《ゆづ、異界に立つ》16/20 ゆづ、お嬢に媚びる
幼いくせに、恐ろしい子!!!─────『転生したらスライムだった件』
「(き、煌さん……)」「(煌さんだぁ……)」
路地を通って往来に姿を現した煌さんは、10~20名ほどの女性の集団を引き連れていた。皆一様に騎士のような銀の装甲を身に着けた、女性だけの集団を………
「お疲れっす、煌ちゃん」
「お疲れー」
「お疲れじゃないですわよ。わたくしが何ですって?」
煌さんも同じような銀の装甲を身に着けていた。節々が棘々とした殺意高めなデザインの銀の籠手に銀のブーツ………それに、一目見ただけで今私が身に着けているものと同種の装備だと分かる銀のボディスーツ。ぎちぎちに締め付けられた豊かなお胸がボディスーツの上から苦しそうに溢れ出ている。
「……いや、煌ちゃん遅いなぁって」
「そ、そうそう」「何するにもいないと始まんないから、絶天が」
「嘘仰い。この二人が集まってわたくしの話をするとなれば内容は悪口と相場は決まっています」
〝ねぇ?〟と言って私を見下ろす。
「……は、」「はい……////」
「何て言ってた?さっき、このお姉ちゃん達二人」
「……あ、はい、あの」
煌さんは身長が高かった。私が150cmでこの感じだから、多分170cm近くはある筈……
頭身が高く、装甲の隙間から色んな部位をむちむちと露出させた煌さんはどエラいいい女だった。
「権力欲の塊だって言ってました、煌さんは」
「まっ!?」
「……!?」
「え、ゆづちゃん……?」
銀の装甲の下に着込んでいる服は、やっぱりいつものあの衣装と同じ色味のワインレッドだった。籠手やブーツとぴったり噛み合っているから、多分これ一式が煌さん専用の戦闘服なのだと思う。
殺意高めのその衣装に被る、高い位置でポニテに纏められたいつもの縦ロールがまたお美しい……
「……どーいうことですの?舞子」
「い、いやいや……」「ちゃいまんがな」
「…………」「…………」
「〝権力欲〟やのうて〝権力〟」「いっそ煌ちゃんが王族で、権力を持ってたらこの国の行く末も明るいのにっていう……」
「そ、そーそー」「正にそういう話……」
「違います、〝権力欲〟って言ってました」
「……!?」
「ゆづちゃん……?」
「〝権力欲の塊だから絶対に皇女になりたかった筈〟って」
「まぁ~………」
「で、〝実際にそうだった場合めちゃめちゃ極端な国になっちゃう〟って、言ってました」
「…………」「…………」
「…………」「…………」
「悪意を以て、バカにする意図で」
私は、流れるように煌さんに媚びていた。予想に反して大胆に肢体を露出させてきた、いい女過ぎる煌さんに。イメージ通りの真っ白な肌がイメージに反した筋肉質な張りを帯びているのも良過ぎた。
特に銀のブーツと腰周りの布地部分の間の、太腿。
真っ白で青白い血管が透けて見えていながら筋肉質に張り詰めているというコントラストに、私は昇天寸前だった。
「(何とか体に触れる流れに持っていきたい……!)」「(何とか、何とか……)」「(ハグ一回だけでも……)」
すまん、そのために死んでくれご両人、と私はアニカさんとどすえちゃん先輩に対して明確に思っていた。
変わり身は激しいかも知れないけど、非道なこととは思わなかった。
全ては煌さんがいい女過ぎるのが悪いんだから。
「まぁー……」「舞子?」
「……い、いやいやいや」「いやいや、煌ちゃん……」
「その腕、壊れてませんこと……?」
「いやいや……」「えっ?」
胸の高さに上げて横に振られていたどすえちゃん先輩の義手を煌さんが両手で抱えた。
手の甲や手首の部分をパチパチと操作すると義手が駆動音を鳴らしながらひとりでに数を数えるような動きをした。
「まぁー……大破してる」
「…………」「…………」
「大技使ったんですわね?」
「…………」「…………」「いや、」
「困りますわよ、毎度のようにポコスカポコスカ」「2億もする兵装を壊してこられたら」
「いやいや、違うんです、煌ちゃん」
「何がですの」
「……もう、ものっ凄い数の」「大兵団が」
「……うん?」
「大挙して攻めて来て……」「……」「んで死にそうになってて、この子が」
と言って私を指差す。
「うん?」
「で、ここしかない、ちゅうことで」「触手モードを……」
