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居留守 xx2年8月24日
今日、お袋と親父が訪ねてきた。
今住んでいる部屋ではない。
二階建ての古いアパートの二階。
見覚えはない。
住んだこともない。
それなのに、そこは確かに俺の部屋だった。
玄関の向こうには、何十年も前の、若くて元気だったお袋と親父が立っている。
何度も俺の名前を呼ぶ。
ドアをノックする。
チャイムを鳴らす。
俺は玄関の見えるリビングで、息を殺していた。
物音ひとつ立てないように。
気配さえ消そうとしていた。
居留守を使っていた。
やがて二人は、切なそうな表情で顔を見合わせた。
悲しそうに諦めると、そのまま静かに帰っていった。
俺は、なぜ居留守を使ったのかわからない。
会いたくなかったわけではない。
嫌いだったわけでもない。
それでも、出ることができなかった。
たぶん俺の中には、孤独を選んだ理由があったのだろう。
あの閉ざした玄関は、親に向けたものではなく、自分自身に向けて閉ざした扉だったのかもしれない。
孤独になることが生きる術だった。
悲しい夢を見た。




