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転生悪役令嬢はヒロインの影になりたい  作者: 大蛇山たんと


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98/103

王子と次期王女候補護衛任務、開始

「いよいよ……ね。」

「お嬢様、準備は出来ましたか?」

「ええ。これから数日は貴女の手を借りれないし、これから騎士として遠征なんかも増えたらこうやって部屋を空ける事も増えるでしょうから、しっかり準備しているわよ。それじゃあ、私が留守の間、頼むわね。」

「ええ、わかりました。まあ、他の家の使用人の方々と話でもしながらゆっくりと待ちますよ。掃除や食事の準備はしっかりとしておきますので、お嬢様はちゃんと任務をこなして無事帰ってきてくださいね。」

「ふふ……ええ、もちろんよ。私は、こんな所で躓いているわけにはいかないもの。それじゃあ、言ってくるわ。」

「ええ、お気をつけて、行ってらっしゃいませ。」


早朝、私はこうして学園の寮を出た。

準備はしっかりと2,3日前には済ませていたが、それでも前日にしっかりと確認までして、リストもばっちりだったので大丈夫な筈だ。

一応フレリスも確認してくれたので尚更大丈夫だろう。

普段は学園の事や騎士見習いとしての事はなるべくフレリスには頼らず自分でやるようにしているのだが、今回は任務の重要性が今までの任務とは段違いだったのでフレリスも確認してくれたのだ。

あまり顔には出さなかったが、もしかしたら、フレリスも不安というか心配な部分はあったのかもしれない。

私にとって家族のような、姉のような存在のフレリスだが、フレリスもそう思ってくれているのだろう。

それが嬉しいし、有難かった。

少し、気恥ずかしいが。

それに、フレリスはこうも言っていた。


「貴女は一応オスクリダ家の貴族令嬢なのです、メイドの私がこれから主人になる方の手伝いをしなくてどうするのですか。」、と。


普段からフレリスには日々の生活の事で沢山世話になっていると思っていたのだが、それだけではなく騎士であり貴族である存在として、これからもっと忙しくなったり大変になるだろうから今の内から自分に頼れるようになれ、と言いたいのだろう。

なら、こちらとしても遠慮する必要は無い。

フレリスの手を借りて、もっと鍛錬して、もっと勉強して、もっと活躍して。

騎士としても貴族としても、せめてフレリスや使用人の人達は安心して暮らせるようにしたい。

フレリスは特にだが、オスクリダ家の他の使用人達も大体の人達は私に良くしてくれたのだ。

例えオスクリダ家が原作のマルニの運命の通り破滅する運命だとしても、せめて良くしてくれた人達は守りたい。

そういう意味でも騎士という道は私にとっては、ある意味手に職を就けるようなものでもあるのかもしれない。

その為にも……。

(今回の任務、やれるだけやらなきゃ……!)

私はそう決意を固めて、歩いていくのであった。


「あ、ご機嫌よう……って今日は違いましたわ、おはようございます、マルニ様!」

「おはよう、ティエラ。貴女が一番だったのね。」

「もちろんですわ!なんたってベルナ様の護衛任務という大任ですもの!」

「本当にベルナが好きね、貴女は。」


王城に着いて、先に着いていたティエラと話しながら準備をする。

どうやらウルティハとエスセナはまだらしく、私が二番目に着いたようだ。

一番に着いて一人で準備、というのも緊張するから、話し相手になる人が居たのは有難い。

それに同じ騎士志望のティエラなら大体やる準備は変わらない。

私は準備をしながら話しかける。


「今回の任務、護衛もだけど、私達がエスコートの手伝いもするわけだけど……基本的に、一番やるのはティエラになるでしょうね。」

「当然ですわ!だってベルナ様の事ですもの!アタクシがベルナ様を守りながら案内して、リジャール王子様とベルナ様が無事結ばれるお手伝いをしなければいけませんもの!だからアタクシ、回るルートの花や絶景ポイントなどはばっちり暗記してきましたわ!」

「あら、もしかして学園の授業より気持ちが入っているんじゃないかしら?」

「もちのろんですわ、当っ然ですわ!!アタクシ自慢ではないですが、いつも筆記では補修ぎっりぎりの点数ですもの!!でもベルナ様の為なら学園での勉強より努力しますわ!!!おーっほっほっほっほ!!!」

「……いや、そこはちゃんと勉強をやりなさい……勉強でベルナに心配をかけたら意味がないでしょうに……。」


私が呆れていると、扉が開いた音が聞こえた。


「よお……おはよ……ふわあ……。」

「あら、おはよう。眠そうねウルティ。」

「ティハはいつも夜中まで研究しているから朝弱いからねえ。やあ、皆、おはよう!」

「エッセもおはようね。」

「ウルティハ様、エスセナ様、おはようございます!!」

「朝から元気だな……はよ……ふわあ……。」


とても眠そうなウルティハと、前世で撮影とかもあった影響からか朝でもいつも通りなエスセナの二人が入ってきた。

これで四人、全員集まった。

後はそれぞれの準備をして、それが出来たら騎士団と合流して、時間が来たら花見遊覧デートの護衛任務の開始だ。


「よし……頑張らなきゃ。……ソルス、フレリス、無事に終わらせるから、待っていてね。」


私はソルスとフレリスの顔を思い浮かべて、そう小さく呟く。

無事に終わらせる……。

そうすれば、来年ソルスが入ってくるときには、きっと上手く事が運ぶ筈だ。

私はパンッ、と、自分の頬を軽く叩いて自分に気合を入れる。

改めて、自分はやり切ってみせると決意した。



「さて、そろそろ時間です。マルニーニャ嬢、ウルティハ嬢、エスセナ嬢、ティエラ嬢。四名とも、心身共に準備はよろしいですか?」

「「「「はい!」」」」


準備を終えて、予定の時間になると私達は騎士の人達に色々聞いたりしながら、カサドール騎士団長と会う。

魔物討伐の時は私とティエラが両前衛で、ウルティハ、エスセナが中、後衛だが、今回は護衛任務という事で馬車付近をティエラ、そこから距離を少し離してウルティハ、エスセナ、そしてその両方を守る外側の前衛が私という形を基本にして、ティエラと私、ウルティハとエスセナがポジションをスイッチしていくという段取りだ。

つまり、私はウルティハとエスセナも守りながら外を警戒する役目になる。

そして、四人の中で一番リジャール王子とベルナからも離れた位置になる。

二人のデートを観察して、何かをしなければならない……となると一番難しい位置だ。

どうしたものか……と考えるが、まあ、それは道中考えるとしよう。


「では、コミエフィン騎士団、任務開始だ!」

「「「「「はい!!」」」」」


カサドール騎士団長の号令で騎士団の騎士達が返事をし、綺麗な隊列で進み始める。

いよいよ、運命の護衛任務が始まった。






書きながらふと気づいて確認したら、番外編を含めてもうすぐ連載から100話目になるんですね……今まで長かったけど思ったよりペースが遅くて、書きたいことが多くて困ります。

そういえば100話めはどうしようか悩みますね……記念として何か番外編を書くか、普通に本編を書くか、それともいっそ100話目記念として今現在までの設定のまとめ、解説を書くか……悩ましいですが、何にしろ頑張って書きたいと思います。

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