第7話 諸君らの大切なモノを守れ
機巧暦2139年12月・ドイツ帝国ベルリン
「陛下!! 大変でございます!!」
「・・・・・・・・何?」
「オスマン帝国が大日本帝国・欧州本部相手に戦争して大敗しました!! オスマン帝国の皇室は処刑され欧州本部の植民地になったということです」
イリアスが酒を飲んでいると駆け込んできた配下からそう言われる。
「大日本帝国の使い走りのクセに中々やるわね」
「・・・・・・このまま奴らが勢力拡大を続ければ我らドイツ帝国も危うくなるかと思いますが・・・・・・」
「そうかもね。その時はその時よ」
イリアスは隣に侍らせた男の娘の頭を撫でながらそう呟く。イリアスは最近、政務を放棄し女装させた美少年を隣に侍らせ酒を飲み日々が続いていた・・・・・・・鋭利な目つきは変わっていないがその瞳は濁っていた。
「その時はその時って・・・・・・滅亡しても良いと思っているのですか?」
「・・・・・・・・・もう不毛な争いに飽きた。いっそのことこのまま死にたい・・・・・・」
「そのような考えは・・・・・な、なりません。希望を持つべきです。いつか万民平和の世はきますから」
「希望・・・・・・ねぇ~・・・・・・・なら平和の為に一つ楔を打ち込みましょうか」
「楔?」
「これをお前に渡すからロシア=ソビエトとフランスの連中に渡してくれるかしら」
「絵画・・・・・ですか」
イリアスは配下に絵画を渡す。配下は絵画を見つつ困惑する。絵画には中心に刀を持った鎧姿の武者が猿の首を今にも斬り落とそうとしている場面で左端に西洋鎧の騎士が3人いて、斬られようとしている猿を助けようとしている場面が描かれている。
「刀は大日本帝国や象徴。西洋鎧は我ら列強。猿は我らが所有している植民地。絵画の題名は"諸君らの大切なモノを守れ"」
「・・・・・・・・・」
「お前が言う通り、イエローモンキー共が勢力を拡大すれば列強の植民地・・・・・・まあ利権が危なくなる。これを渡せばロシア=ソビエトやフランスが何とかしてくれるだろう。特にロシア=ソビエトが動いてくれれば好都合ではあるんだけど・・・・・・・」
「ロシア=ソビエト、フランス、ドイツの三国で大日本帝国や欧州本部に圧をかけると?」
「そう。我ら白人こそ世界を支配するのだ。支配される側のイエローモンキーに出しゃばられては不愉快この上ない!! 軍備もまだ小さい欧州本部なら少し圧をかけるだけで首を縮めはず」
「わ、分かりました・・・・・・・・・」
その後、大日本帝国・欧州本部を警戒するロシア=ソビエト、ドイツ、フランスで一時的な同盟が結ばれた。同盟の盟主はロシア=ソビエトとなった。




