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5章 心臓に悪い

弟子になり二日目。昼に師匠が訪れて来て修行が始まる


「昨日の復習だ。火球ファイアーボールを唱えてみろ。」

「『火球ファイアーボール』」


心臓から魔力(オド)を引き出し左手に集中、詠唱を終え手のひらに拳ほどの火の玉を生み出す


「む?昨日より少し早くなっているな。」

「昼前に少し練習したからな。」

「それは感心なことだ。だが魔力(オド)は有限だ。枯渇して倒れるなんてことにならないようにしろよ。」


少しでも早く魔法をマスターしようと思ったがそう甘くはなさそうだ。俺は火の玉を誰もいない空間に放ち、師匠の指示を待つ


「では昨日の最後に教えた出力を上げる練習だ。魔力操作の適正がない分、何度も練習するのみだ。」

「分かってる。」


意識を集中し、もう一度心臓から魔力(オド)を引き出す。左手に移したまま維持し、さらに魔力(オド)を引き出そうと集中する。しかし昨日と同じように中々引き出せず、左手に集めた魔力が霧散する


「───ちっ、また魔力が霧散しちまった。」

「慌てるな。もう一度だ。技術は私がどうにかするが基礎は地道に身につけてもらうしかない。」


ほれ続きだ──と促され再び意識を集中する


だが一回目と同じように失敗を繰り返し、六度目にしてようやく追加の魔力(オド)を引き出すことに成功する


「……なんか一度目の魔力(オド)よりしょぼくないか?」

「引き出せたとは言えど量は一度目に劣っているようだな。気にするな。そのまま左手に移し、魔力オド同士を合わせるんだ。」


引き出した微量の魔力(オド)を移動させる。だがこれも中々難しく、ゆっくりとしか動かせない。初めて火球ファイアーボールを唱えた時と同じくらいの時間をかけようやく左手に移しきった。合わさった魔力(オド)によって左手の熱が少し熱くなる


「よし、あとはいつも通り火の玉を想像し詠唱するだけだ。」

「『火球ファイアーボール』」


詠唱を唱え、再び火の玉を顕現させる。微量とはいえ魔力を追加した影響か先ほどより少しだけ大きいようだ


「先ほどより魔力を追加した分だけ出力が上がりサイズが大きくなっているだろう?同じ魔法でも込める魔力の量によって威力は変わる。」

「二度ではなく三度四度と回数を上げて威力を上げていくんだな。」

「あぁ。使う魔力の量が多ければより上位の魔法を扱うことができるようになる。より複雑な想像を現実に発現できるようになるわけだからな。こんな風にな『獄炎インフェルノ』」


手を空に向けた師匠が詠唱を唱えるとその手のひらから巨大な炎の渦が巻き起こる


「熱っ!」


俺の火球(ファイアーボール)と比べられないほどの熱を放つ渦に思わず距離をとる


「ハッハッハ!凄いだろう!?これよりも上位の魔法を使えるようになってもらう!」


炎の渦を瞬く間に消し去り手をパンパンと払う師匠


「もちろん存在進化(レベルアップ)を重ねてそれに耐える体にもなってもらう。」


俺が取った距離を一瞬で詰め、肩に手を置く


「さぁ修行の続きだ。」


───────────────────────


「『火球ファイアーボール』!」


魔力操作の練習を何度も行い、ついに拳三つ分ほどの大きさの火球ファイアーボールを作り出すことに成功した


「二度目の魔力(オド)も一度目と同じ量を引き出せるようになったな。今後は引き出しの間隔を短く、回数を増やしていく。」

「あぁ。─────っつ!?」


いつも通り火球(ファイアーボール)を空に放つと軽い吐き気に襲われ蹲る


「どうやら魔力(オド)が枯渇したようだな。初級魔法とはいえ、何度も放てば魔力(オド)は減るし、出力を上げれば一層なくなる。」

「それより手を貸して欲しいのだが…」

「あぁそれなら───」


師匠が近づき、俺の肩でも支えるかと思えば左胸に手を突き刺した


「なっ──!何しやが──」

「落ち着け、痛みはないだろう。」


動揺する俺の言葉を遮り師匠が話す


「私のユニークスキル『霊化』だ。体の実体を無くし、特殊な魔力の塊にする。今この手は物の実体ではなくその中の魂や魔力に干渉することができる。」


何やら凄いスキルのようだが胸を刺されている驚きと吐き気で内容が頭に入ってこない

そんな俺を無視し、手をゆっくりとより深く刺していく師匠


「このまま心臓に私の魔力(オド)を供給する。なに、山で気絶していた時もやったことだ。そう驚くな。」


そう言い更に手を突き刺していく。ついに心臓部に達しようかとしたその時、家の方から人影が走り寄ってきた


「何やってるの!?ジーン!ジーン!生きてる!?しっかりして!」


人影の正体は幼馴染(リノ)だった。俺を師匠から引き離し、胸から師匠の手が抜けていった。そのまま俺の肩を持ち揺さぶり続ける。やめてくれ。吐き気がする状態で揺さぶられたら──


「待て…リノ…大丈夫だから…うぷっ…」

「死なないでー!ジーン〜!お願いだから〜!」


大粒の涙をこぼしながらワンワンと叫び続けるリノ。

生きてるから。生きてるから揺さぶるのをやめてくれ。このままだとリノに昼食をぶちまけることになってしまう

それだけは防ぐべく、リノの手を掴もうとするが先に限界が来てしまう


「──あっ」


ぶちまける刹那、師匠が目にも止まらぬ速さで俺をリノから攫い、別方向に頭を向けさせてくれた


そして俺はなんとかリノではなく庭にぶちまけることに成功した


どうやら師匠に大きな借りがもう一つできてしまったようだ

リアルが忙しく、週末であったにも関わらず短めの1話しか投稿出来ませんでした。ちょくちょく取れた時間の間に投稿済の話を少し改稿しました。おもに登場人物の容姿に関わるものですので特に気にしなくても大丈夫です

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