日常編29 根を詰めては
私は、ウェルダンお兄様から新たにいくつかの本を借りていた。
そこに書いてある事柄は、同じという訳ではない。それらの情報について、私自身が精査しなければならないということだろう。
書庫にある書物も、いくつか持ち出させてもらっていた。これだけ資料があれば、判断することは難しいことではないはずだ。
「クラリア、少しいいかな?」
「……あ、はい」
という訳で、私は勉強をしていた。少し集中していたため、その声に反応するのは少し遅くなってしまった。
その声は、エフェリアお姉様の声だ。何か私に用だろうか。私は急いで、部屋の戸の傍まで行き開ける。
「エフェリアお姉様? お一人ですか?」
「うん、私一人だよ?」
部屋を訪ねて来たのは、エフェリアお姉様一人だけだった。
てっきり、オルディアお兄様も一緒だと思っていたのだが、そういう訳ではないようだ。
まあ二人も、いつも一緒でもないか。しかし、何の用だろう。ただ遊びに来ただけ、ということもあるかもしれないが。
「あ、イフェネアお姉様は今は不在ですよ?」
「うん、それは知ってるよ? というか、さっきまでイフェネアお姉様と一緒にいたから」
「ああ、そうでしたか……」
私がいる部屋は、イフェネアお姉様の部屋でもある。そのため、一応イフェネアお姉様の不在を言おうと思っていたが、エフェリアお姉様は既に把握済みであるようだ。
そこで私は、エフェリアお姉様の手元に視線を向けることになった。そこには、お盆がありお菓子とお茶が乗っている。
「エフェリアお姉様、もしかしてお茶のお誘いですか?」
「流石はクラリア、勘が鋭いね? その、ウェリダンお兄様からクラリアが最近勉強を頑張っているって聞いてね? でも、ずっと勉強は疲れちゃうだろうし、少し休憩した方がいいんじゃないかなって、思って」
「そうでしたか……」
エフェリアお姉様は、私のことを気遣ってお茶に誘ってくれているようだ。
それはとてもありがたい、お誘いである。私もつい夢中になってしまっていたが、かなりの間勉強してしまっていた。
少しは休憩した方が、良いだろう。根を詰めすぎても、いいことはない。
「ありがとうございます、エフェリアお姉様。そういうことなら、お茶にさせてもらいますね」
「うん、そうしようそうしよう。お勉強ばかりしていても、つまらないんだから」
私は、エフェリアお姉様を部屋に招いた。
とりあえず、お茶にするとしよう。そう思うと、体に疲れが出てき始めていた。
どうやら私は集中していて、疲れを忘れてしまっていたようだ。これはエフェリアお姉様に、感謝しなければならない。お陰で、無理をせずに済んだのだから。




