アニメの国
その国で、アニーは騎手の仕事を見つけ、俺は萬屋のアルバイトとして、仕事を見つけて、暮らし始めた。バイト先の萬屋は、俺がいつも見ているアニメの雰囲気にとっても似ていて、どこか幻想的で儚くて、まるでアニメの世界にいるかのようで……。
バイト先ではたくさんの友達もできて、バイト終わりに酒場にみんなで行って、星空の下ケラケラと笑いながら数年を過ごした。たまにアニーに会っては多くの魔法を教えてもらった。アニーは魔法がとても上手で、もともと王宮にいた頃も自分の部屋で練習していたらしい。俺は、バイトではあったけれど、魔法に関してはいつしかアニーと一緒に国内屈指の実力者となっていた。
午前11時頃。
ワンオペで客も誰もいないから、あくびをしながら箒で掃除をしていた。
カランコロンと、入口のドアが開く音がした。
「いらっしゃいませー」
そう言って萬屋の入口を見ると、お客さんとして入ってきたのは、ベル王国の国王であった。
「こ、国王!?」
「ベニという店員はいますか?」
「わ、私がベニです」
「貴方が。 少し、話せる場所は」
「は、はい」
とりあえずワンオペだから変わる人もいないから入口の表示をCLOSEDに裏返し、応接室へと案内した。
「私はこの間、シャルル国王と会談をしました」
彼の腰の低さが、この国の平和で強い特徴を物語っているように感じた。
「シャルル国王と……」
「貴方は、シャルル国王の息子、ベニ王子ですよね」
「は、はい、そうです、何故それを……」
「魔法の力で、私は全ての国民のステータスを一瞬で把握することができます」
「は、はあ」
「私はこの萬屋の、幻想的な雰囲気が好きでねえ。いつも、アニメを作成する際に参考にしています」
「え! 貴方が、アニメを作って……ほとんどのアニメがどこかの国で作られているとは聞いたことがあるけれど、それって」
「いかにも、このベル王国の『アニメロギア』という制作会社で、世界中で放送されている多くのアニメが作られています。他にも多くのアニメ会社がこの国にはありますけれどもね。社員数は約120人、私はアニメロギア社のアニメプロデューサーを30年近くやっていましてね。出社する時には変装するから誰にもバレていないのですよ」
「え、でもそれって、本当はみんなバレてるんじゃ……」
「しかし、私は変装をして何度も萬屋を訪れていますが、貴方は気づかなかったでしょう」
「あっ! ……確かに。じゃ、じゃあ! 俺の好きなアニメって全部!」
「ふふっ、私がプロデュースしていますよ」
わあ! そんなことあるんだ! ずっと行ってみたかった、アニメを作っていると噂の国。それが、このベル王国だったんだ! しかも大好きなアニメをたくさん作っているプロデューサーに会えるなんて、会えるなんて……! やばい、なんかすっごく嬉しい!




