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パンツを見たら殺しますよ?  作者: ねむり だいじろう
第4章 昨日のわたしと明日のあなた

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第5話 理由



「よう、ミーナ。これ()ってみてくれよ。」

「あ、カイさん。何ですか、これは?」

「3種のチーズの串揚げだ。トリュフ塩でどうぞ。」


「いただきます・・・ん~っ♪」

「上品なミルクの風味が口に広がる・・・カマンベール?」

「次は、(くせ)のある青カビの刺激の中にしっかり甘味を感じられる。ゴルゴンゾーラね。」

「最後は、これ。芳醇(ほうじゅん)な香りに濃厚なコク。私の好きなチェダーチーズ。」

「美味しい・・・」


緊張と(あせ)りで疲れのあったミーナだったが、少し元気が出たようだ。


「ありがとう、カイさん。とっても美味しかったです。」

「そうかい?そりゃあ良かった。」



「ごめ~ん、ミーナ。お待たせ~」

「あ、真白さん。」

「あ!何それ、いいな~。カイ、私にも・・・」

「話があんだろ?また後でな。」

「え~ん・・・」



「では、真白さん。お話よろしいですか?」

「美味しかった?」

「え?あ、はい。美味しかったです。」

「何食べたの?」

「3種のチーズの・・・あの、真白さん。」

「チーズ!?美味しそ~」

「あの・・・」

「3種も!?(すご)~い」

「・・・」


「おい、真白。ちゃんと聴いてやれ。」

「レオ居たの?・・・はい。ごめんなさい。」


「ミーナ。ちゃんと聴きます。」

「はい。では・・・」



「以前から調査を進めていましたパルドさんの件ですが、」

「今のところ、これといった成果を上げられていません。」

「今、分かっていることは、」

「パルドさんのパーティー以外にも数名が被害に()っていること。」

「被害者は女性、または女性を含むパーティーのメンバーであること。」

「被害現場は、北の遺跡群(いせきぐん)近くに集中していることくらいです。」


「そうか、女性が・・・」

「遺跡群に何かあるのか?」

「うむ。あそこは昔から不可思議な事象(じしょう)頻発(ひんぱつ)しておるからのぉ。」

「先生、わたしも歴史書(れきししょ)で読みました。」


「美桜、レオ、おじいちゃんにアンジュも、聞いてたの?」

「うむ。それでミーナよ、わしらに調査依頼かの?」

「はい、オルディス様。いかがでしょうか?」

「リーダーは真白じゃからの。どうじゃ、真白よ?」


「う~ん・・・協力はしたいけど、でも・・・」

「俺は反対だぜ。」

「レオ?」

「女が狙われてるんだろ?やめておいた方が良い。」

「だよね~。私も魔力が無くなると困るし・・・」


「そうですよね・・・分かりました。他を当たります。」

「まぁ待て、ミーナ。やらないとは言っていない。」

「レオさん?でも・・・」

「俺が行く。調べれば良いんだろ?」

「わしも行くぞ。」

「師範、私も行きます。元々、魔力ないですし。」

「いや、ミオが大丈夫でも、俺やオルディス様が狙われるかもしれん。」

「あぁ・・・」

「まぁ、あそこには大した魔物はおらんはずじゃ。2人で大丈夫じゃろ。」


「では、お2人にお願いしてもよろしいですか?」

「ああ、任せろ。」

「ごめんね、2人とも・・・気を付けて。」

「ほっほっほ。真白よ、お(ぬし)はお主の仕事を頑張るのじゃ。」

「うん・・・ありがとう。」



早速、準備を整えると、2人は調査へ向かった―――



「ほらよ。まぁ、気にするな。」


カイが串揚げを出してくれた。


「ありがとう。2人とも大丈夫かな・・・」

「2人じゃないみたいだったがな。」

「え?どういうこと??」

「あんたのマブダチもついて行ったぜ。」

「え!?マミーが?マジ??」

「ああ。レオの肩に乗ってたよ。」

「まったく・・・」


「あ、美味しい♪」


3種のチーズの串揚げは、優しいミルクの味がした・・・



カラン、カラン♪


食堂の扉が開き、女性が1人入って来た。


「いらっしゃい!」

「いらっしゃいませ~。」


「あの・・・真白さんがいらっしゃると聞いて・・・」

「あ、はい。私です。」

「真白さんですか?上のサロンに行ったら、こちらにって・・・」

「あ~、ごめんなさい。お客様ですね。」

「はい・・・ちょっとご相談が・・・」

「分かりました。サロンの方へ移動しましょう。」



カウンセリングルーム―――



(あらた)めまして、真白です。それで、ご相談というのは?」

「あ、はい・・・ダイエットの・・・あ、セーナといいます。」

「セーナさんですね。ダイエットを?」

「はい・・・アルゴ食堂の女将(おかみ)さんに聞いて・・・」

「アルゴ食堂?ハンナさんのところかな?」

「あ、そうです。ハンナさんに聞いて。凄い先生がいるって・・・」

「先生はちょっと・・・真白でお願いします。」

「あ、はい。真白さん・・・」


「あ~、でも。セーナさん・・・」

「はい?」

「シミ取りとか、ヘアトリートメントとかなら()ぐに結果が出るんですけど・・・」

「大丈夫です。時間掛かるんですよね?」

「はい。それに・・・」

「私の努力次第・・・?」

「その通りです。私たちは、あくまでお手伝いしか出来ません。」

「それで大丈夫です。1人じゃ頑張れない気がして・・・」

「分かります。そうですよね・・・」



改めてセーナを観察(かんさつ)する。


20代前半のヒューマン系。

身長は150cm前後。

かなり丸みのある体型。パンツで言うとXLサイズだろう。


奇麗なブロンドヘア。

カールのかかったロングボブにしてある。

顔の輪郭(りんかく)を隠したいのだろうか・・・



「それでセーナさん、どのくらいの・・・」

(ツー)サイズ落としたいんです。」

「2サイズ?」

「標準体型?っていうんでしょうか・・・そうなりたくて。」

「なるほど・・・期間は?」

「出来るなら、早い方が・・・」

「ですよね・・・少しお時間いただけますか?」

「時間ですか?」

「ジムのトレーナーや料理人とも相談してプランを考えてみたいので。」

「プランを・・・」

「はい。・・・明日の午後とか都合いかがですか?」

「大丈夫です。お願いします。」

「ありがとうございます。ところで・・・」

「はい?」

()(つか)えなければ・・・どうして、ダイエットを?」

「あ・・・」

「あぁ、ごめんなさい。余計なことを・・・」

「いえ、良いんです。実は・・・」


「私、体型が原因で職場でいじめられて・・・」

「ダイエットして、でも挫折(ざせつ)して・・・」

「仕事辞めて、実家に引きこもって・・・」

「ただただ、ぐうたら過ごして・・・」

「何もやる気が起きなくて・・・」

「もう、何で生きてるのかも分からなくなって・・・」


「そんな時、テレビからCMが流れてきたんです。」



『光より輝く漆黒(しっこく)の夜―――月が見ている、ヴァクタレーア』



「一瞬で心を奪われました・・・」

「これが似合う素敵な女性になってやるって・・・」

「生きる気力が()いたんです!」


「私は()きたい・・・あのパンツを!」



「えーーーっ!パンツぅぅぅーー!?」



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