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無盃の将  作者: G
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協力者

第十九話


翌朝。


孝太郎は早くから事務所を出ていた。


親父の治療費。


それを考えると、のんびり任務を選んでいる時間はなかった。


しかし、一人でいくつもの依頼をこなすにも限界がある。


「……誰かと組むしかねぇか」


そう考えながら歩いていると――


「孝太郎?」


聞き覚えのある声がした。


振り返る。


「……蓮か」


そこにいたのは神代蓮だった。


「珍しいな。こんな朝から」


「そっちこそこんなところでここはうちの島だぞ」


蓮が孝太郎の顔を見る。


「なんかあった?」


「……あぁいろいろと」


孝太郎は少し迷った。


だが、蓮なら話してもいい。


二人は以前から任務で顔を合わせることが多く、気づけば自然と一緒に飯を食うようになっていた。


組は違っても、気の合う仲間。


孝太郎にとって蓮は、そういう存在だった。


「実は、金が必要なんだ」


「金?」


「ああ。かなりの額がな」


蓮の表情が変わる。


「本家に渡す上納金って訳では無さそうだな」


孝太郎は歩きながら話し始めた。


祀の物忘れが増えていること。


病院で検査を受けたこと。


そして医師から聞いた――


龍蝕症。


「……龍蝕症?」


蓮が足を止める。


「それって……」


「ああ」


孝太郎は頷いた。


「治すのは難しいらしい。治療で進行を遅らせることはできる。でも、そのためには……莫大な金がいる」


蓮は黙った。


「親父は昨日あった出来事を忘れてた」


「……そうか」


「今日もな、若衆の名前が出てこなかった」


孝太郎の声が少しだけ低くなる。


「もうやばいかもしれない」


蓮は何も言わない。


孝太郎は拳を握った。


「早く治療を」


「任務を増やすってことか?」


「あぁ、後は黒崎を追いたい」


「黒崎?」


孝太郎は蓮を見る。


カフェで会った後、任務に出かけたあの日だ…..

孝太郎はあの日に何があったかを説明した。


蓮は少し考える。


そして――

「黒崎ねぇ」


「俺はあいつが親父の病気のことを知ってるか突き止めて依頼金を払わせたい」


「なぁ。今は任務より金を借りた方が早いんじゃ」


「借りれるなら俺だってそうしてる」


「連合本部に借りに行こう」


蓮は自身満々に提案した。


「借りに行けるわけねぇだろ!」


孝太郎は大声で反対した。


「いやこんな二人で大金は任務をこなしても稼げない。それに黒崎ってやつのことも聞けるだろ」


蓮は冷静に反論した。


「本家にダメもとで行ってそれから考えよう」


こいつに相談したのは失敗だったか。しかし他にあてがない。渋々その提案に乗ることにした。


「わかった。そうしよう」


二人はそのまま並んで歩き出す。


向かう先は、連合本部。


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