第7話 夜闇に輝く燈
「行くぞ松宮!」
ーー「おう!」
ガサガサと物音がした無人公園奥に俺たちは走る。
まだ2人しかいないが、なんとかなるだろう。
「...ここだ!!...あれ?誰もいない...」
ーー「こっちもだ...さっきのなんだったんだ?」
物音がした場所を探っても、その正体はわからなかった。
すると、背後から新たな参加者がやってきた。
ーー「え!?涼男!?...きたのか!?」
「ああ、まあなんとなくね」
ーー「俺も来たぜ涼男!リア充撲滅委員会隊長だ!!やっぱ男子はこうでなくちゃな!」
「...いやなんだそれ!?...てか結局俺たち4人だけなのか?」
ーー「そうそう。みんなあの後やっぱ行かなーいったんだ。」
「あー...なんか想像つくわ」
これでメンバーは全員集結した。
俺、松宮、緑川、滝村の4人。
滝村が勝手に俺らをリア充撲滅委員会とやらに加入させたが、まあそこは軽く受け流した。
そして俺たちは4人全員でこの公園を探索した。
「いないな...おーい松宮!そっちはどうだ!?」
ーー「いやこっちもだー!緑川は!?」
ーー「いやいない!...あとは滝村か。滝村はー!?」
ーー「..........」
「...あれ?滝村ってどこ行ったんだ?」
ーー「隊長...!?」
「...あとはトイレしかないよな...!?」
滝村が消えた。
これはまずいことになった。
そして俺たち3人はまだ探索していない噂のトイレを見に行った。
「...滝村ー...?いるかー?」
ーー「なんか...怖くなって震えてきたわ...」
ーー「松宮怖がりすぎだって!!」
すると、個室の方からうめき声がした。
俺はビビリながらも確かめる。
ーー「...うぅ...あぁ」
「うわぁああ!!!もしかして不審者か!?」
ーー「涼男!!なんとかしてくれぇええ!!!」
「任せろ緑川!!こんなこともあろうかと俺は家からこれを持ってきたんだ!!」
ーー「...!?それは!!」
「オラオラ一生出てくんじゃねぇ!!」
ーー「やばくね!?」
ーー「いや...もっとやれぇぇえ!!」
そう、俺が家から持ち込んできた「ある物」とは、「瞬間接着剤」だった。
俺は迷いもなく個室のドアノブに塗りたくり、出られないようにした。
「...はぁはぁ...やったか!?」
ーー「それフラグじゃね?」
「...あ、」
ーー「うぅ...!!ぁぁぁ助けてくれ!」
「うわぁぁぁ!!!!....って滝村か!?」
ーー「そうだよ...腹痛くて...死にそうなんだ」
「...え?そうだったのか...はぁよかったぁぁ!!」
正体は「滝村」だった。
腹痛に耐え切れなく、トイレに駆け込んだらしい。
だが、俺はやらかした。
ーー「...よかったのはよかったけど...俺ら終わったんじゃないか?」
「.....あ、滝村ごめん...俺瞬間接着剤ドアノブにつけたわ」
ーー「...え?」
その後。
滝村は絶望した。
個室から出られない絶望だ。
だが、俺たちが力を合わせてこじ開けることに成功した。
すると、今日から俺のあだ名はかわった。
「涼男」を卒業したのだ。
ーー「はぁー...マジで死ぬかと思ったわ」
ーー「どっちの意味で?」
ーー「どっちもだわ!!」
「まあとりあえず大惨事にはならなくてよかったよ」
ーー「...今日で涼男は卒業だ!」
「...え?」
ーー「今日から接着王だ!」
「えぇ!?なんだよそれ!」
ーー「いいじゃん!俺そっちの方が好きかも」
ーー「確かに!明日楽しみだなー?」
「おいおいお前らー...」
明日から俺のあだ名は「接着王」となった。
でもちょっと楽しみな気持ちもある。
ただ不審者とやらはわからなかった。
ただ俺たちは肝試し的な感じで遊んだだけで終わった。
そしていろんなことを話しながら俺たちは各自家に帰った。
ーー「氷ー?ご飯よー」
「おっけー」
(...ん?消防車の音?なんかあったのかな)
俺はお母さんの作ってくれた夜飯を食べる。
今日はとても疲れた。
あの陽王との会話、約束から今さっき終わった不審者事件。
食べながらニュースを見ていると、あるワードが目と耳に入った。
「不審者が逮捕...!?」
ーー「どうしたの?」
「え、ああいやなんでもない」
なんと不審者が逮捕されたらしい。
しかも捕まった場所は「浅井川橋」だった。
無人公園ではなく、そこに行っていたら確実に俺たちは終わっていた。
(...マジでよかったぁー...)
