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アムステルダム夢記  作者: tag-tje
20/23

amsterdam xx7年6月24日

久しぶりのアムステルダム。


今日の夢は、珍しくはっきり覚えている。


普段は時間が経つにつれて忘れてしまうのに。




飛行機に乗り、オランダへ着いた。


俺と舞、それに弘太の三人でホテルへ向かう。




ようやくたどり着いたのは、初めて泊まるホテルだった。


歴史を感じさせる古い建物だったが、どこか小汚い雰囲気が漂っている。


舞と弘太は部屋に飾られていた小物をあれこれ触り始め、テーブルに置いてあったピクルスを勝手に食べ始めた。


「うまい、うまい」


と言いながら夢中で食べている。


俺は、何となく怖くて口をつける気になれなかった。




「じゃあ、遊びに行こう」


三人で遊覧船に乗る。


すると弘太が、手すりの外側へ立った。


舞まで真似をする。


「危ないからやめろ!」


そう叫んだ矢先、橋の下をくぐる瞬間、弘太が足を滑らせた。


腕を岸壁のコンクリートに擦り、船に挟まれそうになりながら川へ落ちかける。


助けようと駆け寄る間もなく、弘太は船の最後尾まで流され、そのまま橋の隙間へ身を投げ出した。


奇跡的に助かった。


ところが今度は、離れていく船へ飛び移ろうとした。


もう間に合わないと思った瞬間、弘太は船へ飛び乗った。


「こいつ、本当にアホだ」


俺はそう思い、少し嫌いになった。




その後は街を歩きながら買い物をした。


だが俺の頭の中にあったのは、それだけではなかった。


どうすれば二人に気付かれず、コーヒーショップへ行けるか。


そればかり考えていた。


一人で抜け出す方法を、ずっと探していた。




ひとまずホテルへ戻り、一番近くにあるコーヒーショップを探す。


すると窓の外、すぐ近くに一軒見つけた。


名前は思い出せない。


聞いたこともないコーヒーショップだった。




土産用のバッグを肩に掛け、その店へ向かう。


カウンターで注文しようとしたとき、何気なく肩に掛けた透明なビニールバックに目をやった。


土産が入っているはずのバッグの中には、なぜか大量のブルーベリーが詰まっていた。


何キロもある。


「……何だ、これ?」


「いつの間に買ったんだ?」


「ブルーベリー……か?」


「キロはマズいだろ!」


自分でも状況が理解できず、不思議な気持ちで袋を見つめているところで目が覚めた。




久しぶりに見た、アムステルダムの夢だった。


古びたホテル。


名前も知らないコーヒーショップ。


そして夢の中の俺は、最後まで「ひとまず一服」のことばかり考えていた。




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