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転生悪役令嬢はヒロインの影になりたい  作者: 大蛇山たんと


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騎士団長との会談、そして私は頷く

「そういえば、ジュビア先生って今どうしてるんだい?」


エスセナがふと、と声を出した。

確かに今回、護衛を頼まれたのは私、ウルティハ、エスセナ、ティエラの四人であった。

だが、私はその答えを知っている。


「ジュビア先生は私達が上手く出来なかった場合の支援役と、私達の護衛の作戦指揮役をやるように言われてるそうよ。ある意味では、私達以上に重要な役目だからあまり顔を出せないみたいね。」

「そういえば、最近は授業も他の教師に任せて用事で学園にもあまり居ないなあって思っていたけど……そういうことだったのか。」

「騎士団の方々とも話して決めたりするという事ですから、ジュビア先生は凄い方ですわねえ。」


最近はジュビア先生の担当である歴史の授業も、代理の教師を出している。

まだ新人の教師なので経験を積むという意味でも丁度良かった、というのもあるかもしれない。

新人の教師らしく、授業に熱意はあるし、授業内容も悪くはないのだが、やはり歴史という物を研究するくらい愛のあるジュビア先生と比べると、授業内容の理解しやすさも授業内容に対する熱量も何年ながら少し劣る感じがするので、やはりジュビア先生の早い復帰が生徒の間では望まれているので少々可哀想だ。

まあジュビア先生が居ない理由が王族関係の話だと知る生徒はほとんど居ないので仕方がないし、その事情を知っている人から見ても流石に仕方がないと思える理由だ。

それに教師の間では特殊な立ち位置に居るジュビア先生は教師にとってはあまり良い気持ちのする存在ではないであろうし、そもそも研究者になる程の熱意を他人に求めるのは流石に酷な話である。

それに今回、こうやって王族の護衛という大任を任されているという事は王家との繋がりも少なからずあるという事だろうし、事実として私達がこうやって任されているのもジュビア先生に対する信頼あっての事であろう。

だから仕方が無く、あまり顔を出せないのだ。

もちろん、それでも可能な限りクラブに顔を出したり、私達に指導をしたり、直接指導が出来ない時はメモなどを私達に渡してくれたり他の教師に伝言を頼んだりしてくれている。

全く、本当に先生としても大人としても凄い人だなあと思う。

そういう所も、将来ソルスがジュビア先生を好きになる理由の一つだとも言えるのだろう。


「そういうわけだから、多分私達が資料を纏めている間に騎士団の方も私達への指示書何かの作成も終わる筈だと思うわよ。」

「うっし、んじゃあ気合入れ直してやるかー。」


そうして、時間は過ぎて、資料を纏めた私達は資料を送り、そして騎士団の方も護衛作戦の指示書が出来た、という事なので約一週間ぶりの王城へ行く事になった。

因みに、今回は護衛対象なので一応王家側の立場としてベルナは先に行っている。

私が代表として騎士団長と話す、という段取りだ。


「お初にお目にかかります、私は騎士団長、カサドールです。マルニーニャ嬢、ウルティハ嬢、エスセナ嬢、ティエラ嬢、本日は王城へ来ていただいた事、そして、今回の護衛作戦への参加、誠に感謝いたします。」

「初めまして、ご機嫌よう。私はマルニーニャ・オスクリダと申します。こちらこそ、護衛作戦という騎士志望としては非常に栄誉ある任に就かせていただいた事、誠に感謝いたします、私達四人を代表してお礼を言わせていただきます。きっとまだ経験も浅い身故、騎士団の皆さまにご迷惑をかける事もあるでしょうが、それでも私達として精一杯任を務めさせていただこうと思います。」


私達は騎士団長のカサドール騎士団長に挨拶する。

このカサドール騎士団長……カサドールさんは、フルネームは明かされていないが「やがて光の君と共に」にも出てくる存在だ。

リジャール王子……シャル君ルートではあまり出番は無いが、アルデール……アル君ルートでは、騎士団として上を目指すアル君にとっては師匠でもあり越えるべき壁でもある、といった存在になる。

