二人の行動
静華とエアリスは廊下を走っていた。
もう、上流の貴族たちは避難が済んでいるのか、閑散としていた。
二人は、琉海のいる会場中央の舞台に向かっている。
何ができるかわからないけど力になれることがあるだろうと、静華は歩みを進めていると、エアリスが足を止めた。
静華も止まり、振り返る。
「エアリス、どうしたの?」
エアリスは壁を見つめていた。
だが、壁を見ているわけではなさそうだ。
それは雰囲気でしかなかったけど、エアリスは別の何かを視ているように感じた。
「どうしたの?」
エアリスにもう一度問いかける。
すると、エアリスは静華のほうに顔を向けた。
「シズカ、あっちはルイに任せて、私たちはこっちを追ったほうがいいかもしれないわ」
エアリスが指を差したのは、壁。
エアリスが言いたいのは、そっちに何かあるということなのだろう。
「何があるの?」
「わからないわ。けど、今を逃したら、見つけられなくなると思う。たぶん、この状況を生み出した元凶だと思うわ」
エアリスが真剣な表情でそう言う。
この状況の元凶。
つまり、ドラゴンを呼び出した者がいるということだ。
数舜で状況と取るべき行動を考え、答えを出す。
「わかったわ。私たちで追いましょう」
エアリスの言い方からして、琉海の元へ行き一緒にドラゴンを倒してからでは、遅いのだろう。
元凶を捕まえるまではいかなくても、足止めぐらいはする必要があるだろう。
「エアリス、案内をお願い」
「わかったわ。こっちよ」
エアリスが先頭を走り、静華がそのあとを追う。
しばらくして二人は会場の外に出た。
外は避難する人たちで混雑しており、道は人でごった返している。
「あそこから行くわ」
エアリスは建物の屋根の上に跳ぶ。
「そこから行くの?」
「ここぐらいしか道はないわ」
エアリスに言われ、静華は強化魔法を使って跳ぶ。
コロシアムの外壁を超えるのは、無理だが静華でも2、3メートルぐらいの跳躍ならできる。
「こっちよ」
エアリスの先導に従い、静華は屋根の上を駆けていく。




