第15話
舞踏会当日になった。学院で用意してもらったドレスとヘアメイクで、本格的だ。
壇上には、ジュニパーとボーンがいた。いつも以上に、輝いて見える二人だ。
一曲目が始まり、ジュニパーとボーンが踊り始めた。あまりの優雅さに周囲は見とれていた。
曲が終わる頃、ザインとユエの姿が見えたので、二人の視線から逃げるように、私は会場の隅へ移動した。
二曲目が始まり、皆、各々のパートナーと踊り出す。お茶会前のマナー練習の時に、ダンスの練習はミルラとしていた。だから、一応踊れるのだが、誰かと踊る気になれなかった。
楽しそうに踊る人々を、ボーッと眺めていた。
「お嬢さん、よろしければ私と踊りませんか?」
急に声を掛けられ、驚く。見ると、目元に仮面をつけた少年が、手を差し出していた。
「……ミルっ」
「しっ!」
ミルラは私の口を塞いだ。
「どうしたの、その仮面?」
「僕だって、バレたくないんだよ。ここには、学院以外の貴族も来てるからね」
「でも、仮面つけてまで来てくれたんだ」
「まあ、興味はあったから。それにしても、踊らないの?」
「ううん、踊りたい」
私は、ミルラにエスコートされ、ダンスに混ざった。一緒に練習してただけあって、やっぱり踊りやすい。
曲が終わった。
「もう一曲……」
「あのっ、ミルラ様? ミルラ様ですよね?」
見覚えのない令嬢が、ミルラの方を見ている。
「ごめん、僕は先に帰るわ」
ミルラは、令嬢を無視して、慌てて会場から出ていった。




