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いたずら  作者: あるとII
15/24

【15】離婚弁護士(1/3)

離婚弁護士・・・。

たまにその手の人いますが、どんななんでしょうね。

 中原英美は、弁護士の烏丸を訪ねた。

 離婚の資料が再送されてようやく現実感が沸いてきた。ワイドショーで時々出る烏丸美和を思い出したからだ。

 離婚弁護士として有名で、動画やSNSでの言動がたびたび話題になる。現在は看板を隠して完全予約制を敷いているとのことで、すぐに予約を入れると、来所方法をいくつが指定された。

 相談日の当日、会社がいくつも入るオフィスビルにやってきた。フロア案内を見ても「烏丸弁護士事務所」は記載がない。指定されたオフィスビルの窓口で、指定された合言葉を伝える。

「みつわ生命の中原といいます。バードネット社に伺いました」

「中原様ですね。少々お待ちください。……はい。ご予約確認いたしました。それでは、こちらにご記入をお願いします」

 受付窓口にて入館申請を出しゲスト用の入館証をもらい、エレベーターからオフィス棟の十七階へと上がる。エレベーターホールを経て、一つの部屋の前に到着し、玄関の電話から着いた旨を連絡する。伺います、と一言返信の後に通信が切れ、事務員とおぼしき女性が、資料を片手に姿を見せる。

「いらっしゃいませ。中原様でいらっしゃいますか?」

「ええ。そうです」

「お待ちしておりました。私は秘書の前田といいます。こちらにどうぞ」

 前田と名乗る女性に先導されて中へと入る。ブースが六つ並んでおり、そのうちの1つに通される。

「中原様、早速ですが、まずは承諾用紙をいただきます」

「承諾用紙?」

「はい。公式サイトに、出力と記入をするよう書いてありますが、ご覧になっていませんか」

「いないわ」

「かしこまりました。では、こちらをお読みになって、承諾のサインをお願いします」

 同様の客が多いのか、前田は慣れた手つきで、資料の中からペンと承諾書と書かれた紙を差し出した。承諾書は三枚綴りになっており、注意事項が書かれている。

「ねえこれ、動画を撮影するってあるけど?」

「はい。これからご案内する部屋で先生がお話を伺いますが、その際に、間違いがないように動画撮影をします。もちろん中原様も撮影なさって構いません」

「そ、そんなの用意してないわ」

「スマートフォンやタブレットもお持ちではないですか? いまはたいていの機種は動画撮影は可能だと思いますが」

 娘の美香は最新機種だが、英美自身は四年以上は同じものを使っている。動画機能があるかは疑わしいし、操作方法もわからない。悩んでいるうちに話が進んでいく。

「有料となりますが、撮影したデータを後日郵送することも可能です。なんなら今回はキャンセルして、再予約も可能ですよ。もっとも、再予約は二ヶ月後になりますが」

 もしあの人がいうように荷物を引き取りに来るのなら、再予約では間に合わない。

 仕方なく書類にサインをし、前田に差し出す。

 一通り確認後、奥の部屋へと通された。

 窓から光が差し込める明るい部屋で、会議室のように中央に机と椅子が四つならべてある。 前田は、近くの給湯台でお茶を入れ英美に差し出すと、しばらくお待ちくださいといって部屋を出て行った。

 すぐに、女性が現れる。

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