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各々の行動

 ドラゴンが出現したとき、ティニアたちは個室にいた。

 琉海の勝利に盛り上がった矢先の出来事だったため、思考が一瞬停止した。

 爆発が起きた場所は対面の個室だったおかげで、被害はなかったが室内は大きく揺れ、出てきたのがドラゴンだとわかるとティニアたちは青ざめていた。

 この世界の住人ではない静華、人ではないエアリスはそうでもなかったが、危険を感じてはいた。


「なんでこんな場所にドラゴンがッ!?」


 ティニアの疑問に答えられる者はいない。

 ティニアも誰かに答えて欲しかったわけではないだろう。

 咆哮を放つドラゴン。

 ガラス張りの壁が声の圧力で振動して揺れる。


「ティニア様、ここは危険です。避難したほうがいいかと」


 アンジュがティニアをこの場から退避するよう促す。

 ティニアの視線はドラゴンから舞台の上に立つ琉海へと視線が流れる。

 ティニアも自分がここにいてやれることはないとわかっている。

 だが、好いている人をあの場所に置いて、自分だけ安全な場所に逃げることを心が納得してくれない。

 静華はティニアが琉海を見つめているのを察し、


「ティニア様、私とエアリスが琉海くんを助けに行くので、先に行っててください」


 琉海に向けていた視線を静華に変える。


「琉海くんなら大丈夫ですよ。強いですから」


 ジッと見つめ、ティニアは口を開いた。


「わかりました。お願いします。私は先に安全地帯を確保して、お母様とあれの対策を考えます」


 ティニアは毅然とそう言って最後に琉海へ視線を向けてから歩き出した。

 アンジュが先頭になり、ティニアの後ろをメイリが追う。

 三人は個室から出て行った。


「エアリス、私たちも行きましょう」


 ドラゴンを見つめているエアリスに静華は言う。


「ええ、私たちも行ったほうがいいかもしれないわね」


 エアリスはドラゴンへの視線を静華に戻し、二人も行動に出た。


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