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転生悪役令嬢はヒロインの影になりたい  作者: 大蛇山たんと


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怪しき影 その2

「ベルナ。ちょっといいかしら?」

「あ……マルニ……。」


ベルナは馬車の方に居た。

歩き回ったりはしていないし、かといって取り乱している様子も無い。

落ち着いている辺りは流石であろう。


「ベルナ、どこまで状況は把握しているかしら?」

「えっと……盗賊が襲ってきて……それを騎士やマルニ達が……倒して捕まえたのは、わかる……。」

「なるほど……なら、情報共有しましょうか。」

「わかった……。」


私は先程カサドール騎士団長とリジャール王子が話した内容を話した。

話している途中で、ベルナの方に居たティエラ達も合流したので一緒に情報共有する。


「なる、ほど……つまり、私が……狙われてる……。」

「全く何処の誰やら……ベルナ様を狙い、リジャール王子殿下の手を煩わせるなんて絶対に許せませんわ!」

「……で、その貴族の目星はついたのかい?それか証拠や手がかりは何か……。」

「そこは今身体検査や尋問によって調査中よ。でも……気になる所はあるみたいね。」

「思い過ごしじゃねえんだな、何が気になる点なんだ?」

「そうね……とりあえず、まず盗賊達が『金になる噂』、という理由で動いていたらしい事ね。最も、その内容についてはまだ尋問中で詳しくは聞けてないんだけど。」

「そういや確かにそんなこと言ってたな……まあ、この遊覧を知っていた時点で、誰かの入れ知恵って可能性は高いわけか。途中に立ち寄る町や村なんかはそれこそ待ってればいいだけだけど、盗賊は狙ってやらなきゃただでさえ騎士団に遅れを取る事になるわけだしなぁ。」


ウルティハの言う事には一理あった。

実際、その万全の状態であろう今回でさえ、騎士団に力で押されて不意打ちによる奇襲に賭けたのだ。

という事は、長期間粘って得物である王族たちを狙ったわけではなさそうという事になる。

事実、周辺を調べたがどうやら盗賊達が長期間ここに滞在していたであろう痕跡は見当たらなかったらしい。

つまり、明確な遊覧のタイミングが分かる、王城に出入りしている貴族の可能性が高いという事になる。


「で、他には何かあったのかな?」

「そうね……武器と防具、かしら。」

「武具?何か問題がありましたの?」

「ええ……どうやら、武器も防具も、最近新しく作られた物だったそうよ。それに、共通の文様が防具の裏からあったらしいわ。」

「最近……?」

「……最近どこかの村が襲われて職人などの人が攫われたとか、武具を大量に盗まれた、という情報は少なくとも聞いた覚えはないわ。」

「アタクシも聞いた覚えがありませんわ。」

「という事は……。」

「ええ、恐らく、誰かが今回の為に武具を作って、盗賊達に渡した……という事になるわね。」

「って事は、これから、貴族が用意した準備万端な賊達に何回も襲われるかもしれねえ、ってことかよ……。」


職人を抱えていたりするような盗賊でもない限り、簡単に盗賊が真新しい武具を手に入れる、というのは簡単ではないであろう。

仮にお抱えの職人が居るとしても金銭的、材料的な問題で簡単には調達する事は出来ないはずだ。

となると、基本的な武具の調達は人から奪ったり、どこかを襲撃して盗んだり、最悪自作したりする、という事になるだろう。

だが、その手段では簡単には数や質の担保された物を手に入れる事が出来ないであろう。

となると、誰かが武具を用意した、と考えるのが自然という事になる。

それに防具の裏に描かれていたという文様……。


「その……文様について、見せて……もらえる……?」

「ええ、これね。」


私は防具の一つをベルナに渡す。

この防具は先程カサドール騎士団長から預かった物だ。

盗賊達から没収した物が多かったので、一つくらいなら問題ない、という判断だったらしい。

もしかしたら……と思って一応自分でも一応確認したが、どうやら今回捕まえた盗賊達の防具の文様は全部同じであった。

もし文様ごとに戦列などの役割を分ける為の物だったら……と思ったが、どうやら違うらしい。


「……。」

「……何かわかるかしら?」

「……見たことがある、気がする……でも、これだけだと、なんだかわからない……。何かに、似ている……いや、何かの、一部……?」


ぶつぶつ、といつも以上に小さな声で呟くベルナ。

防具を色んな角度などで見てみる。

丸い文様は、まるで書きかけの魔法式のような……まるで魔法式を切り分けたかのような、続きの文様がありそうな形だった。

魔力に反応があるかを試すと、文様は淡い光を放った。


「……加護みたいな、魔力的な強化は……無い、みたい……でも、この文様は……魔力を、少しだけ、持っている……みたい……。」

「余計な強化みたいな手間はかけずにとりあえず道具だけ揃えた、みたいな感じかな?」

「そりゃ一つ一つ魔法式を刻んで強化する、みたいな事をしてたらもっと大がかりになるし、時間もかかる。そしてその魔法式の魔力をわかるやつが解析したら簡単に身元が割れる。時間も人も、そしてその証拠を消すにも足りなすぎる。だからそうやって最低限の物だけ揃えた、って感じだろな。」

「……ちょっと、待ってて。ボニー、ボニー……。」

「はい、お嬢様。」

「紙と、ペンと、インク……インクは、魔力伝導率が良いの、持ってきて……。」

「わかりました。」



ベルナがボニーさんを呼ぶと、ボニーさんは言われた通り、何故か銀のトレイの上に紙とインクと羽ペンを持ってきた。

……何故トレイの上かは分からなかったがベルナが特に何も言わない辺りいつもの事なのだろう。

「ありがとう……。」とベルナは受け取り、やがて数枚の紙に文様を書いていく。

まるで機械のようにほとんど綺麗に書き写すのを見て思わず凄いなと思った。


「……とりあえず、これでいいかな……マルニ、ありがとう……。」

「ええ、どういたしまして。」


やがて作業が終わると私に防具を返される。

これがどういう意味を持つのかは今の私には分からなかったが……後に、この文様についてもわかるだろう。

今は、報告すべきことはしたはずだ。


四月が終わるまでには新章に突入したいけどこのままでは間に合わないかも……なるべく急ぎたいけど、一つずつしっかりやって行こうと思います。

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