表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/21

第8話

「だって、君とは一緒に来れなかっただろう?」

「だからといって、他の女性と来るなんてっ!」

「安心して下さい! 私の心の中心には、いつもジュニパー様がいらっしゃいます」

「あなたは、黙って!」


 ジュニパーにそう言われ、口をつぐむしかなかった。


「ザインルートもユエルートも潰して、ボーン殿下狙いなのかしら」


 ジュニパーは、ボソッと独り言を呟いた。何の話しか聞こうとしたが、先にボーンが前に出てしまった。


「礼儀作法に長けた君が、声を張り上げるなんて珍しいこともあるんだな」

「……っ。」


 ジュニパーは、皆の方に向き直り頭を下げる。


「皆様、お騒がせして大変申し訳ありませんでした。どうぞ、引き続きお楽しみ下さい」


 そう言って、会場から離れていってしまった。

 ボーンが、彼女を追いかけようかどうか迷って、まごついている。


「……殿下、ジュニパー様がいないと寂しいです」

「あっ、ああ。そうだよな。行ってくる」


 ボーンはやっとジュニパーを追い掛けた。


「ホノカ嬢が、あんなに美しい方なんて」

「ボーン殿下とお似合いでしたわ」

「ジュニパー様を差し置いて、殿下と二人で来るなんて、やりますわね」

「ですが、庶民出身ですよね?」

「あら、ですがホノカ嬢の所作、綺麗ですわ」

「ジュニパー様のあの顔見ました? 傑作ですわね」

「いつも偉そうですから、あれくらいのお灸は必要ですわ」

「ボーン殿下も、いい加減愛想が尽きるのではないかしら」


 平静を装って、お茶を飲む。

 自分のことを言われるより、ジュニパーを嘲笑う声の方がイライラした。だけど、こういうのは聞き流さないといけないと、ミルラに忠告されている。


 しばらく経って、ジュニパーは一人で戻ってきた。周囲の陰口が止まる。


「皆様、楽しんでいますか?」


 堂々と微笑む彼女は、本当に美しいと思った。


 楽しくないお茶会はお開きになり、帰りもボーンが送ってくれることになった。

 躊躇ってジュニパーを見ると、冷たく目を細めながらも、追い払うように顎をしゃくった。


 馬車の中、ボーンは尋ねてきた。


「ホノカ、君はジュニパーと仲が良いのかい?」

「はい! 親友(になる予定)です!」


 即座に答えると、ボーンは声をあげて笑った。


「ハハッ。そうか……。やっと……」

「はい?」

「いや、何でもない」


 暗くなってきた外を眺めながら、ボーンは呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