第三回会議?
『お、王族の護衛、ですか……!?』
「そうなのよ……色々あって、王子様から直接指名されてね。」
『王子様って、リジャール・ルスフロル王子殿下ですよね!?それって凄い事なのでは……!?』
「ええ、そうね……凄い事、だとは思うわ……。」
『……でもマルニ様、あまり嬉しそうではありませんね?』
「色々と事情が複雑なのよ……。」
『事情……ですか?』
「まあ、色々とね……。」
流石にソルスに、「将来貴女が強い光属性に目覚めていずれリジャール王子に見初められて最終的に貴女が王女になるからベルナが王女になるのは困るのよ」なんて言える筈も無いので、適当に誤魔化す。
こういう時にソルスは察しが良いというか、話したくないというか話せないという事を察してくれる、というソルスの優しさに甘えてしまうのは私の悪い癖だと思う。
でも、そうしないといけないから仕方ないのだ。
『気になる所ですけど……マルニ様がそういうならきっと色々事情があるんですよね。』
「ごめんなさい、詳しい事が言えなくって。」
『い、いえいえ!寧ろ本来こうやってマルニ様の事を話せるだけでも私には光栄な事なんですよ!?』
「ふふ……相変わらず、謙虚なのね、貴女は。」
『うーん……謙虚って言って良いんですかね……?』
「ふふ……まあ、警護の内容については当然教えたり出来ないし、そもそも詳しい事は教えれないけれど……でも、こうやって夜に話を聞いてくれるソルスが居るだけでも私としては嬉しい事よ。」
『もちろん、いっぱいいっぱい話しますよ!それに後半年くらいで入学すれば、今度は顔を見ていっぱいいっぱい話せます!沢山沢山、話していきましょう、マルニ様!』
「もう、テンション上がりすぎよ……?」
色々これから大変だとは思うが……こうやってソルスと話していると元気をもらえる。
それにソルスが言う通り、あと半年もすればソルスが入学してくると考えると、やっとソルスと一緒に学園生活を送れるのだ。
……まあ、その代償としてきっとオスクリダ家は没落し、私は破滅するのだろうが。
それでも、その僅かな時間の為に頑張るのは、私の幸せの為だ。
そこについては、何も後悔なんてしないだろうから。
私のこの人生、私のこの生涯はきっと神様がくれたロスタイム。
黒野心という満足な人生を送れなかった人間に神様が慈悲を与えた、幸せな余暇なのだろう。
そう思うと、分かっている破滅だって受け入れられる。
きっとこんな事をもしソルスに言ったら、怒られちゃうかもしれないけれど。
それでも私は、自分を捧げてもソルスが幸せなら、それで良いのだ。
それが、私の幸福でもあるのだから。
「全く……それじゃあ、今日はもう寝るわね。おやすみなさい、ソルス。」
『えへへ、はいっ!おやすみなさい、マルニ様っ。』
「……さてというわけでアタシ様達のやることは決まったわけだが、セナ、改めて確認だ!」
「オッケーティハ!まず、僕達の当初の目的でもあったデートプランの立案!今回はこの秋の見頃を迎える花や植物を調べて、ついでにそれと関連付けたデートスポットやグルメもあるなら尚良し!」
「花や植物は図書館に行けば調べられるわね。」
「観光名所やグルメについては僕に任せておきたまえ!シレーナから旅行のプランもあるからそういう情報も入ってくるからね!」
「そういう事なら……私も、王城の、書庫に色々、あるかも……しれない。」
「入れる範囲ならアタクシもお手伝いしますわ、ベルナ様!」
私達は後日、早速集まって会議をしていた。
ベルナは花見遊覧の為にあまり学園に居なかったが、今回は特別に時間を作ってもらってここに居る。
「そしてもう一つ!セナ!」
「リジャール王子からの依頼で僕達が二人の護衛をすることになったよ!本当に何でこんな事になったんだろうね!」
「それは……ごめん、なさい……。」
「いえいえ、そんな謝らなくていいわよ、こういう時は冗談だから。」
「冗談……私には、難しい……。」
「ウルティハ様、エスセナ様、ベルナ様はあまり冗談が通じない方ですからあまり言っても逆効果ですわ!」
