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無盃の将  作者: G
1

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13/81

初陣 続き

その答えが見えた気がした。


「……仁」


「ん?」


隣を歩く仁に、蓮は声をかけた。


「俺にも……戦い方ってあるのかな」


仁はすぐには答えなかった。


しばらく歩いたあと、ちらりと蓮を見る。


「あるだろ」


「……本当に?」


「ああ」


あまりにもあっさりと言われて、蓮は少し驚いた。


「でも俺、龍術使えねぇぞ?」


「知ってる」


「龍術も使えない。身体能力だって、別に特別高いわけじゃない」


「それも知ってる」


「じゃあ、なんで――」


「だからだ」


「……え?」


仁は足を止めた。


蓮もつられて立ち止まる。


仁は蓮の右手を見る。


「お前は龍術を使えない」


「……うん」


「だったら、龍術を使える奴と同じ戦い方をする必要はねぇだろ」


蓮は黙った。


確かに、その通りだった。


これまでずっと。


自分には龍術がない。


だから弱い。


そう思っていた。


けれど――


「……俺にしかできないことを探せってこと?」


「そういうことだ」


仁は再び歩き始める。


「今日の戦いだってそうだったろ」


「今日……?」


「お前、最後に何した?」


蓮は思い返す。


獣の動きを見て。


距離を測って。


攻撃をかわして。


最後は――


「……殴った」


「そうだ」


「普通じゃね?」


「普通にできるなら、あそこまで追い詰められてねぇよ」


「……」


仁は小さく笑った。


「お前は龍術を使えない分、別のものを見るしかない」


「別のもの?」


「相手の動き。癖。呼吸。間合い」


仁は指を一本ずつ立てていく。


「自分の身体。武器。地形」


そして最後に。


「頭だ」


「頭?」


「力がないなら、頭を使え」


「……なんか地味だな」


「戦いなんてそんなもんだ」


仁は即答した。


「派手な龍術をぶつけ合うだけが戦いじゃねぇ」


蓮は少し考え込む。


そして――


右手を握った。


「……じゃあ俺」


仁を見る。


「俺なりの戦い方、探してみる」


「探すだけじゃ駄目だ」


「え?」


「身につけろ」


仁は前を向いたまま言った。


「次に龍化獣と戦った時、同じように勝てるとは限らねぇ」


その言葉に、蓮の表情が引き締まる。


「……分かってる」


「ならいい」


二人は再び歩き出す。


少しして、蓮がふと思い出したように口を開いた。


「なぁ、仁」


「なんだ」


「俺の戦い方ってさ」


「うん?」


「もしかして――めちゃくちゃ地味になるんじゃね?」


「……」


仁が黙る。


「おい」


「……知らん」


「絶対そう思っただろ!」


「うるせぇ」


「ひでぇ!」


山道に、二人の声が響く。


その笑い声の奥で。



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