「……」「あらそう?」
「……」「はい。」
「何個中隊ぐらい?」
「……」「えっ?」
「兵士何人ぐらいに戦車何台ぐらいですのよ」
「……」「えっ?」
「どのくらいの数を相手に使ったんですのよ、場合によっちゃあ大隊の一つ片付けられるぐらいの、コスト2億の大技を」
「……」「あ、なんかちょっと」「耳痛い……」
「舞子」
「……」「はい、」
「触手モードを使った相手はどのくらいの兵団だったんですの」
「……」「いやもう、」「……12、ぐらい」
「……?」「なぁに?」
「……12ぐらい、です」
「……何よそれ」「単位は何ですの」「人?隊?」
「……」「せ、戦車戦車」
「戦車!?」
「……うん、」
「戦車が12両いたんですの?」
「はい。」
「まぁ……」「大変だったのね?」
「はぃ……本当に大変で」
「で人は?」
「……」「はい?」
「兵士は何人いたんですの?その、戦車の周りに」
「……」「えーっと、」「……」
どすえちゃん先輩は右手で耳たぶを触りながら、その大きな両目で視線を空中にぎょろぎょろと2~3往復させた。
「……」「……」
明らかに掛け算をしていた。戦車1両当たり大体何人ぐらいの兵士が帯同しているから12台だと……という掛け算を。
「……」「……120人ぐらい、大体」
「(……遅っそ、計算)」「(12両×10人=120人の計算、遅っそ……)」
「まぁー、大変だったんですのね、舞子……」
「うん……郊外は郊外で、意外と敵多くて……」
「嘘です、今の」
「……えっ?」
「……」「ゆづちゃん……?」
「戦車1両で兵士10人ちょっとでした」
「……」「……本当に?」
「はい。」
「……」「……」
「しかも戦車を倒したの、アニカさんでした」
「まぁ……」
「……ゆづちゃん、何で」「何でなん……」
「舞子あなた、たった10人の兵士を倒すのに2億の兵装お釈迦にしたんですの……?」
「いや、だって……」「……」
「銃撃った方がマシですわよねぇ?安上がりで」「義手とコルセットがあるなら普通に殴りに行ってもいい」
「……」「いや……」
「大体なんですの?あなた。何度も何度も言っているのにガントレットもブーツも着けずに」
「……」「……」
「フル装備でバランスよく戦えばそれぞれを修理して手入れしてバッテリー交換すればまた使えますのに」「ろくに兵装も着用せずに2億の義手だけでゴリ押すってどういうことですの!」
「……」「だ、ダサいんやもん、だって」
「……」「……ダサい?」
「……」「……」
「人の作った物を、ダサいですって……」
「……」「いや、分かるじゃないですか……」「合いませんやんか、この和装に」
どすえちゃん先輩は、たじたじだった。
いつものあのクールで落ち着いた人となりが嘘のように……
何故だかアニカさんも、どすえちゃん先輩の横で一緒に叱られているかのように下を見ていた。
いつもは強いお二人が動揺している姿を見るうちに、私は自分の中で何か良くないものがむくむくと頭をもたげるのを感じた。
「あたしも女の子ですから、堪忍したってください……」
「ぶっぱの件はどうですのよ」
「……」「……えっ?」
「2億の兵装をぶっぱして壊したのはどういうわけかと」「聞いてるんですのよ!」
「……」「……いや、」
「それもいつも言ってますわよ!?」「兵装だって無料じゃないんだから雑に消耗するなと日頃あれほど……」
「……」「き、気持ちええですやん」
「……」「……」「何?」
「気持ちええですやんか、大技で兵士ども一方的に殺ったら……」
「……」「……」
「もう無いんです、楽しみがそれくらいしか」「安月給で朝から晩までこき使われて……」
「舞子ォ!!」
「はァい!!」
「舞子ォ!!」
「はァい!!」
「舞子ォ!!」
「はァい!!」
「イチャイチャしてました」
「舞子ォ……!」「ん、何ぁに?」
「遠くでドカンドカンいってたのに、アニカさんと二人でイチャついてました」
下を向いていたアニカさんがふぅぅ……と深く息を吐いた。
「……」「なぁにをやっとるんだ、あーた方二人は」
「……」「……」
「……」「いやしてないよ、イチャイチャとかは」
「首都の中央が大侵攻を受けとる時に、戦闘要員が二人揃って」
