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夢と幻のキネマ館  作者: 黒木 静
『白と黒のメリー 東京編』
34/453

24.暗黒のアブホース

東京編はメリーたちが東京に到達し、

日本の魔術師が出会うまでのお話です。

58まで続きます(全34話)。


 24.暗黒のアブホース

 

 


 日本全土に蔓延る『暗黒のアブホース』。

 堕神した年代は二五〇〇年。今からおよそ五〇〇年前の話。

 『ネクロノミコンの予言』にはこう記されている。


 ――二五〇五年。蓬莱の地に降り注ぐ邪悪あり。

   その名は『暗黒のアブホース』。

   その怪異は遍く生命を冒涜する。



 不可思議極まりないこの予言は、実際に起きた。日本に住んでいた五十万人ほどの人間がことごとく肉体を変え、怪物の心へと変質してしまった。

 ――日本の国は、その時に崩壊を迎えた。

 誰もが日本の崩壊を世界に蔓延る害悪『宙色の怪物』の所為だと疑うことはなかった。それは、他の国からの助けがないことを示唆している。地球人の殆どに『宙色の怪物』に立ち向かう力は備わっていないからだ。

 わずかに魔術の心得のある者だけが、これに立ち向かうことが出来た。しかし、それ以外は怪物達も猛威に退行するすべがなく、ことごとく殺されていった。

 その中でも、極めつけの原初堕神。すべての元凶。

 世界全体を“天蓋”で覆い、わずかに太陽の光を遮る“膜”を生み出した。

 そして連なる“堕神”。これを許容する“扉”としての役割。

 堕神後、肉体が消滅しても、再び降臨することができるための“宿”としての能力。これは、怪物に“堕神点”というチャンスを与えた。

 観測所が『Sランク』と指定した怪物。

 堕神と同時に、世界は崩壊する等級のものに与えられる『人類絶滅』を示すもの。

 その名は、『原初の―――――』。

 大魔王。創世神。すべての怪物の母にして父。

 

 

 宙色の地球で繰り広げる、暗黒童話のはじまり。



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