日常編30 散らかすのは
「わお、すごい本と資料だね? クラリア、本当に歴史の勉強を頑張っているんだ」
「え? ああ、そうですね……まあ、一応はそうかもしれません。結構、面白くて……」
エフェリアお姉様は、机の上に散らばっている本と資料を見て驚いていた。
恐らく、感心してくれているのだろう。ただ私としては、少し恥ずかしい。
こうして改めて見てみると、乱雑に物が置かれ過ぎである。もう少し整理しておけば良かったと、少し後悔してしまった。
「すみません、エフェリアお姉様、すっかり散らかってしまっていて……」
「え? ああ、大丈夫だよ。こんなの散らかっている内に入らないって。これで散らかっているなら、私なんてもっと駄目だし……」
「そうなんですか?」
エフェリアお姉様は、とても苦い顔をしていた。
ただ、私としては疑問である。エフェリアお姉様の部屋には入ったことがあるが、散らかっている印象はあまりない。
「ああ、オルディアお兄様が片付けているんですね?」
「あ、うん。そうだよ? 私が散らかすとオルディアがいつも怒ってね? まあ、片付けてくれるのはありがたいんだけど……」
「まあ、オルディアお兄様はマメな所がありますからね」
私は、オルディアお兄様の存在を思い出していた。
エフェリアお姉様は、オルディアお兄様と同じ部屋で暮らしている。例え散らかしたとしても、お兄様の方が片付けてくれるということだろう。
その点については、私も同じといえるかもしれない。イフェネアお姉様なら、例え私が散らかしたとしても、大丈夫そうだ。いや、それに甘えてはいけないけれど。
「エフェリアお姉様、お互いに片付けはきちんとしましょうね? 同部屋のイフェネアお姉様やオルディアお兄様に迷惑をかけるのはよくありませんから」
「あ、うん。それは、そうだね……いや、ちょっと耳が痛いなー」
エフェリアお姉様は、苦笑いを浮かべていた。やはり、片付けは苦手ということなのだろう。あまり気が進んではいなさそうだ。
とはいえ、片付けないという訳にもいかないだろう。どう考えても、迷惑をかけることになるのだし。
「でもね、クラリア。一応、私もね? 無造作に散らかしている訳ではないんだよ? ちゃんとどこに何があるかはわかっているというか、実は散らかっていないともいえるんじゃないかな?」
「……いえ、エフェリアお姉様。それは散らかっているというと思います」
「……まあ、そうだよね」
エフェリアお姉様の言葉には、流石に私も同意することはできなかった。
片付けはきちんとした方がいい。私は改めて、その認識を固めるのだった。




