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泣いても笑ってもこれにて決着

いよいよ3rdオーダーフェイズ。泣いても笑ってもここで勝負が決まるため、これが最後の読み合いとなる。


「よし、これで行く!」


熟考の末、使用するカードを選び終えた。


「カズさん、自信あるのかな?」


「無いね」


即答され、若葉が不思議そうな顔をしている。


「俺のプレイングに自信は無いが、ベストを尽くしたとは思ってる。だから勝っても負けても、結果に胸を張るさ」


「良い考えだね。それじゃあ、遠慮なく勝たせてもらうよ」


「そうはさせない。俺が勝つ!」


互いに気合十分のまま3rdアクションフェイズに移り、選択したカードがオープンされ、効果処理が始まった。



〇 〇 〇 〇 〇

■カズマ

爆撃少女(バーン・ガール)コンポ』

(キャラカード)

1:自分に200ダメージ、相手に200ダメージ。

2:自分に300ダメージ、相手に300ダメージ。

3:自分に400ダメージ、相手に400ダメージ。


■若葉

障壁強要(バリア・フォース)

(SPカード)

0:このターンを含めて4ターンの間、相手が受けるダメージを0にし、0にするたび自分を100回復。11ターン目までにこの効果で1000以上回復した場合、12ターン目に自分が受けるダメージを半減する。


回復給仕(ヒール・メイド)スティル』

(キャラカード)

1:自分を200回復。このターンSPカードを使用している場合、さらに300回復。

2:自分を300回復。このターンSPカードを使用している場合、さらに300回復。


DP(ダメージ・ポイント)

カズマ:500

若葉 :1200

〇 〇 〇 〇 〇



「チクショウ、やっぱSP(スペシャル)カードの使い方がうめえな」


「ありがたく受け取っておくね」


ベストとも言えるタイミングで発動されたSPカードにより、ランキング1位のプレイングを体感させられる。



SPカードは1ゲームの中で1枚だけ使用でき、使用するターンはSPカードと通常(ノーマル)カードを両方使用することになる。


1枚しか使えないため強力な効果が多い反面、そのプレイングは勝敗に大きく影響するというわけだ。



若葉が使用したSPカードにより、俺は自爆ダメージを受けなくなったため、その際に発動する追加ダメージも発生しなくなってしまった。


爆撃少女(バーン・ガール)デッキは自分にダメージを与える効果も多く、この一手でダメージを大きく減らされてしまったわけだ。



「いいや、まだだ。勝負は最後までわからない」


「そうだね。カズさんの逆転劇、楽しみにさせてもらうよ」



そして次のカードの効果処理が始まる。



〇 〇 〇 〇 〇

■カズマ

爆撃少女(バーン・ガール)キュバン』

(キャラカード)

1:相手に1500ダメージ。この効果は10ターン目以降でのみ適用できる。


■若葉

回復給仕(ヒール・メイド)ウェイ』

(キャラカード)

5:このターン自分が受けたダメージの半分を回復する。この効果で500以上回復した場合、さらに500回復。

6:5の効果で自分が回復していない場合、次のターンで1の効果処理後に自分を500回復。


DP(ダメージ・ポイント)

カズマ:500

若葉 :1600

〇 〇 〇 〇 〇



このターンもダメージを与えることはできているが、うまく攻撃を躱され最低限のダメージに留まっている。


プレイングが成功している若葉は余裕の表情だが、次が本命だ。その余裕を取っ払ってやるぜ!


次のターンに移り、俺の切り札の1枚が発動する。



〇 〇 〇 〇 〇

■カズマ

爆撃少女(バーン・ガール)アセットン』

(キャラカード)

1:自分に100ダメージ、相手に100ダメージ。この効果をターン数と同じ回数繰り返す。


■若葉

回復給仕(ヒール・メイド)レディース』

(キャラカード)

1:自分に100ダメージ、自分を100回復。この効果をターン数と同じ回数繰り返す。


DP(ダメージ・ポイント)

カズマ:500

若葉 :4900

〇 〇 〇 〇 〇



「おっと、これは痛いな」


そう言う若葉は僅かに焦りを見せた。


『ターン数と同じだけ繰り返す』効果は最終ターンである12ターン目に使用するのが定石だが、あえて11ターン目で発動させたのだ。


若葉のことだ、俺がこの選択をした意図はすでに察しているだろう。


つまりこのターンで大ダメージを与えつつも、ワンテンポずらすことで最終ターンに勝負をかける作戦ということだ。



若葉の表情から、多少は虚をつけたかと感じるものの、まだ油断はできない。


このターン、若葉は最終ターンに向けた準備をしているのだ。


若葉の発動したカードは、互いのDPに影響こそ無いものの、11回回復した(・・・・・・・)という事実が残る。


1ターン目に発動した『回復による増強(ヒーリング・マッスル)』により、若葉が最後に使用するカードのダメージは『DPを回復した回数×200増加』する。


若葉が9ターン目に発動した『障壁強要(バリア・フォース)』により俺の自爆ダメージ時も回復するため、このターンだけで22段階強化されたことになる。


ただ、俺が1ターン目に発動した『連続爆撃(シリアル・バーン・)領域(フィールド)』によって、若葉が自爆ダメージを負った場合でも追加ダメージが発生している。


にも関わらず自爆効果を使ってきたということは、最終ターンに一気に逆転するつもりなのだろう。


「これは派手な決着になりそうだな」


若葉も頷きながら、ついに最終ターンのカードが発動した。



〇 〇 〇 〇 〇

■カズマ

爆撃回復(バーン・ヒーリング)

(SPカード)

1:このゲーム中、自分が相手に与えたダメージの半分を回復する。


爆撃(バーン・)審判(ジャッジメント)

(スペルカード)

1:このゲーム中、相手のDPが回復した回数×400ダメージを相手に与える。この効果でダメージを与えられなかった場合、次のターンで1の効果処理後に相手に500ダメージ。


■若葉

回復給仕(ヒール・メイド)ヴィクトリアン』

(キャラカード)

5:このゲーム中、自分が回復した自分のDPと同じ値のダメージを相手に与える。このゲーム中、自分がこの効果以外で相手にダメージを与えていない場合、この効果は無効化されず、ダメージは減少されず、この効果で相手に与えたダメージの半分だけ自分を回復する。

〇 〇 〇 〇 〇



互いに1万を超える最大火力のぶつけ合いだ。


俺はモロに大ダメージを受けたが、SPカードで大きくリカバリできているはずだ。


一方の若葉も9ターン目に発動したSPカードにより、俺からのダメージを半減しているため致命傷は避けているようだ。


「さあ、どうだ……!?」


いよいよ最終的なDP(ダメージ・ポイント)の計算結果が表示される。



〇 〇 〇 〇 〇

DP(ダメージ・ポイント)

カズマ:11500

若葉 :7500


winner:若葉

〇 〇 〇 〇 〇



「……………………っ! 火力が足りなかったか……」


「やったね♪ 正直かなりギリギリだったよ」


若葉がこちらに手を差し出す。


「楽しかった。ありがとう、カズさん」


「こちらこそ。若葉と戦えて光栄だよ」


互いに固い握手を交わす。次は公式戦で戦いたいところだ。




「う〜ん、もうお腹いっぱいだよぉ〜」



……どこからか気の抜けた声がした。


2人で振り向くと、ベッドで寝ていた水希先輩が寝返りを打ちつつ、むにゃむにゃと寝言を言っている。



……そういえば、水希先輩の部屋だった。


俺と若葉は顔を見合わせると、どちらからともなく「ぷっ」と吹き出して笑っていた。

お読みいただきありがとうございます!


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