「……」「……いや、それはほんまにしてません、煌ちゃん」
「まーだ諦めてないんですの?あなた」「こやつのこと」
「いや諦めるとかではない……」
「お前も。この異常性欲」「時と場合を選べんのか、この」
と言って煌さんは、腰に差していた銀の長剣を鞘に入れたままごんごん、とアニカさんの胴に当てた。
「……痛い、」「痛い痛い」
「……でも、爆音聞いて分かったんで、もう終わるなって」
「来るだろう、それでも」
「……」「……」
「……」「……」
「自分達のとこ終わったからはいお終い、主戦場には主力が集まっててもう終わるからこっそり隠れてイチャついてましょて」「公僕が務まるかい!それで」
と煌さんは関西弁で吠えた。
「……」「……すません、」
「……」「……すません、」
「ほんまにもうこいつら……」
「煙草吸ってました」
「えぇ!?」
「……ゆづ、」
「ゆづちゃん……!?」
「……」「舞子……?」
「……」「ほんま、どしたんゆづちゃん……」
私は必死だった。
煌さんに気に入られたくて、距離を詰めたくて、視線を独り占めしたくて……
記憶を遡ってお二方の粗を必死で探した。
「腕組んでスカして、遠い目でフカしてました」
「……」「ゆづちゃん……」
「お出しなさい、舞子」
「……」「……」
「舞子」
「左の袖です」「義手の方の」
「ゆづちゃん……」
どすえちゃん先輩が渋々取り出した煙管を取り上げた煌さんは、それを左胸の脇腹付近にあるコルセットの隙間に押し込んだ。
「(……エっロいんだよ、ほんと)」「(肉質がエロい。白くてぷるぷるしてて)」「(動く度にぷるぷる揺れてさぁ……)」
「没収です」
「煌ちゃん……」
「何度も言っていますわよ、舞子。喫煙など下らないと」
「……」「……」
「どうしますの、同等の力を持つ敵と当たった時に喫煙なんかでできた体力差で敗北してしまったら」
「……」「……」
「大体ダッセーんですのよ、あなた」「遠い目で腕組んで煙管ふかしてる、あの姿」「それがイケてると思ってる、そのセンス」
「……」「……」
「その首から見えてる……」「いえ見せてるタトゥーと同じダサさですわ」「古臭ェーんですのよ、全体的に」
「……」「……」
「許しませんわよ?第二皇室に所属する以上美醜観を鑑みない振る舞いは」
「……」「……」「辞めたんねん、いつでも……」
「……」「なんですって?」
「……」「……」
「舞子?」
「……」「……」「いえ、別に……」
「……いいわよ?辞めてごらんなさいな。そしたらあなた」
「……」「……」
「また隻腕の貧乏や〇ざに逆戻りですわよ?」「よくて?それでも」
「……」「……」「すません、」
「全く……没収です、煙管は」「本当に、わたくしの目が届かない場所だと何をしてもいいと思って……」
「目が黒くなってました」
「……」「……ん?何ぁに?」
「ついさっきあの、右目が真っ黒になってました」「白目と黒目が反転した、すっごくグロテスクな色に……」
「……」「……」
ネタ切れだった。もうあと一押しか二押し欲しかったところだけど、お二方とも出会って間もないことが災いしてこれ以上のネタが思いつかなかった。
「……」「それはあれですわよ、ほら……」
と言いながら煌さんはすぐ後ろに立っている、同じような出で立ちの女性に対してちょいちょい、と手招きをした。
「……」「……?」
「これ。」
白い、朱肉ごとを内蔵している印鑑、みたいな……
ガシャコン、と押せば何度でも印鑑が押せそうな白いガジェットを煌さんが手に持っていた。
「これよ?それは」「……欲しい?これ」
「……」「……?」
「煌アイ。」「欲しい?」
「……」「煌アイ……?」
「そう、煌アイ。」「……欲しいかな~?」
「……」「……」
「欲しいかな~?ボク。末端価格数千万の高級品。」「欲しいかな~?」
……僕。
「……あ、ひ」「ひどぉい、煌さん……////」
「……あら、」「何ですの?」
「お、女ですぅ、これでも」「女なんですぅ~////」
「……」「……ま、何事……?」
「煌さんと違って小さいからって僕だなんて」「傷付いちゃう、ゆづぅ~////」
「……」「……」
畳んだ両肘で両脇から胸を押し集める必殺ポーズを前に、煌さんは固まった。
「……」「……」
「……」「……」
「……」「……」