どちらかというと軽装の装備が多い騎士団の中では珍しい、重装備の鎧を着た男性で、魔力と身体能力で破壊力で戦うアル君とは対照的な、守りに徹するのが得意な鋼のような騎士団長。

守るという点においては、この人は最上位層に居るかもしれない人だ。

筋骨隆々……と言った大柄な身体はまさに現実的な騎士と言えるだろう。


「さて、資料は確認して、目的、移動ルート、移動手段、滞在時間、護衛のしやすさ、物資の補給などといった観点からも精査して、提案されたルートで採用しようと思うルートはこちらになります。多少は我々の都合により変更はありますが、大体のルートは同じかと。」

「そうですね……確かに。素人の意見ですが、真剣に検討していただき、本当にありがとうございます。」

「いえいえ、寧ろ経験の浅い方や無い方の出した案にしてはなかなか練られている案だなと感心したくらいですよ。騎士としての観点もですが、こういう人に伝えるのが上手い人が居るなというのも感じたというか……騎士志望の方々は騎士としても優秀ですが、研究者のご令嬢方も流石はこういった文章は書きなれているなと思うくらいでした。」

「そう言って貰えるのはこちらとしても非常に光栄ですね、力を入れた甲斐があるという物です。」


資料の文章部分は、大部分は研究社タイプのウルティハとエスセナに頼ったが、騎士としては私やティエラも書いた。

文章が上手い自信は無かったが、騎士は文章を書くのも仕事の一つだ。

特に書類の作成なんかは騎士もやる事なので、将来の練習として書いたが……そこは貴族として勉強したりフレリスに教えてもらってきた甲斐があったらしい。

ありがたい言葉を貰えてほっとすると同時に嬉しさも込み上げてくる。


「それで、ご令嬢の皆様方に護衛を頼みたいのは、この辺り……特に、馬車から下りて、遊覧をしている間のリジャール王子殿下とベルナ嬢の周囲の護衛を頼みたいのです。」

「位置的に重要ですね……こちらを信頼してくださるのはありがたいですけど、それでもまだ私達は未熟な学生の身分です。私達で本当にいいんでしょうか?」

「ごもっともな指摘です。確かに、学園でも特に実力の高い方々だとはこちらも聞いていますが、それでも騎士として務めてきて私達の方が実力も経験も上かもしれません。普通に考えるなら、もっと外側……特にマルニーニャ嬢とティエラ嬢は外から襲撃があった場合の前線に居た方が普通は良いでしょう。ですが……。」

「ベルナ様、ですか?」

「ええ……今までもこういった、次期王女候補の方との遊覧といった事はあったのですが、ベルナ様は初めてです。ベルナ様はその中でも、特に人脈という点においてあまり良い立場に居ない方。それ故に、ご学友の皆様の支援あってようやく今回の遊覧をする事が出来たと我々も聞いています。それを考えると、身近にご学友の皆様が居た上で、時折その手伝いもしてもらいながら遊覧を進めた方が良い……というのが、私とリジャール王子殿下の見解でして。」

「リジャール王子と意見が同じだから、今回は私達がすぐにベルナ様の所に行ける位置に居ながら護衛もこなす……いわばエスコートの手伝いという側面もお願いしたいという事ですね。」

「その通りです。少々難易度の高い内容だとは思いますが……よろしいでしょうか?」

「わかりました、改めて、その任、受けさせてください。その役目、果たせるように務めさせていただきます。」

「良かった……では、改めて、どうかよろしくお願いいたします。」


ルートの確認は私達でやるとして……こうして、私hあこの護衛任務を受ける事に頷いた。

これで、この任務から逃げる事は出来ない。

……何も起きない事を祈るが、かといってただ守って成功、というわけにもいかないだろう、私的には。

未だ答えは出ないままだが……その時は刻一刻と迫ってきていた。


マルニ達がこうしている間ジュビア先生は何しているの?という疑問に対しての回答と、いよいよ始まる護衛任務、ここから結末まではしっかり描きたい部分でもありますので頑張ります。

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