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俺のジョブは

「がぽっ……」

「むごっ……!」

「む、こりゃいかんのう」


 1人だけサッと回避したらしいシロナがそんな事を言っているのが聞こえたけど……ウーズに飲み込まれた俺たちは、それどころじゃない。くそっ、呼吸が……!


「それ、爆ぜよ!」


 ドバン、と響く音。ウーズの身体が爆ぜ、俺と少女が空中へと投げ出される。

 って……あの子、なんかぐったりして……あのままじゃ!

 手を伸ばす。彼女の小さな手を掴み、引き寄せて。


「うっ、がっ! ぎぎぎ!」


 地面に強く背中を打ち付けながら俺は転がる。くそっ、それでも離してないぞ……!


「うむ、よくやったレイド。男じゃの」


 あとは任せておけ、と。そう宣言するシロナが、先ほどの紙を数枚取り出す。それはシロナの手元から、まるで鳥か矢か……高速で飛翔して。


「燃えよ」


 ゴウ、と。ウーズに貼りつき巨大な炎の柱へと変わる。声なき悲鳴をあげるかのように、ウーズは一瞬だけ震え……その姿は炎の中に消えていく。その一瞬後に、炎の柱も消え去って。


「ま、こんなもんじゃろ。それより、そやつ。毒に侵されておるぞ」

「ど、毒⁉ なら毒消しを……」

「愚か者。喉に詰まって死ぬぞ。体内を直接侵す毒では塗っても効果はないしの」

「なら、どうしたら……!」

「お主、薬草じゃろ?」

「えっ……あっ」


 そうか、俺の今のジョブは【薬草】……それも毒耐性の効果! 今さらかもしれないけど、これ以上の毒の進行は抑えられる! でも今の彼女にどうやって効果を与える? 俺自身が薬草で俺に薬効があるというのなら。


「……ごめん。あとでいくらでも謝る」


 ……結果から言うと、彼女の顔色がそれ以上悪くなることはなくなって。むしろ少しずつ顔色がよくなっていく。


「う、うう……私、は……」

「よかった……目が覚めた」

「お主、感謝せいよ? こやつがお主の毒を排除したんじゃからの」


 シロナの言葉に彼女はまだ少しぼうっとしている表情のまま、俺に視線を向ける。


「治癒魔法士、だったんですね?」

「えーと……違います」

「あまり違ってはおらんのう? 何しろ毒耐性を一時付与するキスじゃ。ちょっとした魔法に近いのう」

「はあ、キスですか……キス⁉」


 一気に目が覚めたように起き上がった彼女は、赤く染まった顔で俺を見る。


「え、え? どういうことですか⁉」

「それを説明するには、えーとなんていうか」

「せ・つ・め・い、してください!」

「あ、はい。えーと……」


 でも、こう説明するしかないよなあ。


「……俺、薬草なんです」

「はあ?」


 まあ、そういう反応になるよな。

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