表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移して奴隷にされたけど、見えない塊を拾ったので逃げる事が出来ました  作者: 斉藤一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
65/67

シルフィの頭痛

「おい、シルフィ! シルフィ!」


「うるさいぞ! 何を叫んでやがる! この近くには誰もきやしねぇよ!」


 俺が誰かに助けを呼んでいると勘違いしたのか、チンピラがそう言った。だが、俺は今それどころじゃない。いつもお気楽なシルフィが、突然異常を起こしたのだ。


「頭が、痛いっ」


 シルフィは自分の頭を抱えてうずくまっている。飛ぶ余裕もなさそうだ。


「ユラ、雫はシルフィにも効くのか?」


「世界樹の雫は魔力で体を治す様なものでちゅから、効果はあると思いましゅ」


「だったら、雫をシルフィに」


「分かりまちた。世界樹の雫!」


 ユラは世界樹の雫を作り出す。俺はシルフィを手のひらの上で上向きにさせる。しかし、シルフィは痛みからか歯を食いしばっていた。俺は飲ませるために、無理やりシルフィの口を開かせ、雫を流し込む。


「あ・・・」


 シルフィが雫を飲むと、目を見開く。


「僕、シルフィじゃない」


「は? 何を言っているんだ? お前はシルフィだろ」


「ううん、僕はシルフィじゃない。シルフィは、僕の友達の名前。僕の名前は・・・うっ、思い出せない」


「大丈夫か?」


 いきなりシルフィが自分がシルフィじゃないと言うし、本当の名前も分からないようだ。一体、シルフィの身に何が起きているのか分からないが、どうやら混乱しているようだ。


「落ち着け。とりあえず、休め」


「うん・・・」


 幸い、痛みがひいたのか、飛ぶことが出来るようになったみたいだが、ふらふらしている。


「俺の頭の上で休んでていいぞ」


「うん、ありがと・・・」


 俺は頭の上のエーテルをクッションの様に変化させ、シルフィを休ませる。今は動かないほうがいいだろう。どうせ見張りのチンピラが居るから、下手に動くことはできないんだけど、必要ならこいつを倒してでも移動するつもりだ。

 ユラが俺から離れることが出来れば、誰か呼んでくることも出来るのだが、あいにくユラは世界樹の杖からそれほど離れられないからな。


「まあ、俺が帰らなかったらルゥナあたりが探しに来るだろ」


 俺は近くの木に背中をあずけ、できる限り頭を動かさないように努力する。

 しばらくすると、もう一人のチンピラが戻ってきた。


「屋敷の門番に身代金を要求してきたぜ!」


「おお、じゃあ、もう少ししたら金が手に入るな!」


 こいつは馬鹿なのか? 門番に伝えただけで金が用意されるわけないだろ。というか、もしかしたら門番の人が本気にしてない可能性もあるぞ。本気にしてたら、普通にその場でチンピラを捕まえてそうな気もするし。


「あの、ちなみにいくら要求したんですか?」


「そんなもん、できる限り用意しろって伝えたに決まってるだろ。これで、大金持ちだぜ」


「・・・・・・」


 具体的な金額はおろか、口頭で伝えたのか。こいつ、さては字が書けないんだな。いきあたりばったりすぎるし、バックに大きな組織がついてるとかもなさそうだ。シルフィの事も心配だし、もう少ししたらこいつらを倒して戻るとするか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