表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いたずら  作者: あるとII
13/24

【13】届いた郵便

戻ったのはお父さんではなく・・・

 離婚宣言から四日後。

 美香はポストに「本人限定受取郵便の到着のお知らせ」と書かれたハガキが投函されていたことに気づき、英美に渡す。

 英美はハガキを奪い取るようにもらい受ける。差出人は「五条弁護士事務所 中原進」とあり、受け取りの手続きをするよう記載があった。

「それなに? 弁護士とあいつの名前があるけど」

「……どうやら、私宛の郵便物が届いたから受け取ってくれってことみたい」

「なにそれ怪しい。詐欺じゃないの? 最近よくあるってニュースになってたし」

「そうかもしれないけど、あの人の名前と弁護士事務所っていうのが気になる。明日受け取ってみるわ」

 五日目。進は戻っていない。部屋は二人が出したゴミが目立ち始めている。 

 英美はさすがにおかしいと思い、メールやSNS、最後は電話で連絡を取ったが一切反応は無い。SNSは既読もつかない。

 進の置いていった冊子と離婚届はすでにごみに出しており、何も残っていない。

 彼の言ったことは本当なのか? なぜ? 頭の中に答えの出ない疑問がいくつもわき上がる。

 美香はいつもどおり学校に行っている。一人になった英美は不安になっていた。何が起ころうとしているのか、あの人は何をしているのか。離婚は本当なのか。確かめるすべは何もない。

 昼過ぎ、家のベルが鳴った。英美は大慌てで玄関のドアを開ける。

「あなた! いったいどういうつもり!?」

「あ、あの……郵便局ですが」

「は!?」

 英美の剣幕に驚きながら配達員が告げる。

「本人限定受取郵便をお届けにあがりました。中原英美様に受け取りをお願いいたします」

「ほ、本人限定受取郵便!? ……あ、ああ」

 依頼していた郵便が届いたのだと気づき、やっと冷静になる。

「失礼ですが、中原英美様ご本人でいらっしゃいますか?」

「そ、そうですけど」

「お手数ですが、身分を証明できるものをお出しいただけますか」

 あまりに呆気にとられ、言われるがままに免許証を出す。

「……たしかに中原英美様ですね。こちらがお届け物です」

 そういって渡されたのは、何かの書類が入った封書だった。裏を返すと『五条探偵事務所』という印字と、手書きで「中原進」と書かれている。

 受け取りにサインをすると、免許証を英美に返した。

「……はい。それでは、確かに配達いたしましたので。これで失礼いたします」

 配達員は、特に何も変わった様子もなく去って行った、 


 局員が去ったあと、封書を持って居間に戻る。封書の中身は資料と離婚届、USB、そして手紙が入っていた。手紙には次のようなことが書かれていた。

「英美と美香へ。先日の書類と離婚届、そしてデータを送る。先日渡した書類はきっと捨てただろうから。必ず届くように、本人限定受取の郵便で送る。何度でもいうが、俺は本気だ。離婚してくれ。退職はすでにしたし、ローンは完済した。財産分与も、一切冗談ではないし妥協もしない。もう無理にとは言わないが、きちんと内容を見てもらいたい。荷物を引き取る日程が決まったらまた連絡する。当日は、いなければいないでいいから、離婚届だけはサインしておいてほしい。追伸。ネットもSNSも電話も全部切った。連絡は封書にある弁護士を通してくれ。じゃあ元気で 家族のATMだった進」

 五条という弁護士の署名が入った文書によると、USBは離婚原因となった映像や録音の資料と資料のデータとのことだった。

 自分の部屋に戻り、中身や文書の確認を始めた。

ちなみに、本人限定受取郵便は拒否もできるそうです。

感想、ご意見などお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