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識き目  作者: 篁美都貴
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4/10

【4】

今までの経緯をまとめてみようの回。

週末は識き目と情報を整理するのに時間を費やした。

これまでに分かっている事をまとめるとこうだ。


現在までに10人の被害者が出ている連続失踪事件。

共通点はいくつかある。まず、小学生である事。被害者の性別に特別偏りがない事。いなくなる時と見つかる時に折り鶴が発見される事。見つかるまでの期間は8日から12日ぐらいで、人気のある場所に近い所で見つかっている事。


あとは被害者が囚われていたという場所が共通しており、とても奇妙な場所だという事※健次郎情報、未公表。

証言によると、明るく暖かい場所で一人きりなのに近くに誰かがいる気配を感じた。話し声や物音は一切せず姿も見えないのに、不思議と怖くもないし居心地も悪くは無かった。お腹が空いたり眠くなったりする時には気付かない内に部屋の中に用意がされており、気付くと片付けられていた。ドアや窓はなく一面が壁だったが息苦しさもなかった。


「確かに、君が言っている事がわかるな」

もっと気楽でいいよぉ~と言ってくる識き目はすっかり自室のように寛いでいる。

「…じゃあ、まぁ。…えっと、識き目が言っていた自分に近い存在が関わっているかもしれないってのは当たっているかもな」

「だよね。智もそう思うでしょ」

「あぁ。ここまで行動しても気付かれないっていうのは、ちょっと普通じゃない」

「子供たちが認識や記憶を操作されている可能性は高いと思う。薬を飲まされたりして意識をなくしていてもここまで姿を隠す事は難しいと思うしね」

「そうだな。それでどうやって調べるんだ。子供たちが発見された場所へ行ってみるか?」

「行ってみたいけど……。それよりも、何でこんな事してるのかが気になる」

「確かに」

そう。正直目的が分からない。

子供たちに危害を加えず一定期間監禁して帰す。どの被害者も怪我を負わされたりしていないし、健康状態も問題はない。その部分に気味の悪さがあるんだよな。


「識き目もまるで見当つかないのか?」

「つかない」

「妖怪ってなると、俺的には何かの儀式とかが真っ先に浮かぶんだけどな」

「監禁して何にもしないで帰す儀式?」

「ま、謎だよな。ただ記憶はないけど操作されて覚えてないって可能性はあるだろ」

「それは…ある。あるね」

「子供っていうのも意味がありそうだ。今までの被害者は全員小学生だろ。7歳、いや6歳から12歳までか。その年頃の子供じゃないと駄目な理由があるんだろうな」

「う〜ん。確かに大人じゃ駄目で子供じゃないといけないって理由があるのかも……」


さすがにこれだけの情報じゃこれ以上はまとまらないか…。

「週末なら時間作れそうだから、子供たちが見つかった場所に一度行ってみないか?結構近いなって思った子が1人か2人いたと思うんだよな」

「行く」

「よし、じゃあ今日は終わりな。識き目はどうする?家とかあるのか?」

「ない」

「ないのかぁ。じゃあ、どうしてんだ普段は」

「眠たいなと思ったら寝る。起きたい時に起きる」

「それは…。どこでそうやって過ごしているんだ?」

「そこら辺」

不思議そうな顔をしているな、おい。俺は困惑しているんだが。

「今は特にどこにいるって決めてない。わかりやすくいうと、こういう風に姿を固定していない時は漂ってるって感じかな。ここのモニターに日付をのせた時も漂ってたよ」

人差し指で指しながら、ここら辺と教えてくれる。ちょうど俺が座っている真向いのテレビの上の方だ。そっか、テレビの右上に日付がぼうっと浮き上がってきた時もそこから認識を変えていたって事か。……漂いながら?考えるとちょっと笑えるな。テレビの右上をふわふわ漂っている識き目。

「…あ、いやなら外にいるよ。いつもはそうしてるし」

「あ、あぁ。いや別に構わない」

俺が突然黙ったので気分を害したと思ったのだろう。少しばつの悪そうな顔をしている。

「いつも通り過ごしてくれていいよ。いてもいいし、外の方がいい時はそうすればいいしさ」

「わかった、ありがとう」

じゃ、と声が聞こえたと同時に識き目の姿がポワンと透明になって消えた。

「…急だな」

あ、そういや決めてなかったけど、

「発見場所に行くときは声掛けるけど、それで大丈夫か?」

テレビのモニターの右上に『りょうかい』と出てきた。


ここまでご覧頂きありがとう御座います。

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