↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無盃の将  作者: G
1

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
29/83

依頼探し

第二十話


二人はそのまま連合本部へ向かった。


巨大な建物を前に、孝太郎は足を止める。


「……ここか」


「ああ」


蓮が答える。


二人はそのまま受付へ向かった。


「玄武組の荒木孝太郎と、白虎組の神代蓮です」


受付の男が二人を見る。


「本日はどのようなご用件でしょうか?」


「会長に会いたい」


孝太郎が答える。


受付の男が一瞬、言葉を失った。


「……会長、ですか?」


「そうだ」


「失礼ですが、会長への面会には事前の許可が必要です」


当然の反応だった。


龍牙連合の頂点に立つ会長。


直系組ですら、そう簡単に顔を合わせられる相手ではない。


ましてや――


玄武組と白虎組。


まだ直系にすら上がっていない二人が、突然会長に会いたいと言っている。


「無理だろうな」


蓮が小さく呟く。


「だな」


孝太郎も諦めかけた。


その時だった。


「……荒木孝太郎さんと、神代蓮さんですか?」


奥から一人の男が現れた。


「はい」


「会長から話を伺っています」


二人が顔を見合わせる。


「俺たちのことを?」


「ええ」


男は頷いた。


「以前の黒龍の件です」


孝太郎の表情が変わる。


「黒龍……」


あの時の戦い。


自分たちの手には負えなかった、あの存在。


そして――


その件をきっかけに、会長が二人の存在を知っていた。


「会長がお二人にお会いになるそうです」


「……本当に?」


蓮が聞き返す。


「はい。ただし、今回だけの特例です」


男は二人を見た。


「黒龍の件で、会長がお二人に興味を持たれています」


孝太郎は黙って頷いた。


まさか、こんな形で会長と話すことになるとは思っていなかった。


「案内します」


二人は男の後について歩き出した。


長い廊下を進む。


やがて、一つの大きな扉の前で男が立ち止まった。


「こちらです」


扉の向こう。


そこにいるのは――


龍牙連合の頂点。


会長だった。


「失礼します」


扉が開く。


孝太郎と蓮は静かに中へ入った。


「……久しぶりだな、蓮」


「お久しぶりです、会長」


蓮が頭を下げる。


蒼真は軽く笑い、孝太郎を見る。


「君が荒木孝太郎か」


「はい」


「改めて、黒龍の件はご苦労だった。」


「ありがとうございます」


「あの後黒龍の調査は別働隊に任せている」


「そうですか」


蒼真は二人に椅子を勧めた。


「それで、今日は何の用だ?」


孝太郎が口を開く。


「依頼を探してます」


「依頼?」


「できるだけ報酬の高いものを」


蒼真が少しだけ首を傾げる。


「何か理由があるのか?」


「……親父の治療費です」


孝太郎は祀のことを話した。


龍蝕症の疑いがあること。


治療には莫大な金が必要なこと。


そして、その金を稼ぐために時間がないこと。


蒼真は黙って聞いていた。


「そうか」


それだけ言って、少し考える。


「なら、いくつか探しておこう」


「本当ですか?」


「ああ。なるべく早く見つけておこう」


「ありがとうございます」


孝太郎が答える。


すると蓮が口を挟んだ。


「それと、もう一つあります」


「なんだ?」


「昨日、孝太郎が受けた依頼のことです」


孝太郎も頷く。


「黒崎って男です」


蒼真の表情が少し変わった。


「……黒崎か」


その反応を見て、孝太郎は身を乗り出した。


「知ってるんですか?」


「ああ」


蒼真は短く答えた。


「鳴神所の組員だ。」


孝太郎の目が細くなる。


「鳴神所……」


「うちの龍魄を保管してた倉庫をこいつに略奪された。うちの若衆に護衛の任務を任したんだが」


「あ、それは俺です」


孝太郎は答える。


「なるほど、それでか」


「でも、依頼主は黒崎になってたし、金額もうちのような小さい所に出す金額では」


「黒崎が書き換えたんだろうな」


「でもあいつ偽名を使わないなんてバカだよな」


蓮が笑った


「いや、あいつは口封じで俺を殺すつもりだったからわざと使わなかったんだろな」


孝太郎は険しい顔で答えた。


「黒崎は相当の手だれだ。生きていただけでラッキーだったな」


蒼真はそう言って、二人を見る。


「お前らに新たな任務を行ってもらう。報酬は治療費を本家で払う。」


「……はい」


孝太郎は立ち上がった。


「ありがとうございます」


「礼は依頼を終えてからでいい」


「黒崎の行方及び、龍魄の奪還」


「わかりました」


二人は会長室を後にした。


「ちょっと待った!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。