「……」「……」
私は貧乳だ。
Gカップが標準ラインの巨乳跋扈する女性V界隈において、Cカップあわやという紛うことなき貧乳だ。
でも実は、貧乳にこそ強調する意味がある。
貧乳こそ張った姿がエロいし、貧乳こそ露出度の高い服を着た時嗜虐心を煽る。
寄せた時の服を押し上げる控え目な乳圧に、庇護心が掻き立てられる。
嘘だと思うなら、わたくしの立ち絵を見て欲しい。
ピッチピチのシャツと用途不明のベルトで強調された貧乳が、独特のエロさを醸しているから。
特に女性は貧乳好きも多い。
だから一見冗談のように見えるこのポーズの女性への殺傷力は本当に、冗談のように高い。
「……」「まあ、舞子……」
「……」「はい、煌ちゃん……」
「この子、どっから連れて来たんですの……」
「……」「……え?」
「天才ですわ、この子……」「媚び方を、分かってる……」
煌さんは高いヒールでつかつかと歩み寄り、私の腰を抱いた。
「……あ、」「わァ……////」
「……可愛いわ、この子」「……」
「……」「やだ、煌さん……////」
策は成った。
策は成ったけど……
やっぱり風呂に入ってないのが堪らなく嫌だ……
「舞子……この子、第二皇室の子にするわよ」
「私も、それしかない思てます」
「……」「いやいや、いや」「待てお前ら」
「御覧なさい、この聡い顔……」
「抱いて匂い嗅いでみてくださいほんまヤバいから……」
「……だめ、バカ、舞子」「ここ、戦場でしてよ……?」
「待て待て、やめてくれ」
「……」「……」「何ですのよ」
「うちの奴だから、そいつは」「やめてくれ」
「……」「……え、第三皇室の?」
「そう。新人だからうちの」「もう本当……今一番大事な奴」
「……まぁ~もったいない、あんなオワコンクソボロ皇室に……」
花のような匂いのするさらさらの柔肌に抱かれるうち、私の思考は溶けてぐずぐずに崩れていった。
「……」「どう?ああ言ってるけど」「くる?うち」
「……」「うん、行くゥ……////」
「いやゆづ……」
「ほーーーーっほほほほほ!」「決まりですわねぇ!」
顔に押し付けられたむっちむちの推定Hカップの上にいくつか点在している小さな黒子を数えるうち、私の頭は〝夢 覚めない方法〟のキーワードでアンド検索をかけ始めていた。
「(……あ゛ーもう、)」「(あ゛―もう、)」「(帰りたくねぇ、あんな世界……)」
最早自分が昨日まで生きてきた現実世界になど、何の未練も残っていなかった。
こんなHカップの超絶美貌のお嬢様に抱かれ、それを今さっきまでいい雰囲気だった友達以上恋人未満の色っぽい女に見せつけ、最推しまでもが本妻として控えているこの夢の世界に比べれば、あんな現実……
「(……クソだ、あんなもん)」「(もーいらない、あんな現実)」「(二度と帰りたくない、あんな味気ない、抱いてくれる女の一人もいない、あんな現実になんか……)」
一番手近にあるコロコロとした小さな黒子に吸い付きたい衝動を抑えながら、そう思った。
【登場人物・用語】
白河ゆづ…………自分の世界では限りなく完璧な清楚系に近いお嬢様ライバーをやっている先輩の、あられもない別衣装バージョンを見て興奮してしまった人。自分の世界ではジル・スレイトアール&月咬ソラの二人の先輩ライバーに強いフェチズムを感じているゆづだが、煌にそれを感じたのは今回が初めて。清楚でお上品なお姉様系が好きだがそこに何かしらのエロさが投下されていないと物足りなく感じてしまうのが実情。支配タイプの年上女性に媚びるのが無類に上手いが、媚びている時の自分を極上に可愛いとも感じている。さっきまでイチャついていたM.E.K.A.舞子の前で煌に抱かれていてさらにジルという本妻までいて……と自分ではっきりと言っているが、驚いたことにゆづはジルに対して自分が不貞を働いていることにまだ気が付いていない。貧乳を寧ろ誇りに思っているがサイズについて〝小さめのD〟中央部分の外観について〝ブタの肌みたいな色〟と嘘を吐いた回数は数えきれない。自分の世界に完全に帰りたくなくなっているが心配しなくても、ゆづはこの世界にこの先延々と留まり続ける。
