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騒乱

 ドラゴンの姿を目撃し、会場内は一瞬の静寂に包まれた。


 しかし――


「GAURAAAA――!!!」


 ドラゴンの咆哮で観客や貴族たちは我に返り、悲鳴と共に駆け出した。

 どこもかしこも怒号と悲鳴で混乱状態だ。

 琉海の隣に立つグランゾアも苦虫を噛み潰した表情をしていた。

 咆哮だけで人を恐怖に陥れたドラゴンは、なぜか舞台に立つ琉海を睨んでいた。

 ドラゴンは他のことはどうでもいいのか、琉海のいる場所一点を見下ろしている。

 そして、ドラゴンが破壊した個室のあった場所から人影が三人飛び出してくる。

 俊敏な動きで舞台を囲むように三方向に陣取る者たち。

 その中に、知っている顔の男がいた。

 準々決勝で戦ったウルバ・ダズレイだ。

 ディバル公爵家の代表枠で出場していた男がなぜこんなところにいるのだろうか。

 琉海は三方に立つ男たちの表情を見た。

 皆、目は虚ろで表情が読み取れない。

 それでも、確実に読み取れるものがあった。

 空気中に滞留している自然力だ。

 辺りの自然力は川の流れのように三人に集まっているのがわかる。

 そこから推測できる答えは一つだった。


(こいつら、魔薬を使っているのか)


 だが、この会場内で一番自然力を取り込んでいるのは、あのドラゴンだった。

 激流の如く、三人の倍以上のスピードで吸い込んでいる。

 もうすでに許容量を超えていると思えるほど吸収している。

 それでも、取り込み続けるドラゴン。

 あの勢いで吸収し続けたら、どうなるのか琉海にはわからなかった。

 しかし、このまま放置しておくわけにもいかないだろう。

 琉海は両手を広げ、《創造》する。

 光の粒子が形を成し、剣を生成する。

 琉海は二振りの剣を生み出し、駆け出した。


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