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妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?  作者: 木山楽斗
日常編

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日常編6 姉への聞き込み(オルディア視点)

 僕とエフェリアは、イフェネアお姉様の部屋に来ていた。

 お姉さまも何かとんでもないクラリアへの誕生日プレゼントを考えているのではないか。ウェリダンお兄様との一件で、僕達の中にある疑念は深まっていた。


「イフェネアお姉様、クラリアへの誕生日プレゼントは何にするんですか? 私達はまだ決めかねていて、参考までにお伺いしたいのです」

「……先に言っておきますが、釘を刺しに来たという側面もあります。イフェネアお姉様のことですから、過度なプレゼントを選んでいる可能性もあると思いまして」

「なるほど……」


 今回僕達は、先んじて全てを説明しておくことにした。

 ウェリダンお兄様がああだった以上、イフェネアお姉様がまともなプレゼントをしている可能性は低い。そもそも別にそんなに隠しておく必要がある訳でもないし。


 そんな僕達の言葉に、イフェネアお姉様は特に表情を変えていない。僕達の指摘が、的外れということだろうか。いや、仮に図星だったとしても、イフェネアお姉さまなら何故か余裕を崩さないような気もする。


「私は服をプレゼントしようと思っているわ」

「服、ですか? まあ、イフェネアお姉様はおしゃれだからそうなりますよね。化粧品とかは、私達も考えたんですけれど……」

「それも悪くはない選択肢だと思うわ。まあ、私のプレゼントはそれも多少は含まれているかしらね?」

「うん?」


 イフェネアお姉様の言葉に、僕とエフェリアは顔を見合わせた。

 服をプレゼントする。それは一旦受け止めていたが、何やら雲行きが怪しい。

 少なくとも単に服をプレゼントするという訳ではなさそうだ。何着かプレゼントするということだろうか。それとも、化粧品も合わせて装い一式などだろうか。


「イフェネアお姉様、参考までに服を何着プレゼントするのか教えていただけませんか?」

「何着? そう言われても少し困ってしまうわね……」

「答えにくい質問でしたか? それなら化粧品なども合わせて一式プレゼントということでしょうか?」

「そういう訳でもないけれど……」


 僕の質問に対して、イフェネアお姉様は目を逸らしていた。

 それは明らかに、やましいことがあるからだろう。先程までの会話から、僕は少し考える。

 こういう時に、イフェネアお姉様が何をするか。それは今までの経験から、ある程度想像できた。とりあえずそれをぶつけてみるとしよう。


「イフェネアお姉様、まさかとは思いますけれど……店にある品を全部買い取ろうなんて、思ってはいませんよね?」

「……ふふっ」

「オルディア、図星っぽい反応だよ?」

「ああ、どうやら僕の想像していた通りだったようだね」


 僕の予想通り、イフェネアお姉様は大胆なことをしようとしていたらしい。

 店にある品を全て買うなんて、そんなのは滅茶苦茶だ。これも止めなければならない。


「イフェネアお姉様、落ち着いて聞いてください。店にあるものを全部買っても、その大半は意味がありません。クラリアが着られないものもあるでしょう?」

「クラリアはこれから成長していくもの。急に痩せたり太ったりすることも考慮して、服は全サイズ用意しておきたいものじゃない」

「人はそんなに急に痩せたり太ったりはしませんよ。変化の時々で、服は買い足せばいいはずです。そもそもそんなことをしたら、クラリアが委縮してしまいますから」

「そうですよ、イフェネアお姉様。服なら一着か二着にしてください」

「でも……」


 僕とエフェリアの言葉に、イフェネアお姉様は不服そうな顔をした。

 ただ僕達は、そんな顔では怯まない。クラリアにとって良い誕生日にするためにも、イフェネアお姉様の大胆な行動は止めなければならない。


「……せ、せめて十着とか」

「それでも多いです。エフェリアが言っている通り、一着か二着にしましょう」

「ご、五着とか……」


 僕達の態度に、イフェネアお姉様は一応折れてくれたようだった。

 ここまで釘を刺しておけば、流石に大丈夫だろう。今回のような場合なら、僕達の意見を無視するなんてことはないはずだ。

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