間もなくオリエンテーションを受ける。
ひと通りの説明を終えると、早速ジムへ。
美桜のサポートでストレッチを始めたものの、硬い。とにかく硬い。
セーナの話によると、運動の経験が殆どないそうだ。
ウォーキングマシンで歩いてみる。
15分・・・歩けなかった。
普段は普通に歩けるだろう。
しかし、しっかり腕を振って大股で歩くのはかなりキツい。
「ハァハァハァ・・・ごめんなさい・・・」
「大丈夫ですよ。よく頑張りましたね。」
体幹トレーニング。
プランクという肘を着いた腕立てのような型。
お腹が邪魔で上手く出来ない。
バランスボールに座ってみる。
直ぐに転ぶ。
「ごめんなさい。私・・・何も出来なくて・・・」
「そんなことないですよ。これから一緒に頑張っていきましょう。」
「はい・・・ごめんなさい・・・」
「セーナさん・・・」
シャワーでサッと汗を流して食堂へ。
「おう、セーナさんだったね。お疲れさん。」
「あ、こんにちは。よろしくお願いします。」
「さぁ、どうぞ。ゆっくり噛んで食べてくれよ。」
雑穀ご飯を軽めに一杯。
豆のサラダ。
ひじきの炒め煮。
鮭の味噌焼き。
豆腐と卵のスープ。
「美味しそう・・・」
(でも、足りるかな?)
「う~ん♪とっても美味しい。」
(それに、意外とお腹が膨れる・・・)
「ごちそうさまでした。とっても美味しかったです。」
「そうかい?そりゃあ、良かった。」
3時間ほど休憩を取り、夕方にはエステに。
「キャビテーションボルト。」
脂肪細胞の分解と、リンパを流す施術。
「セーナさん、ジムはどうでしたか?」
「あ、はい・・・上手く出来なくて・・・」
「そうですか。初日ですから、当たり前ですよ。」
「・・・続けて行けるかどうか、不安で・・・」
「心配しないで。私たちがサポートしますからね。」
「ごめんなさい・・・ありがとうございます・・・」
「ゆっくりお風呂に入って、晩御飯食べて、また明日、頑張りましょう。」
「はい・・・」
夜の食堂―――
「真白よ、セーナさんはどんな様子じゃ?」
「う~ん、自信なくしちゃってるみたいだね。」
「すまない、真白。私が上手くサポート出来なかったようだ。」
「そんなことないよ、美桜。」
「俺も横で見ていたが、問題なかったと思うぞ。」
「師範・・・」
「まぁ、初日じゃから、色々不安もあるじゃろう。」
「そうだね、おじちゃん。」
「カイ、食事の方はどう?」
「ん?ああ、ちゃんと食べてたぜ。明日はデザートも考えてみるよ。」
「うん、お願い。」
「真白ネェ。他のお客さんも多いけど疲れてない?」
「私は大丈夫だよ、アンジュ。」
「続けて慣れてくれば自信も付いてくると思うんだけどな。」
「そうだといいが・・・」
「どうしたの?美桜。」
「いや・・・謝ってばかりだったのが気になって・・・」
「あぁ、確かに。」
「まぁとにかく、みんな明日もよろしくね。」
(私も初めは、謝ってばかりだったなぁ・・・)




