王宮
ベル王国の門を潜ると、馬車と、騎手のアニーが待っていた。
「よお、ベニ。また俺たち2人で長旅だな」
「ああ。でも、全てはお前のおかげだよ」
「はは、ちげえよ。俺たちが手を組めば、最強だってこと!」
「そうだな、俺たちは、最強だ」
俺たちは笑顔でグータッチした。
それから2週間が経過した。正午を回る少し前、すごい人数、国民のほとんどが、王宮へと集結していた。
シャルル国王は、赤く、縁は白いフリフリが付いているマントを羽織り、頭に王冠をつけて、「行くぞ」と俺に一言告げた。
俺とシャルル国王は、城の頂上に顔を出す。
何千人、何万人、何百万人、何千万人の人がいるのだろう。ずっと奥まで、人で溢れかえっていた。
シャルル国王が、マイクを手に取った。
「国民諸君」
その声は城に備える大きなスピーカー、そして城下町のあらゆるところにあるスピーカーから音が出る。全員にしっかりと聞こえるように、配備されている。
「私たちはこの数ヶ月間、水無しで苦しんできた。しかし、それは今日をもって解決する」
国民は固唾を飲む。
「その高すぎる軍事力の上、秘密にしてきたベル王国。そこは、魔法の使える国民のみが入国を許される特別な国なのだ」
初めて聞く、物語上でしか聴いたことのない「魔法」の存在。それを国王から聞かされた国民はざわつき始める。
「7年前、この国から追放した我が息子ベニ王子は、そのベル王国で魔法を学び、多くの魔法を習得した」
ざわざわが収まらない。
「ベニ王子に、今から、雨を乞う魔法を唱えてもらう。今からこの国に、彼が水を与える」