「……ティエラ、あまりフォローに……なってない……。」
「……まあ、そこら辺の詳しい事は騎士団の人達が詳しいでしょうから、私達で細かい事は決められないでしょうけど……これはあくまでも推測なのだけれど、ベルナ、話しても良いかしら?」
「うん……?うん……。」
私の考えだが、まあこれはほぼ確定だと思う。
原作がどうこうという話ではなく、わざわざ私達に、しかも騎士志望の私やティエラはまだともかく、ウルティハとエスセナも指名してきた、という事はほぼ確定だと考えている。
私は言葉を発した。
「多分だけど、私達は今回の護衛任務、二人の近くを護衛する事になると思うわ。」
「……それは、そうだね……。」
「おいおい、それって重要なポジションじゃねえか、何でそれがアタシ様達なんだ?」
「そうね……色々理由は考えられるけど……大きな理由としてはメンバーかしら。」
「メンバー……僕達このクラブのメンバーだね。」
「今回、私達の関係性というか、縁が関係ない指名では無いわ。完全にこのクラブのメンバーである事が関係している。私やティエラはともかくとして、ウルティとエッセも含まれているという事は、これは騎士としての経験を積ませる為の物ではないわ。つまり、二人、もしくは私達全員には護衛と同時にもう一つ役目がある。恐らくだけど私達が護衛しながら私達が案内の手伝いもする、という事だと思うわ。……合ってるかしら?」
「……多分、合ってる……シャル君、私が、皆と仲良くしてるの……とても、気にしてた……みたい、だから……だから、私達が、仲良くするのも……多分、気遣って、くれてると、思う……シャル君、たまに考えてる事、分からないけど……あの子は、優しいから……。」
「なるほどねえ……。」
なんというか、やはりという返答であった。
シャル王子の性格を考えると、そういうことも気にするのだろう。
原作でも、彼は優しかったから。
「アタシ様達がベルナ以外の派閥に入ってるスパイって可能性もあるのに呑気だなあ、あの王子様。」
「僕達がもしかしたら暗殺とかを考えている可能性とかもあるかもしれないのに、随分と心を許しているんだねぇ。」
「あの人たらしっぷりを見たら分かるでしょう。それに、それで居ながらあの良い性格、人を見る目は確かだと思うわ。」
「「ああ、確かに。」」
だから、きっと彼は未だに仲良く出来ていないベルナにも、そしてベルナの友人である私達にも優しくするであろう。
お人好しと言ってしまえばそれまでだが、そこが良さなのだと私は思う。
それに……。
「それに、多分私達が襲い掛かっても負ける気がしないという事じゃないかしら?私がベルナにも勝てなかったんだし。」
「そっか……王族って事は光属性でも最強クラスって事だもんな~。」
「おまけにリジャール王子は光属性の使い手でも歴代最強クラスなんじゃないっけ?ほんと、天才って感じの王子様だねえ彼は。」
「……シャル君は、私よりも強いよ……勝てた事、ないもん……。」
「やっぱりそうなのね、強いという自信や自覚があるということなのでしょうね。」
そうだ、リジャール王子は強い、とても強い。
王族は破龍の儀の最有力候補なのだ、強くて当たり前であろう。
寧ろ、破龍の儀で王族が敗北する事があったら、その代はかなり重責を背負う事になると言われているくらいだ。
「まあ、そういう事よ。だから私達は、そこを頭に入れた上で考えましょ。」
「うーし、そういう事なら気合入ったぁ!」
「僕も明確なビジョンが見えてきたらやる事は見えてきたからね!」
「アタクシとマルニ様は騎士志望ですから、尚更気合入りますわね!」
「ふふ……皆、頼りにしてる……よ。」
こうしてビジョンが明確化した事で会議は活性化していく。
私達はああでもないこうでもないと話し合うのであった。
最近眠気覚ましのカフェインがあまり効かず、眠くなる事が多いです。こうやって執筆に時間を割く為にもすぐに寝ないようにしたいのですが、健康的に長く良いものを書いていくと考えると、睡眠も重要と考えると悩ましいですね…。




