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夢と幻のキネマ館  作者: 黒木 静
『白と黒のメリー 白黒編』
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62.別れ


 62.別れ



 ――苦渋の選択だ。これは本当に最悪のケース。『ウボ・サスラ』が倒せない状況。


 『ウボ・サスラ』に裂くのは、雨道とロバート。そしてサラの三人。

 残りのテレスとウェンディは、怪物の掃討。風歌の命を最優先に、守りに徹する役目。

 この作戦は危険な状態だ――黒兎は下唇を噛み締めた。


「私をおいていって……」


「――――――えっ?」


 絵本が、なんて言ったの? 

黒兎は驚きが隠せない。今まで一度も話し掛けられたことのない黒兎。

それは、始めて絵本の発した言葉だった。


「みんなをたすけて。わたしが、がんばってみるから……」


「え、えほ、絵本たぁぁぁぁあああんんん!」


 黒兎は涙が隠せない。瞳を潤ませ、さらには落として、絵本を抱擁した。


「ありがとう……ありがとう! ようやく、話してくれるのね?」


 絵本は恥ずかしそうに、顔を下へ向けてしまう。その愛しさで、再び固く抱きしめる。


「はやく、みんなが、たいへん!」


「ええ、ええ! この黒兎みなみ(偽名)! 一生の見せ場という奴、勝ちとってみせますとも! 行ってくるわ! 絵本たん! グッドラァァァッッック!」




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