↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無盃の将  作者: G
1

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
36/80

長引く戦い

第二十四話


黒崎の拳が、蓮の顔面へ迫る。


「――終わりだ!」


だが。


蓮は足元に絡みついた影を、無理やり引き剥がした。


「……まだだ!」


バキッ!


影が砕ける。


黒崎の拳が頬を掠めた。


「チッ!」


蓮はそのまま懐へ潜り込む。


「龍包囲――!」


拳が黒崎の腹へ突き刺さる。


ドゴッ!!


「ぐっ……!」


黒崎の身体が後ろへ飛ぶ。


だが、黒崎は倒れない。


地面を滑りながら体勢を整え、口元の血を拭う。


「龍印も使わずに……よくやるな」


「必要ないからな」


蓮が拳を握る。


「俺にはこれで十分だ」


「……気に入らねぇな」


黒崎が両手を組む。


「だったら、もっと見せてやるよ」


「影方印――影牢」


地面一面に黒い影が広がった。


蓮の周囲を取り囲むように、無数の影が立ち上がる。


「なんだ……これ」


「逃げ場はねぇぞ」


影の壁が一斉に蓮へ迫る。


「龍包囲!」


蓮は魄を全身に巡らせ、真正面から影へ突っ込んだ。


ドンッ!!


一枚。


二枚。


三枚。


影の壁を拳で砕いていく。


「まだまだ!」


蓮が最後の壁を破壊した。


その先に――黒崎はいない。


「……!」


背後から声がする。


「影方印・影渡り」


黒崎が蓮の影から現れた。


「取った!」


拳が振り抜かれる。


しかし――


ガシッ!


蓮がその腕を掴んだ。


「捕まえた」


「なっ……!」


蓮が黒崎を引き寄せる。


「龍包囲・攻」


至近距離から放たれた拳が、黒崎の身体を吹き飛ばす。


ドォン!!


黒崎が倉庫の壁へ叩きつけられた。


「ぐ……!」


その頃。


少し離れた場所では、増井と丸野の戦いも激しさを増していた。


増井が拳を振り抜く。


「剛方印・剛拳!」


丸野は横へかわす。


拳が地面を砕いた。


「隙あり」


丸野が増井の腕に触れる。


「吸方印・喰流!」


増井の魄が一気に吸い上げられる。


「またそれか!」


増井が腕を振り払う。


しかし丸野は離れない。


「いただくよ」


「――させるか!」


増井が反対の拳を叩き込む。


丸野は腕で防御する。


ドンッ!!


身体が後ろへ吹き飛ぶ。


「丸野さん!」


孝太郎が叫ぶ。


「大丈夫だ!」


丸野は地面に手をつき、立ち上がった。


「孝太郎、状況は?」


「まだ全部積みきってないです」


「なら早くしてくれ。もう持たない」


増井がニヤリと笑った。


「そういうことかい。そら、あの量の龍魄を一人でどうにか出来るわけないからな」


丸野が増井へ向き直る。


「増井がこちらの作戦に気付いた足止めはするが、そっちも急いでくれ」


「……やってくれるじゃねぇか」


増井が笑う。


そして、ゆっくりと龍印を結ぶ。


「だったら――」


魄が一気に膨れ上がる。


「次は、こいつだ」


「剛方印・轟砕!!」


地面を踏み抜く。


凄まじい衝撃が丸野へ向かって走った。


丸野も龍印を結ぶ。


「――吸方印・呑界」


二つの魄が正面から激突した。


轟音が響き渡る。


倉庫全体が揺れた。


その隙に、孝太郎は倉庫へ駆け込む。


中には大量の龍魄が並べられていた。


「……これで全部か」


孝太郎は息を呑む。


「これを積んだら」


孝太郎は最後のケースを一つ掴む。


「絶対に返してもらう」


その瞬間。


倉庫の奥から、何かが落ちる音がした。


カラン――。


孝太郎が振り向く。


「……誰だ?」


暗闇の奥。


ゆっくりと、人影が立ち上がった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。