絶天煌…………自分に全力で媚びてきたゆづを初対面で甚く気に入ってしまった人。強烈な支配タイプで、自分だけに的を絞って下から媚びてくる年下がとても好き。自分の支配に対して軽く抵抗してくるタイプも好きで、そういう意味ではM.E.K.A.舞子のことも好き。第二皇室でナンバー2の立場にある人で、第三皇室(=ジルの皇室)におけるアニカと立場が同じ。担当しているのも兵器開発兼参謀、ということでやはり同じ。今年26歳でアニカの三つ下に当たるが、主席で卒業したスレイトアール大学を三年先に卒業したアニカを、同大で通例になっている総合知能テストの成績で最後まで抜けなかったことを根に持っている。若くして国の兵器の9割を製造する大会社「煌.corp」を束ねるスーパーエリート。
銀の戦闘衣装…………銀のバトルコルセット、ガントレット、ブーツから成る煌開発の兵装。ガントレットとブーツもバトルコルセットと同じ仕組みを採用していて、それぞれの相乗効果でアニカのバトルコルセットの数倍の耐性・出力を発揮する。これにコンタクトレンズ型視覚補助器具Absolute Focusと銀の物理攻撃武器を合わせて装備して戦う様式を銀の竜鱗システムと呼ぶ。以上全て煌の発明で、考案。
銀の竜鱗部隊…………第二皇室所属のエリート兵士だけを選抜して組まれた煌所有の部隊。総勢40名弱の女性の集団で、全員が煌と同じ銀の竜鱗システムを装着している。全員の兵装が全てマットなシルバーカラーで統一されているため、遠目に見ると騎士の一団のように見える。M.E.K.A.舞子はここの所属ではないが、任務の際は度々行動を共にしている。
白いガジェット…………Absolute Focusを装着するためのガジェット。中が保存液で満たされていて、そこにコンタクトレンズ型のAbsolute Focusが浸されている。着ける時も外す時もこれで眼球を覆うようにと説明書には書いてあるが、綺麗に洗った手で着脱してもこれといった支障はない。煌の言う通り、片目で末端価格数千万円の超高級品。銀の竜鱗部隊に入れば無料で支給される。煌は周りにも愛着を持ってそう呼んで欲しくてAbsolute Focusを煌アイと呼んでいるが、誰もそれには倣わない。
アニカ・サンドルート…………煌と同じく兵器開発を生業とする人。格上の皇室に在籍していて国ごとを味方に付けている煌に対して個人でこじんまりやっているしがない野良科学者。どちらともが装着することで強力な力を発揮できるバトルコルセットを製造しているが、その性能は煌が作ったものの方が上。代わりにアニカは攻撃用の武器の製造に長ける。アニカにとって年下で同じ大学の後輩でもある煌だが、勝ち気で支配的な雰囲気に負けがち。バトルコルセットを着ていてもそれが反応しないギリギリの力で加えられたダメージは普通に通るし、普通に痛い。
京家M.E.K.A.舞子…………煌に毎度説教されている人。煌より三つ年上だが立場的な上下と義手のせいで頭が上がらない。M.E.K.A.舞子が左腕に装着している義手はもちろん煌の発明で、毎回修理・調整してくれるのも煌。2億する、と言っているがこれは通常勤務用の銀色の義手の話で、M.E.K.A.舞子には〝ガチ戦争用〟と〝怪物退治用〟という二つの上位ティア義手がある。学校というものにまともに通わない子供時代を過ごしたので学がなく、暗算とかは苦手。そういう人にありがちな(煌曰くダサい)センスをしているが、それがダサいかどうかは人それぞれ。煙管は何度も〝没収〟されているが数日後には自分のデスクに必ず返却されていて、何のごっこ遊びなんだろうといつも思っている。安月給と言っているが年収一千万を超えているので全然安月給じゃない。自分の百倍近い年収を上げている煌やアニカが身の周りにいるが故の錯覚。
煌の体躯…………ゆづの世界より10cmほど伸長が高く、また体形もグラマラスなこの世界の煌。自身運営の兵器開発企業の宣伝と承認欲求の満たしも兼ねて、人前でどんどん露出していく。生白い肌に細かな黒子が点在しているタイプのふにゃふにゃとした柔らかい肌質で、それが日頃の鍛錬により付いた筋肉で健康的に張っているギャップが今回ゆづをだめにした。各種サイズはシキの方が大きいが均整のとれた峰不二子体形なのはこちら。近くに寄ると髪からなのか体からなのかは分からないが、ほのかに花のような香りがする。




