第9話
お茶会から一月程経った。
魔法学院の食堂で、ある人物を見つけ駆け寄った。
「ジュニパー様! ジュニパー様も、今日は食堂利用されてたのですね!」
「そういう気分だったからよ」
「ご一緒させてもらっても?」
「私は、すぐ食べ終わるわ」
「えー、それだけしか食べないんですか?」
「あなたは、食べ過ぎよ」
私のお盆の丼物2つを見て、ジュニパーは呆れたように眉を寄せ、そのまま去っていった。
「それなら、僕と食べないか?」
そう言って現れたのは、ユエだった。
「ユエ様と食べたら、美味しさが半減しそうです」
「酷いな」
そう言いながら、私の前に綺麗な小箱を置いた。
「これを見てもらいたかったんだ」
小箱を開けてみると、綺麗な音色が流れ出した。
「わあ、凄い」
「魔法石の要領で、僕の音の魔法で教会で流してる曲を、そのままコピーして閉じ込めたんだ」
「教会の曲ですか……」
「嫌そうだな」
「でも、音の魔法って珍しいんですね」
「光魔法程ではないが、希少な方ではある。誰よりも、ありとあらゆる音を聞き取り、留めておける。その才能を認められ、司教の後継者に選ばれたんだ」
「へー、凄いですね」
(ジュニパー様、どこに行ったかな)
「君……、僕に興味ないだろ。君へのプレゼントだったんだが……」
「プレゼント……。プレゼントか!」
(ジュニパー様へのプレゼント、ありかもしれない!)
そう思い付くと、ミルラを捜しに食堂を出いく。
ユエは、取り残されたまま小さくため息をついた。




