↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無盃の将  作者: G
1

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
32/80

作戦 続き

三人は本部を出ると、そのまま目的地へ向かった。


目的地――縦須賀。


黒崎が向かった可能性が高い場所だ。


車内では、丸野が運転し、助手席に蓮、後部座席に孝太郎が座っていた。


孝太郎は窓の外を眺めていた。


頭の中にあるのは、黒崎のことだけではない。


祀のこと。


龍蝕症のこと。


そして、治療に必要な金のことだった。


「……孝太郎」


前から蓮の声がする。


「戦闘になったら戦いに集中しろよ」


蓮が釘を刺す。


「……ああ」


孝太郎は短く答えた。


「お前の立場にないからわからないけどよ、考え事や、迷いは命取りになるぞ」


蓮はそれ以上言わなかった。


しばらくして、丸野が口を開く。


「もうすぐ着くぞ」


「はい」


孝太郎が顔を上げる。


やがて車は市街地へ入っていった。


丸野は事前に本部から渡された資料を確認しながら、ゆっくりと車を進める。


「黒崎が最後に確認されたのは、この辺りだ」


「近くにいる可能性は?」


蓮が尋ねる。


「分からない。ただ――」


丸野が周囲を見る。


「龍魄を持っているなら、遠くへは移動していないと思う」


「どうしてです?」


「龍魄は簡単に持ち運べるものじゃない。それに、あれだけの量なら誰かに預ける必要がある」


孝太郎が反応する。


「つまり……」


「黒崎たちは船で龍魄を運ぶつもりなんだろう」


三人は周囲を確認しながら進んだ。


すると、丸野が車を停める。


「ここから先は歩く」


三人は車を降りた。


丸野が資料を取り出す。


「黒崎が向かったとされるのは、この先にある倉庫街だ」


孝太郎は前を見る。


「……倉庫街」


「まずはそこを調べる」


丸野が歩き出す。


二人も後に続いた。


しばらく歩いたところで、孝太郎が足を止める。


「……待ってください」


「どうした?」


孝太郎は周囲を見回した。


「誰かいます」


三人の視線が、一斉に前方へ向く。


少し離れた場所。


倉庫の陰から、一人の男がこちらを見ていた。


男は三人と目が合うと――


ゆっくりと背を向けた。


「……黒崎か?」


孝太郎が呟く。


丸野が目を細める。


「分からん」


「追いますか?」


蓮が聞く。


丸野は一瞬だけ男を見た。


そして――


「いや」


静かに答えた。


「向こうから来てもらおう」


その瞬間。


倉庫の奥から、低い声が響いた。


「……やっぱり来たか」


三人の足が止まる。


聞き覚えのある声だった。


孝太郎の拳が固く握られる。


「黒崎……!」


倉庫の影から、ゆっくりと男が姿を現した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。