↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無盃の将  作者: G
1

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
22/81

依頼人


第十六話


カフェを出た孝太郎は、依頼書に記された集合場所へ向かった。


指定されたのは、街の外れにある商館だった。


玄武組の事務所からは少し離れている。


孝太郎は入口の前で一度立ち止まり、依頼書を確認した。


「ここか」


中へ入る。


受付に依頼書を見せると、すぐに奥へ案内された。


「護衛依頼を受けた荒木孝太郎さんですね」


「はい」


「依頼主がお待ちです。こちらへ」


廊下を進み、一番奥の部屋へ通される。


扉が開く。


中には、一人の男がいた。


四十代ほどだろうか。


仕立ての良い服を着て、机の前に座っている。


男は孝太郎を見ると立ち上がった。


「荒木さんですね」


「はい」


「私は黒崎と申します」


黒崎は穏やかに頭を下げた。


「本日はよろしくお願いします」


「こちらこそ」


孝太郎も頭を下げる。


黒崎は孝太郎を見ながら、少しだけ目を細めた。


「お一人ですか?」


「はい。今回の依頼は俺一人で受けています」


「そうですか」


黒崎はそれ以上何も言わなかった。


「今回の護衛についてですが」


黒崎が机の上に地図を広げる。


「目的地はここです」


指で示されたのは、隣町にある龍魄商会。


「ここまで私を送り届けてもらえれば結構です」


「分かりました」


孝太郎は地図を確認する。


距離はそれほど長くない。


護衛対象も一人。


依頼書に記載されていた内容と相違はない。


「出発は?」


「準備が整い次第お願いします」


「了解です」


孝太郎は地図から目を離し、黒崎を見る。


「それと、一つだけ確認していいですか?」


「何でしょう?」


「今回、俺一人で問題ないんですよね?」


黒崎は少しだけ笑った。


「ええ。あなた一人で十分だと聞いています」


「……分かりました」


孝太郎は頷いた。


高額な報酬。


その分、仕事も簡単ではないだろう。


だが――


「任せてください」


孝太郎は静かに言った。


祀の治療費を稼ぐ。


そのために受けた仕事だ。


どんな依頼であろうと、最後までやり遂げる。


孝太郎はそう決意して、出発の準備に入った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。