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神獣使いではなく猫使いです  作者: 猫屋敷 春人
第一章 始まりの猫使い
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第三話 教会騎士団との遭遇

本日2話目の投稿です。(内心ストック大丈夫かなという一抹の不安が頭をよぎりますが)

書き方を色々模索中です。地の文をある程度まとめてみました。

夜の森を白銀の光が包み込んでいた。


教会騎士団の面々は思わず足を止める。先ほどまでただの白猫だったはずのフェリスから、とてつもない魔力が溢れ出していたからだ。


隊長格の男が顔を強張らせる。


「な、何だ、この魔力は……」


レオンも同じ気持ちだった。隣にいるフェリスから放たれる力は、まるで嵐の中心に立っているような圧迫感がある。だが不思議なことに恐怖は感じない。むしろ暖かい。守られているような感覚だった。


「フェリス……」


「ご安心ください」


白猫は静かに答えた。


「レオン様に危害は加えさせません」


騎士たちがざわつく。


猫が喋った。しかも人間の言葉で。


隊長はすぐに剣を抜いた。


「神獣だと……!?」


「そんな馬鹿な!」


フェリスの金色の瞳が細くなる。


「神獣という呼び名は嫌いではありませんが、正確ではありませんね」


「私は神猫です」


「七神猫が一柱、白銀神猫フェリス」


その瞬間だった。


騎士たちの顔色が変わる。知らない者もいる。だが隊長だけは違った。血の気が引いていた。


「七神猫……だと?」


「まさか実在していたのか……」


フェリスは答えない。ただ静かにレオンの前へ立つ。


隊長は慌てて叫んだ。


「ひるむな!」


「相手が何であろうと命令は命令だ!」


「猫使いを確保しろ!」


十人以上の騎士たちが一斉に突撃する。


レオンの顔が青ざめた。こんな人数と戦えるわけがない。


だがフェリスは微動だにしなかった。


「愚かですね」


その声と同時に、フェリスの尻尾が一度だけ揺れる。


――ゴォォォォォン!!


森全体を震わせる衝撃波が発生した。


突撃していた騎士たちは全員吹き飛ばされる。木々に叩きつけられ、地面を転がり、悲鳴を上げる。


剣も魔法も関係なかった。


たった一度、尻尾を振っただけ。それだけで戦闘が終わったのだ。


レオンは口を開けたまま固まる。


「え?」


「終わりです」


「終わりって……」


「はい終わりです」


フェリスは当然のように言った。


「私は七神猫ですので」


その説明は全く説明になっていなかった。


騎士たちは立ち上がれない。だが隊長だけは必死に剣を握っていた。


「ば、化け物め……」


フェリスの目が冷たくなる。先ほどまでの穏やかな雰囲気が消えていた。


レオンは初めて理解する。この存在は優しい。しかし同時に、とてつもなく恐ろしい。三千年を生きた神話の存在なのだ。


「人間」


フェリスが隊長へ近づく。


「一つ聞きます」


「な、何だ……」


「なぜ猫使いを追うのです?」


隊長は唇を噛んだ。


答えない。


だがフェリスは構わず続ける。


「誰の命令ですか」


「教皇か」


隊長の肩が震えた。図星だったらしい。


「やはり」


フェリスが小さく呟く。


「三千年経っても変わらないのですね」


レオンは思わず尋ねた。


「フェリス」


「教会は何で僕を狙うんだ?」


フェリスは少し黙った。答えるべきか迷っているようだった。


「今はまだ話せません」


「ですが一つだけ」


その時、フェリスの表情が真剣になる。


「猫使いは世界に一人しか存在できません」


「え?」


「そして前回の猫使いが現れたのは千五百年前です」


レオンは息を呑んだ。そんな昔の話なのか。


「つまり」


「レオン様は千五百年ぶりの猫使いです」


夜風が吹く。


どこか現実感がない。昼間まで自分はただの村人だった。笑われて、見下されて、未来なんてないと思っていた。


それが今では神話の存在と話している。しかも自分が伝説職だと言われている。


「信じられないよ……」


レオンは正直に言った。


フェリスは少しだけ笑った。


「当然です」


「私も最初は信じられませんでした」


「え?」


「猫王候補がこんなに普通の少年だとは思いませんでしたので」


「ひどくない!?」


フェリスは珍しく楽しそうに喉を鳴らした。まるで本当に猫のようだった。


その時、フェリスの耳が動く。


表情が変わる。


「まずいですね」


「どうした?」


「ここにいてはいけません」


フェリスは空を見上げた。月明かりの向こう、何かを感じ取っているらしい。


「もっと厄介な者たちが動き始めました」


「厄介な者?」


「猫使いの復活を知れば、世界中が動きます」


レオンは嫌な予感しかしなかった。


「もしかして追われるの?」


「はい」


フェリスは即答した。


「かなり」


「かなりって?」


「国が動く程度には」


レオンは頭を抱えた。村を追放されたと思ったら、今度は国に追われるらしい。人生が急展開すぎる。


そんなレオンを見て、フェリスは真面目な顔で言った。


「ですが安心してください」


「私がいます」


白猫の瞳が月光を反射する。どこか誇らしげだった。


「あなたは一人ではありません」


「レオン様」


「これより我々は、失われた七神猫を探す旅に出ます」


「七神猫……」


「はい」


フェリスは静かに頷く。


「世界の真実を取り戻すために」


その言葉と同時に、遥か遠くの空で青白い光が一瞬だけ輝いた。まるで誰かが呼びかけているように。


フェリスはその光を見つめる。


「見つけました」


「最初の仲間です」


レオンはまだ知らない。


この旅が世界の運命を変えることになることを。


そして七神猫の一柱との出会いが、すぐそこまで迫っていることを。

閲覧ありがとうございました。

ところでやはり猫様の素晴らしいところといえば、人間と同じように10匹いたらその分の種類、柄、毛足の長さ、性格、目の色、しっぽの形それら全てが同じ猫は居ない。そう、まさに宝。やはり猫様は世界の至宝と言っても過言ではありませんね。(猫好きの世迷言です。聞き流してください)

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