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悪役令嬢に転生したけど隣にいるのが最恐布陣すぎる…  作者: 蓮琉
1章 転生 そして幼馴染と親友
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制服仕立ては乙女の嗜み?



「アイリス…流石にこれはちょっと、多すぎじゃない?」

「いいえ、シャーロット様!シャーロット様の御制服ですよ?商人も素材も、生きとし生けるもの全てがその糧になれることを誉に思う筈ですわ!」


目の前に広げられた数々の素材に、呼び集められた商人。

ばーん!とばかりに両手を腰に当て、仁王立ちでアイリスが宣言すると、周りを取り囲んでいた幾人もの商人達が、その言葉にわっと沸いて、次々に自社を売り込みし始める。


「おっしゃる通りですお嬢様、是非ウチをご贔屓に!」

「私の店は王族御用達ですぞ!!」

「いいえ、こちらの素材の星の欠片を練り込んだ布地は、ウチでしか取り扱っていない特別な一品で……」


まぁそりゃ商人さん達は有り難いだろうけどさぁ。生きとし生けるもの全てが、ってのはちょっと言い過ぎでしょう。

今日は、私達の制服を仕立てる日。学園に通う日まであと少し。

流石に貴族学園なだけあって、制服は全てフルオーダーメイドだ。一応基準はあるけど、制服アレンジなんかは全部自由だったりするし。

だからこんな騒ぐようなことじゃないと思うんだけど、シルヴァ家は国でも有数の公爵家な上、今年は学園の新入生が3人もいる。商人さん達としては、極上のカモってやつだ。

シルヴァ家御用達の商人さんも勿論いるんだけど、折角なんだから新規開発ってことらしい。


「シルヴァ夫人、こちらは如何でしょう?」

「まぁ、素敵ね!でも少し主張が激しい気がするわ。シャーロットの魅力を活かすには、もう少し控えめで上品な方がいいわね」

「流石です奥様。でしたらこの、春霞の布地は…」

「うん…糸はそれ、その靡く雲の糸シリーズがいいと思う」

「まぁ、カイトの癖にいい趣味してますわね」


いや、こんな騒ぎになってるのは止める奴がいないせいだ。

お父様はいつも通り仕事だからいいんだけど、まさかお母様までこんなに熱狂するとは。いつの世も女の子はkawaiiに夢中なものらしい…。


「ってカイト!カイトまでそんな、そっちの人種なの!?」


嘘でしょう!?万年全身黒男のカイトが!?

え、だって、って言うかそもそも二人とも私の選んでないで自分の選ぼうよ!?


「ごめんシャーロット…シャーロットが服に興味ないのは知ってる……いつも色ぐらいしか気にしないし…俺だって気にしない。でもシャーロットが着る制服だけは、こだわりたいんだ」

「癪ですが、私も同じ気持ちですわ。ですが、それでシャーロット様を困らせているようでは、本末転倒です。奥様!」


カイトとアイリスがキリリとしたキメ顔でそう言うと、お母様はこれまたキメ顔でカスッと鳴ってない指を鳴らした。


「ええ。ここにあるもの、あるだけ頂戴っ!!」


バーン!本日2度目の仁王立ちに、私はコメカミを抑えて、盛り上がる商人さん達に有無を言わせぬ口調で言い切った。


「すみません、キャンセルで。代わりに、さっきの春霞の布地で学園女子制服を2人分、男子制服を冬霞の布地で1人分お願いします。糸は靡く雲の糸シリーズで、ネクタイの個人カラーも同じ糸でお願いします。必要になりましたら後から伝えますので、取り敢えずこれで結構ですわ」


シャラリとサインを済ませ、契約をし、嘆くお母様とアイリスとカイトは見ない振りすることにした。

いくら公爵家でお金が有り余っていようとも、節約は大事です。



学園制服は、女子が白を基調とした豪華なセーラー服。男子が黒を基調とした豪華な学ランと、男子はまだしも女子は全国のお母さんに喧嘩売ってんのって感じの制服だ。

そして白一色の制服の中、ネクタイを彩る刺繍の糸だけは、この髪色因縁王国らしく、それぞれの髪色を指定されている。男子の場合は学ランの襟元だ。

つまり私は白のネクタイに白銀の刺繍。カイトは黒学ランの襟に黒の刺繍と、保護色になってしまうカラーだ。カイトとお揃いだね、と笑った時にアイリスが酷く拗ねていたが、この制服はアイリスが最も似合う仕様になっている。殆どの王族が金髪なので、当然っちゃあ当然なのだが。

白のセーラー服に、控えめに主張する金色の学章の刺繍。そこに纏めあげた柔らかな金髪とくれば、顔を見なくても美少女なのはもう明白。そして実際に超が付くほど美少女なのだから、無敵だ。

かくいう私も、流石に美少女なだけあって、見事にこの主張が激しい制服を着こなしているのだが。


「どう?似合ってるかな?」


制服を身に付けて、くるりと一回転すると、スカートが上品にふんわりと揺れた。

これはおまけ、とばかりに微笑みかけると、2人は興奮して顔を赤く染めた。何だかんだ、やっぱりまだまだ可愛い所があるものだ。


「流石シャーロット様!三千世界で1番お似合いですわ!!」

「やっぱり俺の女神……」

「は?シャーロット様は、私の天使様ですが?」

「…俺からシャーロット奪うのは、誰であろうと赦さない」

「上っ等ですわ!」


何故か喧嘩を始めた2人は置いといて、私、シャーロット・シルヴァ。幼馴染と親友と一緒に、今日より学園生活、始めますっ!



これにて1章は終わりです。

1章は書き切ろうと思ってたの忘れてました。

最近違うジャンルに手を出していたもので、書き方が変わっていたりもすると思いますが、御容赦ください。

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