フェルナンド王国
国王は、手のひらを組み机の上に置いた。
「話を戻しましょう。私は、フェルナンド王国のシャルル国王と会談をしました」
「お、お父様と……」
「フェルナンド王国は今、数ヶ月、雨が全く降らないそうです。水不足でとても困っているんだとか」
「……はい」
確かに、あの国は、砂漠に囲まれていて、雨が降る機会も少なかった。だから、ダムや井戸水などで賄っていたが、確かに数ヶ月も雨が降らなければその水もそこを尽きてしまうだろう……。
「そこで、シャルル国王に、貴方の国で1番魔法が得意な者をうちの国に連れてきて、雨を降らせてほしい、と、お願いされたのです」
「そっ……か。それで僕が……でも、僕は追放された身で」
国王はコホンと咳払いをする。
「確かに貴方は追放された身です。しかし、それも話したところ、今は国の重大な危機だ、だから俺が追放した息子でもいいからとにかく連れてこい、さもなくば、と」
お父さんの、高圧的な悪いところがやはり出ている。ニュースでは隠されているけれど、お父さんは、シャルル国王は、いつも会談で威圧的な態度をとっている。俺はそれが嫌いだった。それはお父さんだけではなく、国民みんな、そんな酷いやつらで……。
「ベニ氏、私は、あの国の国民性に疑いを持っております。国際関係史上、あの手の威圧的な国は、背くと攻めてくる可能性が高い。実にわたしもあの会談で、『さもなくば』と脅迫じみた発言を受けています」
「……わかります。私も、あの国で、多くの人にいじめられ、私のことを嫌いと罵る人しか……」
「……ベニ氏、私は、貴方の魔法の実力をこの国で1番と認めております」
「こ、この国で1番!? それは、言い過ぎでは」
「いや、私は魔法の力で全国民のステータスが見られるのです。そして、貴方ともう1人、騎手のアニーという男が同率で魔法の実力が国内1位になります」
「あ、アニーはわたしの親友で、一緒にいつも魔法の練習をしていて」
国王は、感心したかのような表情を浮かべる。
「そうだったんですね。……ベニ氏、私は貴方をフェルナンド王国に派遣しようと思います。そしてその時に、1つ任務をお願いしたいのですが……」




