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無盃の将  作者: G
1

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任務の報告

第三十話


その頃――。


⸻


龍牙連合本部


蓮と孝太郎は、本部へ戻るとすぐに会長室へ向かった。


扉を開ける。


「失礼します」


 返事がない。


「……いない?」


部屋には誰もいなかった。


「会長は?」


二人は受付へ戻る。


受付の組員に尋ねると、


「会長でしたら、先ほど玄武組へ向かわれました」


「玄武組に?」


孝太郎と蓮は顔を見合わせる。


「……行くぞ」


「ああ」


二人はすぐに本部を出た。


⸻


玄武組


玄武組へ戻ると、事務所の前に見慣れた姿があった。


「遅かったな」


会長――九条蒼真だった。


「会長、なんでここに?」


「話は後だ」


蒼真は二人を見る。


「病院の手配をしておいた」


「え?まだ任務の報告がまだなんですが…」


孝太郎が聞き返す。


「ああ。わかってるよ、だがお前らがあまりに遅いから先に治療を出来るようにしないと、進行が早くなる可能性もある」


孝太郎は言葉を失った。


蒼真は続ける。


「龍触症は、今の医学では完治できない」


その言葉に、孝太郎の表情が僅かに固まる。


「ただし、進行を遅らせることはできる」


蒼真は淡々と話す。


「薬や定期的な治療で症状を抑えながら、できるだけ長く今の状態を維持する」


「……はい」


蒼真ははっきり答えた。


「だが、治せないから何もしないわけじゃない」


蒼真は玄武組の奥へ目を向ける。


「治療を始めれば、今より長く時間を稼げる」


孝太郎は黙ってその言葉を聞いていた。


これまで、自分が危険な仕事をしてきた理由。


必要だった金。


その先にあったものが、ようやく現実になろうとしている。


蒼真が言った。


「病院はいつでも受け入れられる。病院で今回の任務の報告を聞くとしよう」


そして二人を見る。


「祀には先に行ってもらってる。急ぐぞ」


孝太郎は一度だけ頷いた。


「……はい」


蓮も隣で頷く。


三人は玄武組を出た。


向かう先は、病院だ

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