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6章 才能の差

「よし、魔力オドを供給するぞ。」


昼食を吐いたあと、師匠の回復ヒールで少しだけ気分がよくなり、再び『霊化』によって左胸に手を突き刺される。ちなみにさっき邪魔してきたリノはというと


「むぐー!ぐむむー!んんーーー!!」


師匠の魔法によって拘束されている。涙をボロボロと流しながら必死に拘束から逃れようとしている


「すまないが説明は後だ。心臓に到達したぞ。」

「おっ?おっおっおっおお〜〜!」

「気持ちの悪い声を出さないでくれ。」


心臓に魔力オドがそそがれ、左胸が暖かくなる。そしてその熱が心臓から全身に行き渡り、吐き気が一気に無くなった


「これで完了だ。」


師匠の手が引き抜かれ、二人で立ち上がる。口の中がまだ気持ち悪いが、先程より全身が楽だ


「一度家の中で口を洗ってくるといい。その間にリノ殿に説明をしておこう。」

「あぁ頼んだ。」


そうして家の中に入る前にリノの方を見ると、涙は既に止まっており俺の姿を驚愕の目で見ていた


まぁ外から見れば心臓を貫かれたのにぴょんぴょんしているので信じられないだろう

家の中に入り、うがいをしていると外からリノの叫び声と師匠の声が聞こえてくる。


「それにしてもとんでもないスキルだな…」


魔力オドが枯渇し、弱った体が嘘のように軽い。人の心臓に直接魔力(オド)を供給するなんてことは恐らく師匠のユニークスキルでなければ不可能だろう。


「もしかして今みたいに魔力オドを供給して一日中魔法の練習させられるのか?」


魔法の練習をし、魔力オドが枯渇すれば師匠から魔力供給され再び練習。これならば師匠の魔力が尽きるまで何度も魔法が練習できる。

そして師匠の魔力オドは俺とは比べ物にならないほどの容量であろう。一日中供給しても余裕があるかもしれない

これから行われるかもしれないスパルタ修行を考えていると、外から爆発音が響く


「なっ───────」


急いで庭へと飛び出すとリノと魔法陣を展開する師匠の姿があった


「何やってんだよ!?」

「あ、ジーン!魔法なんて面白そうなことやってるわね!私も混ぜてもらうわ!」

「はぁ?」

「そういうことだ。君だけでなくリノ殿にも魔道について教えようと思う。」


状況をイマイチ把握出来ず、師匠に詰め寄る


「リノにも教えるってどういうことだよ?あと今の爆発音は何なんだ?」

「事情を説明したら自分も魔法を使いたいと言い出してな。試しに火球ファイアーボールの魔法を教えると一発で巨大な火の玉を生み出し、私に放ってきた。」

「まさかその火球ファイアーボールによるものか?」

「その通りだ。教えられずとも魔力オドを連続で引き出し、威力を上げてきた。防御の魔術で防いだが威力だけなら中級魔法に匹敵するだろうな。前にも言っただろう?才能だけならリノ殿とギルが素晴らしいとな。」


才能


それだけでリノは俺が苦労している魔力操作をいとも容易く行ってみせた。自身の無能を改めて実感し、顔をしかめる


「そんな顔をするな。才能なんてものの数ではない。ジーンには死ぬ気で努力をしてもらう。この私のようにな。」


胸を張り話す師匠。才能の無い俺は師匠を信じて努力を重ねるしかないのだろう


「…分かった。修行の続きを頼む。」

「もちろんだ。リノ殿、それでは修行の続きを行う。」

「はーい。」


リノが髪を揺らしながら俺の隣に走ってくる


「よろしくお願いします旅人さん。頑張ろうね!ジーン。」

「あぁ。言っておくがリノ、お前には負けないからな。」

「うん!私も負けないよ!」


笑顔で応えるリノ


「それでは修行の続きだ。ジーンは先程と同じく魔力(オド)を連続で引き出す練習。リノ殿は引き出しすぎないように調節する練習だ。」


こうして弟子が一人増え、三人での修行が始まった

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