第三話 教会騎士団との遭遇
本日2話目の投稿です。(内心ストック大丈夫かなという一抹の不安が頭をよぎりますが)
書き方を色々模索中です。地の文をある程度まとめてみました。
夜の森を白銀の光が包み込んでいた。
教会騎士団の面々は思わず足を止める。先ほどまでただの白猫だったはずのフェリスから、とてつもない魔力が溢れ出していたからだ。
隊長格の男が顔を強張らせる。
「な、何だ、この魔力は……」
レオンも同じ気持ちだった。隣にいるフェリスから放たれる力は、まるで嵐の中心に立っているような圧迫感がある。だが不思議なことに恐怖は感じない。むしろ暖かい。守られているような感覚だった。
「フェリス……」
「ご安心ください」
白猫は静かに答えた。
「レオン様に危害は加えさせません」
騎士たちがざわつく。
猫が喋った。しかも人間の言葉で。
隊長はすぐに剣を抜いた。
「神獣だと……!?」
「そんな馬鹿な!」
フェリスの金色の瞳が細くなる。
「神獣という呼び名は嫌いではありませんが、正確ではありませんね」
「私は神猫です」
「七神猫が一柱、白銀神猫フェリス」
その瞬間だった。
騎士たちの顔色が変わる。知らない者もいる。だが隊長だけは違った。血の気が引いていた。
「七神猫……だと?」
「まさか実在していたのか……」
フェリスは答えない。ただ静かにレオンの前へ立つ。
隊長は慌てて叫んだ。
「ひるむな!」
「相手が何であろうと命令は命令だ!」
「猫使いを確保しろ!」
十人以上の騎士たちが一斉に突撃する。
レオンの顔が青ざめた。こんな人数と戦えるわけがない。
だがフェリスは微動だにしなかった。
「愚かですね」
その声と同時に、フェリスの尻尾が一度だけ揺れる。
――ゴォォォォォン!!
森全体を震わせる衝撃波が発生した。
突撃していた騎士たちは全員吹き飛ばされる。木々に叩きつけられ、地面を転がり、悲鳴を上げる。
剣も魔法も関係なかった。
たった一度、尻尾を振っただけ。それだけで戦闘が終わったのだ。
レオンは口を開けたまま固まる。
「え?」
「終わりです」
「終わりって……」
「はい終わりです」
フェリスは当然のように言った。
「私は七神猫ですので」
その説明は全く説明になっていなかった。
騎士たちは立ち上がれない。だが隊長だけは必死に剣を握っていた。
「ば、化け物め……」
フェリスの目が冷たくなる。先ほどまでの穏やかな雰囲気が消えていた。
レオンは初めて理解する。この存在は優しい。しかし同時に、とてつもなく恐ろしい。三千年を生きた神話の存在なのだ。
「人間」
フェリスが隊長へ近づく。
「一つ聞きます」
「な、何だ……」
「なぜ猫使いを追うのです?」
隊長は唇を噛んだ。
答えない。
だがフェリスは構わず続ける。
「誰の命令ですか」
「教皇か」
隊長の肩が震えた。図星だったらしい。
「やはり」
フェリスが小さく呟く。
「三千年経っても変わらないのですね」
レオンは思わず尋ねた。
「フェリス」
「教会は何で僕を狙うんだ?」
フェリスは少し黙った。答えるべきか迷っているようだった。
「今はまだ話せません」
「ですが一つだけ」
その時、フェリスの表情が真剣になる。
「猫使いは世界に一人しか存在できません」
「え?」
「そして前回の猫使いが現れたのは千五百年前です」
レオンは息を呑んだ。そんな昔の話なのか。
「つまり」
「レオン様は千五百年ぶりの猫使いです」
夜風が吹く。
どこか現実感がない。昼間まで自分はただの村人だった。笑われて、見下されて、未来なんてないと思っていた。
それが今では神話の存在と話している。しかも自分が伝説職だと言われている。
「信じられないよ……」
レオンは正直に言った。
フェリスは少しだけ笑った。
「当然です」
「私も最初は信じられませんでした」
「え?」
「猫王候補がこんなに普通の少年だとは思いませんでしたので」
「ひどくない!?」
フェリスは珍しく楽しそうに喉を鳴らした。まるで本当に猫のようだった。
その時、フェリスの耳が動く。
表情が変わる。
「まずいですね」
「どうした?」
「ここにいてはいけません」
フェリスは空を見上げた。月明かりの向こう、何かを感じ取っているらしい。
「もっと厄介な者たちが動き始めました」
「厄介な者?」
「猫使いの復活を知れば、世界中が動きます」
レオンは嫌な予感しかしなかった。
「もしかして追われるの?」
「はい」
フェリスは即答した。
「かなり」
「かなりって?」
「国が動く程度には」
レオンは頭を抱えた。村を追放されたと思ったら、今度は国に追われるらしい。人生が急展開すぎる。
そんなレオンを見て、フェリスは真面目な顔で言った。
「ですが安心してください」
「私がいます」
白猫の瞳が月光を反射する。どこか誇らしげだった。
「あなたは一人ではありません」
「レオン様」
「これより我々は、失われた七神猫を探す旅に出ます」
「七神猫……」
「はい」
フェリスは静かに頷く。
「世界の真実を取り戻すために」
その言葉と同時に、遥か遠くの空で青白い光が一瞬だけ輝いた。まるで誰かが呼びかけているように。
フェリスはその光を見つめる。
「見つけました」
「最初の仲間です」
レオンはまだ知らない。
この旅が世界の運命を変えることになることを。
そして七神猫の一柱との出会いが、すぐそこまで迫っていることを。
閲覧ありがとうございました。
ところでやはり猫様の素晴らしいところといえば、人間と同じように10匹いたらその分の種類、柄、毛足の長さ、性格、目の色、しっぽの形それら全てが同じ猫は居ない。そう、まさに宝。やはり猫様は世界の至宝と言っても過言ではありませんね。(猫好きの世迷言です。聞き流してください)