ピピピピピピピンポーンッ!!
「えぇ!?なんだなんだ!?」
ーー「...氷の友達?」
「ちょっと見てくる!」
インターホンが完全破壊する勢いで鳴った。
ドアを開けると「松宮」が慌てた様子で玄関前に立っていた。
そして、俺に衝撃的なことを告げた。
ーー「はぁはぁはぁ...!!瞬着王!!」
「いやさっそく使ってんだな!!...で何があった?」
ーー「学校が...学校が!!」
「学校?...それがどうしたんだ?」
ーーーーー「学校が燃えてんだよ!!」
「...確か松宮の家って学校奥だったよな...?」
ーー「そうだ...帰ろうとしたら夜なのに光っててさ...よく見たら学校が燃えてたんだ!今起きたことだ!」
「...待てよ...?学校が燃えてるぅぅぅ!?」
ーー「反応遅すぎやろ!!とりあえずきてくれ!」
「あぁ...わかった!すぐ行くから待ってろ!!」
(あの消防車の音ってそれだったのか!!)
学校が燃えている。
そう聞いた俺は、疑いながらも松宮と一緒に学校へ走る。
「...学校なんで燃えてたんだ!?」
ーー「知らんわ!!俺が聞きてぇくらいだよ!」
「てか俺にどうしろと!?」
ーー「氷結の王って呼ばれてるやつあるだろ!?それで突っ込んでくれ!」
「お前自分が何言ってるか分かってんのか!?生身で突っ込むとか俺も多分死ぬぞ!?」
ーー「もうそれはごめん...!!けど頼れるのは今お前しかいないんだよ!!」
(これ結構マジだな.....。あ、、、マジか...)
そして数十分走ったあと、学校というか燃えている建物が見えた。
場所は完全に学校だった。
これでもかと全範囲を囲うようにボワボワと燃えており、木造の壁やらなんやらが地面に落ちていっている。
「...なんでこんなでかい火事が...!?」
ーー「いや改めて見ると....ヤバいわ...!!」
「そうだ...中に人は!?」
ーー「多分いないとは思うけど...確証はない!」
(陽王は帰ったの確認したし...いや待てよ?教室から出て行っただけで帰ったところは見ていない...!!)
「...消防車もめちゃくちゃいるけど...これ俺ら入れなくないか?」
ーー「ああそうなんだ...バリケードがあって入れないし、強制突破しようとしても、そこにいる警察に止められるからダメなんだ!」
「...お前はここにいてくれ。俺がなんとかする」
ーー「え..、?おい!どこいくんだ!?」
「待ってろ!心配はいらねぇ!!」
そして俺は近くの丘の頂点を目指す。
陽王がまだ中にいるのなら、いやいなくてもやることは変わらない。
この火事を止める。
消防士の人でも完全に燃え盛っている建物を消し切れていない。
消えていくというか、逆に炎が上がっている。
数分後。
俺は丘の頂点に立つ。
(...やばいな...このままだと骨組みまで見えかねない...アレを使うしかないのか...?けどリスクが大きすぎる...先輩にはバラしたけど極力周囲の人にバレたくない!...バレたら俺はまた...!!)
ーーーーー(実験体にかけられる...。けど...!!)
この丘なら大丈夫。
人目も少ないし、バレる確率はまあ低いだろう。
ここで、この火事を終わらせられるのは...
(...俺だけだ...!!)
ーーーーーー「零ー広範囲展開」
第7話ありがとうございました!
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