12/21
第12話
「あっ、いた! ミルラ、捜してたの!」
放課後、中庭に行くと、お目当てのミルラを発見した。
「今日中に会えて良かった!」
駆け寄ると、ミルラは微笑んだ。
「ジュニパーには、渡せたかい?」
「ええ! 手に傷薬塗ってもらっちゃった! もう、この手は洗えないわ」
「洗いなさい」
「それより、はい、これ」
制服のポケットからブローチを出し、ミルラに渡した。
ジュニパーに渡した、青い花モチーフと同じガラス細工のブローチだ。
ミルラはそれを見て、固まっている。
「どうして……僕に……?」
「ボーン殿下に聞いたけど、あなたもジュニパー様と同じ誕生日だったんでしょ。で、同じ花が好きと聞いたし。それに、いつも助けてもらってるから」
「……本当に、僕がもらっていいの?」
「もらって」
ミルラはやっと受け取り、すぐに胸元につけた。我ながら、ミルラに似合ってる物を作れたと思う。
「結構自分でも気に入ったから、自分用にも作っちゃった」
そう言って、自分用のブローチを見せた。ミルラのと並べると、自然と対になるように作ってある。
それを見て、ミルラは顔を赤くする。
「それ、人前で付けちゃ駄目だよ」
「えー!?」
ミルラは、その日はもう視線を合わせてくれなかった。




