再会
第三十七話
あれから数日がすぎ、その日の修行を終えた二人が道場を出ようとした時だった。
「お、まだやってたのか」
聞き覚えのある声がした。
蓮と孝太郎が振り返る。
「丸野さん!」
そこには、少し疲れた様子ではあるものの、以前と変わらない丸野の姿があった。
「ちゃんと無事に帰って来れたんですね」
孝太郎が声をかける。
「ああ。Somaliのところでしっかり治療をしてきた」
丸野は二人を見る。
そして、床に残った足跡や射撃の跡に目を向けた。
「……で、お前ら何してんだ?」
「修行です!」
蓮が即答する。
「それは見れば分かる」
丸野は苦笑した。
「なんでウチで修行してるんだってことだよ」
孝太郎が答える。
「この前の戦いで、俺たちは力不足で正直丸野さんがいなかったら任務は失敗していました」
蓮も続ける。
「俺は龍演舞を使えるようになるために、孝太郎は拳銃を実戦で使えるようになるために修行してます」
「なるほどな」
丸野は二人を見比べる。
「積田が見てるのか?」
「そうです」
積田が答える。
丸野は少し考えるように腕を組んだ。
「だったら、明日から俺も見てやる」
「え?」
蓮が目を丸くする。
「丸野がさんが?」
「ああ」
丸野は蓮を見る。
「お前の性質は吸なんだってな」
「そうですけど」
「だったら俺のほうが教えられるし、それに龍演舞の考案者は俺だから」
積田も反対しなかった。
「え!なんであの時に使わなかったですか?」
「龍演舞は時間がかかる。喰天の方がまだ隙が少なくて実戦向きなんだ」
「じゃあ決まりだ」
丸野は蓮の肩を軽く叩く。
「明日から俺が蓮を見る」
そして孝太郎を見る。
「積田はそのまま孝太郎を頼む」
「分かりました」
積田が頷く。
孝太郎は少し意外そうな顔をした。
「俺は積田さんのままでいいんですか?」
「問題ない」
丸野が笑う。
「2人で分担して教えた方が効率もいいだろう」
「……それは確かに」
蓮が苦笑する。
「じゃあ、明日から二手に分かれるってことか」
「ああ」
丸野は蓮を見る。
「お前には、吸の使い方を丁寧に教える。積田よりは吸について教えられるつもりだ」
蓮は少しだけ表情を引き締めた。
「よろしく頼みます」
「こっちこそ楽しみだ」
丸野は笑った。
「さて、今日はもう終わりだ。明日から忙しくなるぞ」
こうして翌日から、
蓮は丸野。
孝太郎は積田。
それぞれ別の師のもとで、修行を続けることになった。




