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第4話 募る想い



(え...なんで!?教室の隅はわかってたけど今度は図書室なの!?)



ーー「あのー...」


「...あ、はい!ありがとうございました!!」


ーー「....え?」



 俺は領収書のようなものをもらうと、足跡を立てないようにゆっくりと陽王の元に近づいていく。

 よく見ると、座って机に本を置いて、手は膝にして読んでいる。



(それにしても...隅大好きすぎでしょ...)



ーー「来ないで」


「うわぁぁ!びっくりしたぁぁあ!!」


ーー「うわぁぁなに!?」


「あっああ!悪い!驚かせちゃったわ...」


ーー「...来ないでって言ったよね」


「放課後はな」


ーー「もう...私に近づかないでよ」



(俺ー...もしかして俺普通に本格的に嫌われてる!?)



「まあ...挨拶だけだ」


ーー「ならもう来ないで」


「....わかったよ」



 そして俺は諦めて教室に戻った。

 その後も2時間目、3時間目と終わり、掃除も終えて放課後の時間となった。



ーー「氷くーん?帰ろ」


「あぁ...そうだったな。よし帰るか」


ーー「うん」



(あれ...?陽王がいない...!?)



 陽王が、珍しく教室の隅にいなかった。

 けど今日は未来と帰ることを忘れていた。

 帰りで陽王のことを聞き出し、作戦を練るんだ。


 そして帰ろうとすると、どこからか、変な音がした



ジュー.....



(え...?なんか今...)



シュー.....



(あ、何この音!?)



ーー「氷くん?」


「ああ、、いやなんでもない。帰るぞ!」


ーー「うん!」



 とりあえず見過ごした。

 今大切なのは、情報を得ることだからだ。

 いじめを受けているのか、それともまた別の事情があるのか。


 俺は帰り道に、未来に問いかけた。



「未来...?クラスの陽王のこと聞いてもいいか?」


ーー「他の女...?話さないでって言わなかった?」



(うわぁぁぁ!!忘れてたぁ!!やばいな...どうしたらいいんだ...!?)



「あ、...でもちょっとくらいは...ね?」


ーー「...わかった、今日だけね。けど、氷くんにどうにかできるとは思わないけど...」


「サンキュー未来!!でも...俺にどうにかできないってどういうことだ?」


ーー「私...助けたいけどさ、どうにもできなくて」


「もしかして...いじめなのか?」


ーー「...うん。実は今日...多分どこかで」


「......!?なんでそれを先に言ってくれなかったんだよ!!」


ーー「ごめん...どうにかできる問題じゃないと思って...」


「...先、帰ってくれ。俺は学校に戻る」


ーー「え!?ちょっと待ってよ!」



 やはり、いじめだった。

 話を聞いた俺は、未来を置いて学校に走る。


 あんなひとりぼっちで、人見知りで、夜の暗い学校でいじめなんて受けたらと思うと助けずにはいられない。



「ここか!?...ここか!?あれ...マジでどこだ...?」



 学校に着くと、教室やいろんな部屋を見て回った。

 だがそれらしき場所は見つからない。



「女子トイレ...じゃないよな」


(けど声はないし...違う場所か)



 そして、俺は最後の候補である屋上に着いた。

 俺の勘は当たった。

 扉を開けるまでもなく、扉の奥から女の声が響いていた。



(絶対助ける...なんてはいえないけどな...俺を追い出したこと、後悔させてやる。あ、いい意味でね?)



 俺は扉を開く。

 すると、地べたにペタンと座り込んで殴られている「陽王」がいた。

 女はそれを見て楽しんでいた。



「おい...!!何やってんだお前ら!!」


ーー「物理的に頭冷やせって!」


ーー「ひぁー!面白い子供ー!」


ーー「...で、お前誰」


ーー「きっも」


「...何してるか...説明しろよ」


ーー「遊んでるだけだよ。」


ーー「そーそー...おままごとっていうやつ女の子はするんだよ?」

 


(いやどう見てもおままごとじゃねぇだろ!!どんだけガチなやつやってんだよ...!!)



「...だとしたら..、ガチすぎじゃないか」


ーー「おままごとってー...全力かけてやるんだよ」


ーー「遊びに本気出すのが現代なの」



(なわけあるー!?今っておままごとに全力かける時代だっけか!?)



「...はぁ...もうさ、高校生にもなって恥ずかしいと思えよ」


ーー「なにが?」


「そういう...自分のやりたいことだけ相手に押し付ける行為だよ...自己中心的な人間ってことだ」


ーー「自己中ってこと?あーそれならわかるわ」


ーー「けどさー...ここに来たってことは、止めにきたってことだよねー?容赦しないよ」


「けどさー...ここに来たってことは、止めにきたってことだよねー?容赦しないよ」


ーー「さっきからペラペラと...私の真似すんじゃねぇよ!!」



 俺が女の真似をして、止めにきたことを伝える。

 「容赦しないよ」という言葉の意味が変わる。


 すると、さっそくその1人が襲いかかってきた。

 


(手に凶器を持っているわけではない...よし。)


「じゃー俺逃げまーす!」


ーー「は!?待てやクソガキ!!」


「無理でーす!」



 さっきの屋上への扉から、俺は出る。

 そして力いっぱい扉を手前に引っ張り、開けさせないようにした。



「ほらほら!!開けれるもんなら開けてみろよ!」


ーー「んーっ!!はやく開っけっろ!!」


「はい」


ーー「うわぁぁぁ!!!」



 そう言われると思っていた俺は、手前に引っ張る力を0にして、相手を転ばせた。


 よくあることだ。

 引っ張り合いの時に、どちらかが力を離すことで相手が急に吹っ飛ぶあの方法。


 そして俺は屋上で倒れ込んだ女を押さえ込む。



「お望み通り...離してやったけど?」


ーー「冷たっ!!なんで...くそっ!!離せっ!!」


「おーっと...静かにしてくれよ。」



ーー「おい!何やってんだよ!!」


ーー「こいつ殺して!」


ーー「今助ける!」


「じゃ!帰りまーす」


ーー「待って!それは罠!見てたでしょ!?」


ーー「あ、そうだった!!...ってあれ!?」



 俺はまた屋上の扉を出て、逃げたふりをした。

 ただ今度は「力」ではない。


 扉を出て閉めた瞬間、爆速で引き手部分を凍らせた。

 急速冷凍された引き手部分は、舌で舐めようとしたら離れなくなる現象を女の手に引き起こした。



ーー「待って!!...離れない!」


ーー「何やってんの!!」


「よし、終わり!!じゃ、2人は早く家帰って寝ろ」


ーー「はい...」


ーー「いや先これ離して!」


「自分でとれよ」


ーー「私...帰るわ」


ーー「ちょっと待って!置いてかないでよ!」



 その後。

 なんだかんだあって、急速冷凍した引き手からその女は手を離すことができ、家に帰った。


 あとは陽王だ。

 地面に視界を落としている。

 縛られたりはしていない。



「陽王...大丈夫か...?いや大丈夫ではないか...」


ーー「..........」


「陽王...?」


ーー「.....近づかないで!!」


「......いや..でも!」


ーー「もう帰る!!」


「..........ぇぇ...」



 陽王は立ち上がり、扉を開いて帰ってしまった。

 かすれた声で俺は少し引いてしまった。



(陽王...お前は一体...、)



ーーーーー(何を求めているんだ...)


















 



第4話ありがとうございました!

今日書き始めてさっき日間ランキング71位に入りました!!

ありがとうございます!!

このまま突っ切るぞー!!!

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