第6話 お客様は神様です
「オルディス様。これはいったい・・・」
「うむ。そうじゃのぉ・・・」
「何や、2人とも。気ぃ付いとるんやろ?」
北の遺跡群。
レオ、オルディス、マミー。3人は調査に来ていた。
しかし、何も起きない。魔物も出て来ない。
ただ・・・
「見られとる。」
「ああ、そうだな。」
「じゃが、気配がないのぉ。」
「そや。気配があるから見られとる気がする・・・普通はな。」
「だが、気配もないのに視線を感じる・・・何故だ?」
「不思議な感覚じゃのぉ・・・」
(まるで監視カメラやな。こっちの世界には無いはずやけど・・・)
「とにかく、これ以上ここにいても無意味なようだな。」
「そうじゃの。帰るとしよう。」
――――――
3人はギルドへの報告を済ませ、屋敷に戻った。
「あ、お帰り~。大丈夫だった?」
「ああ、問題ない。」
「成果もないがのぉ。」
「そっちはどうなんや?忙しかったんか?」
「そりゃもう、大忙しだよ~・・・あ、レオに相談があるんだ。」
「ん?何だ、真白。」
「うん。ダイエット目的のお客様がいてね、」
「美桜とカイには話してあるんだけど、」
「エステにジムと食事面、総合的にサポートしたくて。」
「出来ればここに住んでもらって・・・どうかな?」
「ああ。良いんじゃないか?」
「そう?でね、レオには美桜と一緒にトレーニングプランを考えて欲しいの。」
「分かった。で、どのくらいの期間でどれだけ落としたいんだ?」
「出来るだけ短期間で、2サイズ落としたいの。」
「2サイズ?」
「そう。もちろん健康的にだよ?」
「そうか。2サイズだと体重的にはどれくらいなんだ?」
「う~ん、今の体型を見る感じだと15kg減ってところかな?」
「なるほど。お前の能力込みでも・・・4ヵ月ってとこか?」
「うん。やっぱり、それくらいだよね。」
「だな。考えておく。」
「お願い。」
「それじゃあ、わしは部屋の準備でもしておくかの。」
「え?いいの?おじいちゃん。」
「もちろんじゃ。わしはダイエットの役には立てんからのぉ。」
「そんなこと・・・」
「ほっほっほ。ちょっと、マミーを借りていくぞ。」
「え?うん・・・じゃあ、お願いね。」
「ほな、行こか。じいちゃん。」
3階の空き部屋に来た2人。
「で、何や?じいちゃん。話あるんやろ?」
「うむ。お主、どう見る?」
「遺跡のことか?そうやなぁ・・・」
「正直、何も分からんわ。ただ・・・」
「何じゃ?」
「真白たちを絶対に近づけたらあかんっちゅうことだけやな。」
「うむ、そうじゃの。それが良いじゃろ。」
翌日の午後―――
「こんにちは・・・」
「お帰りなさい、セーナさん。」
「あ・・・ただいま・・・」
セーナにみんなで考えたプランを説明した。
「あくまでもご提案なので、いくらでも変更出来ますよ。」
「泊まりが難しいなら通いのプランもご用意していますし。」
「よりリーズナブルなプランにも出来ますからね。」
セーナは突然、涙を流し始めた。
「え、あ、セーナさん・・・大丈夫ですか?」
「あ、はい・・・大丈夫です。ごめんなさい・・・」
「えっと・・・プランに問題が?」
「違うんです。嬉しくて・・・このプランが良いです。泊まります。」
「あ・・・良かった。」
「明日からでも?」
「もちろんです。お待ちしています。」
「真白さん・・・4ヵ月間、よろしくお願いします。」
「はい!一緒に頑張りましょう。」
セーナは少し緊張した面持ちで帰って行った。
4カ月後には、きっと笑顔で・・・
「真白ネェ、次のお客様だよ。」
「うん。お願い。」
「ようこそ、Salon de restaliteへ。」
「ちょっと、マッサージをお願いできますか?」
「はい。もちろんです。」
絵画から出てきたような、美しい女性。
どこか、現実離れした美しさ・・・
スタイルも抜群だった。
真白は美容液とスキルを使いながら、全身をマッサージしていった・・・
「いかがですか?」
「良いですね。気持ちよかったです。」
「ありがとうございます。」
「もう、すっかり本物のエステティシャンですね。」
「え?あの・・・」
「私ですよ。」
「え?・・・えーーーっ!」
美しかった女性は、みるみる老人に変わっていった。
「か、神様じゃん!」
「フォッフォッフォッ。ワシじゃ。」
「な、何で~~~??」




