追い詰められる
「悪いが、この状態だと、セーブするのが難しくてね。暴走するわけにもいかないから、あまり抵抗しないで貰いたい」
榊原はそう言うが早いか、火球魔法を放ってくる。
火球の数は数十。
榊原の周りに火球が生み出され、流星雨の如く、襲いかかる。
すべての火球がエアリスのみを狙う。
「エアリスッ!」
爆炎に飲み込まれるエアリス。
1人に対して放つ量を超えた火球は、エアリスの姿が見えなくなっても、なお放たれ続ける。
凄まじい火力を主張するかのように黒煙が広がる。
すると、黒煙の中から、煙を纏いながら後方へ飛び出す人影が見えた。
エアリスだ。
服に乱れはなく、無傷のようだ。
あれだけの数を躱し切ったのだろうか。
しかし、榊原はしつこくエアリスを狙い続ける。
エアリスは後ろに下がりつつ、火球と避ける。
避けられた火玉が地面を穿つ。
ほとんどが地面に小さなクレーターを作る中、魔球のようにエアリスを追尾するものもあった。
「それは追尾型だ」
榊原は口角を上げる。
直球と追尾。
二種類の火球がエアリスを襲う。
避けれたと思ったら、曲がる。
ギリギリで躱すことができず、余裕をもって避けるせいかエアリスの動きは読まれやすくなってしまう。
徐々に追い詰められていく。
そして、遂に一発の火球が直撃する。
「くッ!」
一度、足を止めてしまったら、火玉が雪崩のように押し寄せてくる。
爆発が爆発を呼び、次々と着弾する。
「エアリス!!」
静華から見ても、今のは避けきれないと確信する。




