第十二話 猫王の覚醒
書き方が安定しませんなぁ。後々修正するかもです。
王都を包む光はさらに強くなっていた。
フェリス、クロ、ライ、アカネ。四柱の神猫から溢れ出す魔力がレオンへ流れ込み、その身体を白銀の光が包み込む。
「何だこれは……」
レオンは自分の手を見る。
身体が軽い。視界が広い。そして不思議なことに、世界の全てが鮮明に見えていた。
風の流れ。
人々の鼓動。
神猫たちの魔力。
今まで感じられなかったものが自然と理解できる。
「成功したのか?」
アルトが呟く。
フェリスは静かに頷いた。
「はい」
「猫王の力が目覚め始めています」
その言葉と同時に、黒竜が咆哮した。
空気が震え、巨大な翼が羽ばたく。黒い嵐が王都へ襲い掛かり、兵士たちは吹き飛ばされ、城壁が軋んだ。
だがレオンには見えていた。
嵐の流れ。
魔力の動き。
そして攻撃が向かう先まで。
「右だ!」
レオンは反射的に叫ぶ。
次の瞬間、ライが飛び出した。
雷が炸裂し、轟音と共に黒い嵐が弾け飛ぶ。
王都の人々から歓声が上がった。
「今のは……」
レオン自身が一番驚いていた。
考える前に分かった。まるで未来を見たように。
クロが目を細める。
「未来視ではないな」
「魔力の流れを読んだか」
アルトも感心したように笑った。
「なるほど」
「前の猫王と同じだ」
レオンは聞き返す。
「前の猫王も?」
「ああ」
アルトは黒竜を見上げた。
「戦場全体を見通していた」
「誰よりも早くな」
その時だった。
黒竜の瞳がレオンを捉える。
真紅の瞳には明確な敵意が宿っていた。まるで猫使いを知っているかのように。
黒竜が口を開く。
膨大な闇の魔力が集まり始めた。
「まずい!」
フェリスが叫ぶ。
「ブレスです!」
先ほど王都を消し飛ばした攻撃が再び放たれようとしていた。
兵士たちの顔が絶望に染まる。
避けられない。
防げない。
そう思った瞬間だった。
レオンの中で何かが弾ける。
膨大な光が溢れ出し、四柱の神猫の魔力が一つに繋がった。
そして――
頭の中に声が響く。
『命じてください』
フェリスだった。
『我らは貴方の力です』
クロの声も聞こえる。
『迷うな』
ライが笑う。
『やっちまえ!』
アカネはいつも通りだった。
『燃えてきた!』
レオンは思わず笑った。
不思議だった。
恐怖が消えている。
一人ではない。
皆がいる。
だから――
「フェリス!」
「はい!」
「守ってくれ!」
白銀の光が爆発する。
フェリスが空へ飛び上がり、その身体から巨大な光の結界が広がった。
直後。
黒竜のブレスが放たれる。
ゴォォォォォォォォォォッ!!
闇と光が衝突し、世界が揺れた。
兵士たちは目を開けられない。
王都全体が震える。
だが結界は砕けなかった。
フェリスの力。
そしてレオンの力。
二つが重なり合っている。
「防いだ……」
ミアが呆然と呟く。
国王ですら言葉を失っていた。
アルトだけが静かに笑う。
「やはりそうか」
「お前は本物だ」
その時だった。
黒竜が初めて苦しそうな声を上げる。
レオンは気付いた。
黒竜の胸。
漆黒の鱗の奥。
そこに何かがある。
赤黒い結晶。
異様な魔力。
そして――
助けを求めるような声。
「え?」
レオンは目を見開いた。
今、聞こえた。
黒竜の心の声が。
悲鳴のような叫びが。
『助けて』
誰にも聞こえないはずの声。
だがレオンには聞こえた。
「違う……」
レオンは呟く。
「この竜は敵じゃない」
全員が振り返る。
フェリスも驚いていた。
「レオン様?」
レオンは確信していた。
黒竜は暴れているのではない。
何かに苦しめられている。
操られているのだ。
黒竜が再び咆哮する。
だが先ほどとは違う。
そこには怒りではなく苦痛が混じっていた。
アルトの表情が変わる。
「気付いたのか」
低い声だった。
「何に?」
レオンが聞く。
アルトは黒竜を見上げ、静かに告げた。
「それが千五百年前の戦いの始まりだ」
王都に緊張が走る。
黒竜の胸で赤黒い結晶が脈打つ。
まるで生きているかのように。
そしてレオンは知らなかった。
その結晶こそが、世界を滅ぼしかけた災厄の正体であることを――。
閲覧ありがとうございます。
なんだかんだPVも300を超え少しでも見てもらえてると思うととてもうれしいです。
今回は珍しく世迷言無しでただただ皆様に感謝を。




